手打ち蕎麦をする私の徒然日記

2003年1月に手打ち蕎麦に初挑戦。手打ち蕎麦の事ばかりでなく、日常インパクトのあった事柄を思ったまま綴ったブログです。

イラクから帰還した米兵の現状映像を見て思う

2008-03-21 19:13:36 | 社会
先日、NHKのテレビでイラク戦争から帰還した米兵の特集番組をやっていた。私にとっては思いもよらない実態が映しだされていて、米兵たちの苦悩の様子に愕然とした。
開始から5年を経たイラク戦争では、これまでに米軍の死者数は約4000人にのぼり、一方、イラク人死者は10万人とも15万人ともいわれているそうだ。このイラク戦争に巻き込まれている当事者のすさまじいばかりの実態に対し、実に悲しいこと、と思わざるを得ない。
帰還した米兵の多くは、精神的異常を訴える、というが、私たちの想像を絶するイラク現地では、まさにそうなってしまうのも無理からぬことのように思える。いままで、普段のなにげない日常生活を過ごしていた人が、イラクの最前線に行って、戦車に乗った場合、あるときは、そこいらじゅうに横たわる多くの死者を目にしたり、また時には、息も絶え絶えの敵兵を目にするのは、日常茶飯事であったろう。また、時には、相手からの奇襲攻撃にさらされたりして、突然にして、親しい友人を失ったり、するであろう。また、わが命を守るため、どうしても相手敵兵を殺害した経験をもつ兵隊さんもいるはずだ。-----このような現場に居合わせた人が、精神異常を訴えるのは当然だろう、と思う。
戦争って実に馬鹿げたものだ。毎日のように、イラクでの自爆テロで死者が出た、と言う記事が新聞を賑わしているが、実に不幸だ。赤ちゃん時代から、大切に育てられ、学校に言ったり、旅行したり、いろんな人生経験を持ってきた人が、馬鹿げた戦争で、命を落とす、って、ほんとうに嘆かわしい。その人の周囲には、親や兄弟、恋人など、数え切れないくらいの大切な人たちが日常生活で関わってきたはずで、その命の尊さは、筆舌に尽くしえないものがある。一方で、自分が殺害した相手敵兵といえども、自分と同じに、親や兄弟、恋人や、かわいい子供たちなど、数え切れないくらいの大切な人たちがいるはづで、こんなことを考えただけで、精神異常をきたさないほうがおかしいくらいだ。
最近では、イラク戦争開戦時と様変わりして、帰還した兵隊さんには、米国世間は冷たい、という。というのは、開戦時と違って、米国の世論は、イラク戦争に反対する人が大多数を占めたから、という。テレビでは、働き口を必死にさがす帰還兵にも言及していたが、実に惨めだ。
この世に二人といない、大切な大切な夫や恋人、あるいはお父さんを戦場で亡くした家族や知人などの深い深い悲しみは、米兵側だけでなく、米兵と戦う相手側にとっても、まったく同じことがあてはまる。
戦う両者ともに、大切な悲しみに包まれている!こんな馬鹿げた戦争、いつになったら終焉するのだろうか?