goo blog サービス終了のお知らせ 

言の葉

2008.11.28 開設
2022.07.01 移設
sonnet wrote.

思い出の着物地を

2013年08月06日 | ハンドメイド


以前叔母に手提げを作ってあげたところ、とても気に入ってくれ、箪笥に眠っている端切れで何か作ってくれないかと3点送ってきた。
黒地にグレイは母親の形見の大島紬、柿色は道行の端切れ、黒地に赤い柄の大島紬は今は亡きご主人に結婚一周年で買って貰ったものだという。
サイズもさまざまで、何をどう作るかすべて任せると言われたが、どれも叔母にとって思い入れのある生地なので無計画に鋏は入れられない。
どうしたものかとあれこれ迷った。しかし限られた材料でデザインを考えるこの工程が一番面白い。

「母親(私にとっては大姑)の形見の着物は地味なので、赤い帯をして着ている」と叔母が言っていた。
そこでマチ、内袋を臙脂色にすることにした。実はこれは叔母には内緒だが100円ショップで買った布である。
しかし張りがあり、大島と接ぎ合わせても遜色はない。
正面から見ると地味なので、外ポケットの縁にも赤を入れてアクセントを付けた。
持ち手は木製。制作仲間のZさんからいただいたものでようやく使う時が来た。おかげでグレードアップした感じがする。


道行の残り布はわずかしかなく、利休袋を作るのが精いっぱいだった。
色柄共にピッタリの裏地があったのでそれなりに格好がついた。

黒地に赤の紬は巾着型のかぶせを付けたスクウェアな手提げにした。
内袋は帯を解体したもの。色は柿色で合わないが、薄い紬を内側から支えたいので厚さ優先にした。


叔母に送ると当然姑も見ることになる。
そこに姑のものがないとつまらないだろうと思い、急遽姑用も作ることにした。
帰省の時古い帯を貰っていた。長いこと箪笥にしまったままであちこちに染色が滲んだような箇所があったが、普段使いの手提げなら気にならない。
リバーシブルなのか更紗模様(?)と柿色の無地の接ぎ合わせで、それを解体して別々に洗っておいた。
スタンダードなトートバッグなので、ちょっとひと工夫したくなった。
帯地にある2色、柿色と抹茶色に近い布があるので、左右のマチを別々の色にする。
フロントポケットも2つに仕切り、その中も色を変えた。
見えない箇所で手間のかかる工程が増えたが、思いついたらやらずにはいられない。
高齢の姑にこの妙がわかってもらえるか?

叔母は3点とも気に入り、姑も若い頃の帯が蘇ったと嬉しい報告があった。