min-minの読書メモ

冒険小説を主体に読書してますがその他ジャンルでも読んだ本を紹介します。最近、気に入った映画やDVDの感想も載せてます。

白川由紀著『ウィーン⇔カトマンズ 大陸横断バス』

2009-03-10 07:20:28 | ノンフィクション
白川由紀著『ウィーン⇔カトマンズ 大陸横断バス』 1997.7.20第1刷
1,500円+tax

オススメ度★★★☆☆

同著者の『もっと世界を、あたしは見たい』にはえらく落胆させられてしまったものの、彼女がかって実行したユーラシア大陸の横断バス行には大いに興味があった。
1970年代、ネパールが世界のヒッピーたちの溜まり場であった頃ロンドンーカトマンズ間のバスが運行されていたのを知っている。
だがご存知の通りその後アフガン紛争やイランイラク戦争の勃発によりこの古代からのルートは閉ざされてしまった。
それが1990年代の初めに再開されようとは思わなかった。それも日本人の女の子の手によってとは。
興味の対象はどうやって実現したのか、何よりどのルートを取って実現したのかが最大のポイントであった。
前回は旅の実態が全く分からなかったことに不満をいだいたのであったが、さすがに本書では具体的に記述されている。
通読して感じたのは本編で登場するオーストリア人のステファンの存在が大きいことだ。ちょっと年齢は不詳であるが、彼とネパールで出会わなければこの計画は実現しなかったと言っても過言ではないだろう。
彼がバスを調達し改造し、そして全行程を運転したのだから。著者自身はこの方面では全くの素人であるし人生経験も極めて浅い。
実際の旅ではステファンの機知に富んだ判断が大いに役立ったようだ。
意外だったのは募集したメンバーが全て日本人であったこと。この募集は白川女史自身の手によって日本で行われ奇跡的?に数名応募者があって実現した。
本書はこんな彼女によって企画された第二回目の横断バスの旅行記となっている。内容は二十歳半ばの女性による感性で描かれており、乗り合わせた奇妙な日本人たちの挙動、言動が面白おかしく活写されている。
本書が書かれた年には第六回目の横断バスが企画されたと書かれているが、はて、今でも運営されているのであろうか?今の中東情勢を考えると常識的にはあり得ない気がするが・・・





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