min-minの読書メモ

冒険小説を主体に読書してますがその他ジャンルでも読んだ本を紹介します。最近、気に入った映画やDVDの感想も載せてます。

渡辺裕之著『デスゲーム 新・傭兵代理店』

2015-07-11 14:20:01 | 「ワ行」の作家
渡辺裕之著『デスゲーム 新・傭兵代理店』祥伝社文庫 2015.2.20第1刷 \700+tax

おススメ度:★★★★☆

この度の藤堂浩志率いるリベンジャーズの一部はいつもとは異なる場所に居た。海外には違わないのだが、参集した場所がヨルダンは首都アンマンの世界的軍事見本市の会場であった。
この見本市はSO8とも呼ばれる世界8ケ国から集まった特殊部隊のためのイベントなのであった。
米国や英国、更にフランス、ドイツなどのその国を代表する特殊部隊に加わって日本からは国の特殊部隊ではなく傭兵部隊として呼ばれリベンジャーズはちょっと特殊な立場にあった。
だが、とにかくその実力を評価されての招聘であることは間違いがなかった。
さて、このSO8であるが単なる博覧会ではなく、正式な行事の間を縫って各国対応する競技会が遂行されたのであった。
第二までの競技では米国チームが汚い手を使いながらトップに立ち、警護のヨルダン兵士2名が何者かに襲われるという不測の事態が発生していた。その最終日各国チームは軍用機の機上におり、こののち降下し与えられた座標にあるコンテナを探すという競技であった。
合図とともに次々と降下していく各国チームを出迎えたのは何と地上からの激しい銃撃の嵐であった。次々と撃たれてゆく他のチームをみた浩司は部下に方向転換を命じて銃弾を回避した。地上で銃火を放ったのはシリアを根拠地にするISのテロリストであった。機はいつしかヨルダン領を外れシリア領内に入っていたのだ。
さて、これ以降はシリアの土漠を舞台に捕まった他国の特殊部隊隊員を救うべくあのにっくきISのテロリスト集団に立ち向かうリベンジャーズであった。
シリアを舞台とした戦闘と言えば前作「悪魔の大陸 上」でちょっと不完全燃焼した感が否めなかったのだが、今回先の落とし前を含め大暴れするリベンジャーズの面々。
これだけ時宣を得たストーリーは他に例をみない!ともいえるであろう。ところでこのISILが実は米国、イスラエルと繋がりがあるのではないか?という疑惑が一部で囁かれる昨今であるが、筆者である渡辺氏の洞察力にも大いに注目したい。