min-minの読書メモ

冒険小説を主体に読書してますがその他ジャンルでも読んだ本を紹介します。最近、気に入った映画やDVDの感想も載せてます。

高野秀行著『恋するソマリア』

2015-07-05 16:18:11 | ノンフィクション
高野秀行著『恋するソマリア』集英社 2015.1.30第一刷 \1,600+tax

おススメ度:★★★★★

待ってましたぁ!ミスタータカノ!のソマリア・リポート第二弾!!!なんと今度のタイトルは直球勝負「恋するソマリア」になってしもうた。まさかなんぼソマリアにはまったとは言え「恋する・・・」はねぇだろ!?本人は前回の旅行から帰国するや、もうソマリアに帰りたくて帰りたくて、そわそわオロオロ、まるで恋人と別れ早く再開したくてたまらない恋する青年の如しw。
そんな高野氏は早稲田のソマリ留学生兄弟(妹)からソマリ語を習ったり、中古車のダイレクト輸出の商売を仕掛けをつくったりとヤル気まんまん。
そしていよいよ2度目のソマリアへの里帰りを果たしたのであった。今回のテーマは特に次の3点であった。それは「言語」「料理」「音楽」(踊りを含め)。高野氏は世界各地を渡り歩くうちに人間集団を形作る内面的な三大要素はこの3つにあると喝破したのであった。
かくして南部ソマリアの秘境を訪れる前にソマリア人の普通の家庭にある外国人にとって全くの秘境とも言えるその台所に潜入し誰もが果たせなかったソマリアの家庭料理を伝授してもらったのである。そこでうら若きソマリ女子の文字通りベールを脱いだ交流があり、ミスタータカノにとって忘れがたい体験となった次第。
僕にとってもっと興味深かったのが「音楽」の話題。ソマリア人の性格から想像される激しいアラブ風ミュージックが好まれるものと作者高野氏は考えたようであるが、全くのハズレ。
何とも叙情豊かな男女の恋の歌を中心に、これは日本の演歌に近い歌謡曲では!?と思われるものが好まれる。ソマリの音楽は日本同様「五音音階」のため曲調が日本と似ているのだ。
僕が昔ケニアの北東部、ソマリア国境からほど遠くないサバンナではたらいていた時に夜僕のラジオに流れた音楽は紛れもなくド演歌であった。びっくりして起き上がりじっとその音楽を聴いたのだが、歌詞は何語であるのか全然わからなかったものの、何故こんなところに演歌を歌う民族がいるのか不思議であった。
そして高野氏は念願の南部ソマリアの秘境へ州知事の招待でホーン・ケーブルTVモガデショ支部のハムディらと軍の護衛付で分け入ったのであるが、これが最悪の事態を招くことに。詳細は割愛。
ところでハムディと言えばモガデショ支部の剛腕姫と表現されるように超美貌でありながら管理者としても記者としても辣腕を振るう才色兼備のおねぇちゃん。本作品でも何枚かの画像が載っているが、表紙を飾る女性はまさにハムディその人であろう。
これだけの美貌を持ち射るような眼差しで議論をふっかけるインテリジェンス溢れる女性であれば大抵の男は沈黙する。
僕なんかだと一発で惚れるタイプだ。そもそも高野氏が今回の題名を「恋するソマリア」としたのは「恋するハムディ」が居たからではないのか?と勘繰ることができるほど。本編あとがきの部分で載せられた彼女とのツーショットの高野氏の何とも幸せそうなお顔を見るにつけそう思ってしまう。詳細はネタバレになってしまうので書けないが、さて高野さん、もちろん3度目の帰郷を果たすのでしょうね!それとも北欧の旅に変更とか?

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