リー・チャイルド著『キリング・フロアー 上・下』講談社文庫 2012.12.14
おススメ度:★★★★★
前回同シリーズ2作目「反撃」を読んだとき、このシリーズの第一作を未読なので是非読みたい!と記したのであったがその通りに読んだ。正解であった。
このシリーズが世界的に大ヒットしたのは正しくこのデビュー作が理由であろう。デビュー作でありながらその完成度の高さに驚きの念を持った。
さて、本作のストーリーであるが、軍隊を除隊し放浪の旅にでたリーチャーはバスがジョージア州の片田舎の町に近づいた時点でとっさに下車したい旨バス運転手に頼んで降りた。
リーチャーはバス停からしばらく歩いて町中のレストランで食事をしていた時、突然店内に入って来た4人の警官に逮捕された。
彼の容疑は降りた高速のバス停ちかくにある倉庫での殺人であった。それから彼の身辺を襲った目まぐるしい状況の変化の背後には想像を絶する陰謀が隠されていた。
リーチャーは持ち前の怜悧な頭脳をフル回転させ、事件の背後に潜む謎に肉薄する。彼の推理を阻む輩どもには冷酷とも、残酷ともとれる反撃を行うのであった。
リーチャーが育った環境は決して普通の米国市民が得るような代物ではなかった。彼の父親は米国の陸軍に所属し、世界中の米軍基地を転々として歩いた。したがって彼の家族もまた父の移動に伴って世界中の国々に住むことになった。住むといっても同一場所に一年を超えて滞在することはなく、学校もその都度変わった。
だから友達らしい友達が出来ることもなく、リーチャーにとっては2才年上の兄の存在が絶対的な存在となった。
そんな唯一の肉親である兄が今回の事件に巻き込まれて死んでしまったことを知ったリーチャーは愕然とするのであった。
リーチャーの30数年に渡る全人生は米軍とともにあったわけで、特に幼少期よりこの米軍という社会しか知らなかったリーチャーは除隊後、全くこんな社会と縁がない放浪的人生を歩もうとしたのであったが、振出からそうは行かなかった。そして今後もまたそうはならない、ということだ。
とまれリーチャーが目指す地がどこであれ、安らぎのある地に辿り着き安寧な生活を送るとは思えない。
おススメ度:★★★★★
前回同シリーズ2作目「反撃」を読んだとき、このシリーズの第一作を未読なので是非読みたい!と記したのであったがその通りに読んだ。正解であった。
このシリーズが世界的に大ヒットしたのは正しくこのデビュー作が理由であろう。デビュー作でありながらその完成度の高さに驚きの念を持った。
さて、本作のストーリーであるが、軍隊を除隊し放浪の旅にでたリーチャーはバスがジョージア州の片田舎の町に近づいた時点でとっさに下車したい旨バス運転手に頼んで降りた。
リーチャーはバス停からしばらく歩いて町中のレストランで食事をしていた時、突然店内に入って来た4人の警官に逮捕された。
彼の容疑は降りた高速のバス停ちかくにある倉庫での殺人であった。それから彼の身辺を襲った目まぐるしい状況の変化の背後には想像を絶する陰謀が隠されていた。
リーチャーは持ち前の怜悧な頭脳をフル回転させ、事件の背後に潜む謎に肉薄する。彼の推理を阻む輩どもには冷酷とも、残酷ともとれる反撃を行うのであった。
リーチャーが育った環境は決して普通の米国市民が得るような代物ではなかった。彼の父親は米国の陸軍に所属し、世界中の米軍基地を転々として歩いた。したがって彼の家族もまた父の移動に伴って世界中の国々に住むことになった。住むといっても同一場所に一年を超えて滞在することはなく、学校もその都度変わった。
だから友達らしい友達が出来ることもなく、リーチャーにとっては2才年上の兄の存在が絶対的な存在となった。
そんな唯一の肉親である兄が今回の事件に巻き込まれて死んでしまったことを知ったリーチャーは愕然とするのであった。
リーチャーの30数年に渡る全人生は米軍とともにあったわけで、特に幼少期よりこの米軍という社会しか知らなかったリーチャーは除隊後、全くこんな社会と縁がない放浪的人生を歩もうとしたのであったが、振出からそうは行かなかった。そして今後もまたそうはならない、ということだ。
とまれリーチャーが目指す地がどこであれ、安らぎのある地に辿り着き安寧な生活を送るとは思えない。