リー・チャイルド著『反撃 上・下』講談社文庫 2003.2.15
おススメ度:★★★☆☆
本編はジャック・リーチャーシリーズの第二編である。最初にこのシリーズを読んだのは映画化され世に有名となった第九作目の「アウトロー」からで、読み方としては順序が間違っていると言えよう。だが古本屋でシリーズが目に留まった順であるからしょうがない。
さて本編であるが、物語の発端はリーチャーがとあるクリーニング店の前を通りかかった折、杖をついた足の不自由な女性がクリーニング店のドアを出るなり躓いて転びそうになったのをリーチャーが手を伸ばして支えてやったことにあった。リーチャーが彼女の持つクリーニングが終わった品物を受け取った途端、二人の男が銃を二人に突き付けて傍らに留まったヴァンの後部に押し込まれたのであった。
気が付いた場所は拉致されたシカゴから千数百マイル離れたモンタナ州のカナダ国境に近い深い森の中であった。
リーチャーはいわばホリーの拉致に巻き込まれた形で連れて来られたわけだが、彼一人なら途中で逃れることが可能であったが、ホリーの出自を知った途端自分一人だけ逃れるわけにいかなくなった。
彼女はFBI職員であったが彼女の父は合衆国陸軍統合参謀長であった。
そして彼女の誘拐を企んだのはこの地で生まれ育った巨漢ボー・ボーケンという民兵組織のリーダーであった。彼はこの地域の賛同者ばかりではなく他のいくつかの民兵組織を統合して合衆国からの独立を画策していた。ホリーはまさにその為の重要な道具として確保されたのであった。
ま、この辺りの独立論者の理屈というのが不透明で、たとえ透明性があったとしても何の現実味も興味も湧かないので、こうした敵性分子を相手に選んだこと自体が作者のあやまりではないだろうか。
物語の進行の中で、民兵組織側にFBI側の捜査状況が筒抜けであったことからFBIの中にスパイがいることが判明。こうした要素も含めてクライマックスに向かうのであるが、どうもテンポが今一つ追いつかない。タイトルにあるように当然リーチャーからの反撃が始まるわけだがちょっと遅すぎる感がしたのは僕だけか?
とにかく本編でより詳細にリーチャーの人となりが理解できた気がする。なぜ彼が軍役を離れこのような流浪の旅に出たのかをよりよく知るためにはやはり第一作を読むことを決意し、てもとにその第一作「キリング・フロアー」があることを報告しておきたい。
おススメ度:★★★☆☆
本編はジャック・リーチャーシリーズの第二編である。最初にこのシリーズを読んだのは映画化され世に有名となった第九作目の「アウトロー」からで、読み方としては順序が間違っていると言えよう。だが古本屋でシリーズが目に留まった順であるからしょうがない。
さて本編であるが、物語の発端はリーチャーがとあるクリーニング店の前を通りかかった折、杖をついた足の不自由な女性がクリーニング店のドアを出るなり躓いて転びそうになったのをリーチャーが手を伸ばして支えてやったことにあった。リーチャーが彼女の持つクリーニングが終わった品物を受け取った途端、二人の男が銃を二人に突き付けて傍らに留まったヴァンの後部に押し込まれたのであった。
気が付いた場所は拉致されたシカゴから千数百マイル離れたモンタナ州のカナダ国境に近い深い森の中であった。
リーチャーはいわばホリーの拉致に巻き込まれた形で連れて来られたわけだが、彼一人なら途中で逃れることが可能であったが、ホリーの出自を知った途端自分一人だけ逃れるわけにいかなくなった。
彼女はFBI職員であったが彼女の父は合衆国陸軍統合参謀長であった。
そして彼女の誘拐を企んだのはこの地で生まれ育った巨漢ボー・ボーケンという民兵組織のリーダーであった。彼はこの地域の賛同者ばかりではなく他のいくつかの民兵組織を統合して合衆国からの独立を画策していた。ホリーはまさにその為の重要な道具として確保されたのであった。
ま、この辺りの独立論者の理屈というのが不透明で、たとえ透明性があったとしても何の現実味も興味も湧かないので、こうした敵性分子を相手に選んだこと自体が作者のあやまりではないだろうか。
物語の進行の中で、民兵組織側にFBI側の捜査状況が筒抜けであったことからFBIの中にスパイがいることが判明。こうした要素も含めてクライマックスに向かうのであるが、どうもテンポが今一つ追いつかない。タイトルにあるように当然リーチャーからの反撃が始まるわけだがちょっと遅すぎる感がしたのは僕だけか?
とにかく本編でより詳細にリーチャーの人となりが理解できた気がする。なぜ彼が軍役を離れこのような流浪の旅に出たのかをよりよく知るためにはやはり第一作を読むことを決意し、てもとにその第一作「キリング・フロアー」があることを報告しておきたい。