手打ち蕎麦をする私の徒然日記

2003年1月に手打ち蕎麦に初挑戦。手打ち蕎麦の事ばかりでなく、日常インパクトのあった事柄を思ったまま綴ったブログです。

NHKテレビのスペシャル番組「特攻」を見て思うこと

2007-04-02 11:47:17 | Weblog
先日、作家の城山三郎さんが亡くなった。最近は、私の尊敬する素晴らしい方々が亡くなられ寂しい限りだ。城山さんの小説に最初に出会ったのは「素直な戦士たち」だったが、これは世の中の東大至上主義に警鐘を鳴らした鋭い作品だ。以来、私は城山さんの大ファンになった。ある時は、「東大法科卒が日本をダメにする」と、雑誌の巻頭言に書いてみたり、また政府から授与される叙勲の勲章の受け取りを断ったり、と、すごく気骨の入った行動をされてきた。城山さんのような方にこそ、世直しのために是非とも今後も活躍してほしい、と思っていたので、亡くなられたのは、実に残念。この世にとっても、日本にとっても大きな損失といわざるを得ない。
4月1日の深夜、ベッドにもぐり込みつつ何気なくテレビのスイッチを入れたところ、偶然にも、その城山三郎さんが、太平洋戦争当時の特攻隊をレポートした番組が放送されていた。NHKテレビのスペシャル番組「特攻」という再放送番組だが、夜の更けるのも忘れて最後までを見入ってしまった。
番組の中で、特攻出撃を明日にひかえた、その前日の晩に、隊員たちが夜を過ごした部屋が紹介されていた。その部屋の柱や鴨居など木材部分のいたるところには、ナイフで切られたような痕跡がアチコチに見られたのだが、これらは明日の死を前にして、隊員たちが部屋中、日本刀を振り回したことでできたキズだという。おそらく、彼らは刀を振り回すことで、せつなさ、やるせなさを紛らわせ、発散させたかったのかも知れない。両親や兄弟姉妹それに妻など、愛する家族を想う彼らの心境たるや、いかばかりであったろうか?彼らの悔しさを思うとき、私は涙を禁じえない。城山さんは、それら柱のキズひとつひとつを指でやさしく丁寧になぞっておられた。
有無を言わせず、死を強制された隊員たちの気持ちたるや、どんなだったろうか?20歳前後の若者たちを強制的に死に駆り立てた軍の気違い沙汰の行動、軍の非情さをまざまざと思わざるを得なかった。
戦争、と言えば、私にも記憶がある。小学校に入る前のころ、私は利根川のほとりの茨城県の境町に住んでいた。当時、私は防空壕のそばで、アメリカのB29の飛行編隊がゴウゴウと轟音を響かせながら、夜空をゆうゆうと飛んでいるのを見て、それら飛行機の数を数えていたことを今でもハッキリと覚えている。
現在の日本は、馬鹿げた戦争とは無縁の平和を謳歌している、といえる。でもその一方で、いじめによる自殺、児童の虐待や誘拐、殺人、その他、企業の不正隠しなどなど、馬鹿げた事件が横行している。さらに、世界に目を向けると、なんと今でも内戦など戦争状態にある国がある。知恵ある人間なのにどうしてそういった馬鹿げたことが避けられないのか? 
少なくとも、私たち日本人は、戦争によって「特攻」での壮絶な死を遂げている多くの人たちの存在を今後とも永遠に絶対に忘れてはなるまい。

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