クリス・ライアン著『究極兵器 コールド・フュージョン』(原題:Ultimate Weapon) ハヤカワ文庫 2007.10.20第1刷
おススメ度:★★☆☆☆
湾岸戦争時特殊任務でイラクに潜入したSAS隊員ニック・スコットは捕えられ厳しい拷問を受けながらも何とか命を失わずに帰還した。だがニックの受けた肉体的、精神的な傷はあまりのも大きかった。
ニックは帰還後、SASを除隊しスイスでスキースクールを開くも酒に溺れ、更に妻を事故で失ったことで益々酒に溺れていった。だが残された愛娘のため生活を立て直し、娘はケンブリッジに進むほど優秀であった。
今のニックにとっては一カ月に一度海外勤務から戻って愛娘セアラに会うのが最大の楽しみであったのだが、そのセアラがどうも失踪したみたいだ。
周辺事情を探った結果、彼女の失踪理由は彼女の大学での研究内容のせいだろうと思われた。
そんな中、セアラの男友達である同じくSAS隊員であるジェドがSISの命令で開戦前夜のイラクへ仲間3人と共に潜入偵察を命じられる。大量破壊兵器を開発中と見られるバクダット郊外にある工場に潜入し兵器の詳細を探れというものであった。
その後、セアラが拉致されたのはイラクであった。彼女の研究テーマにからむ究極兵器がイラクで開発中でありその手伝いをすることが拉致の目的であったようだ。その究極の兵器とは何か?
セアラの救出のためSISがその任務を指名したのは父親たるニックその人であった。
かくして3人がイラクのバクダットへまるで磁石に吸い寄せられるように行くのだが、はたして彼らの運命や如何に!?
といった内容でスケールだけはやたらと大きい。イラク戦争におけるいわゆる「衝撃と畏怖」作戦が発動され、米国・英国軍本隊が侵攻する前夜に空爆(主にトマホーク巡航ミサイルによる)が行われた裏にはこの究極兵器を破壊する狙いがあった。との設定だが、いかんせん開戦直前の敵国内に白人4人がヘリで下され、工場プラント内に潜入するなんぞ、あまりにも荒唐無稽な物語ではないか。それになんぼ天才的頭脳を持った学生とはいえ、人類全体の行く末に影響を与えるような研究をしていること事態容易に納得できない。
ま、単なる戦争アクションものとして読むには面白いだろうが、その信憑性があまりないことから手放しで楽しむことは出来なかった、というのが正直な感想。
おススメ度:★★☆☆☆
湾岸戦争時特殊任務でイラクに潜入したSAS隊員ニック・スコットは捕えられ厳しい拷問を受けながらも何とか命を失わずに帰還した。だがニックの受けた肉体的、精神的な傷はあまりのも大きかった。
ニックは帰還後、SASを除隊しスイスでスキースクールを開くも酒に溺れ、更に妻を事故で失ったことで益々酒に溺れていった。だが残された愛娘のため生活を立て直し、娘はケンブリッジに進むほど優秀であった。
今のニックにとっては一カ月に一度海外勤務から戻って愛娘セアラに会うのが最大の楽しみであったのだが、そのセアラがどうも失踪したみたいだ。
周辺事情を探った結果、彼女の失踪理由は彼女の大学での研究内容のせいだろうと思われた。
そんな中、セアラの男友達である同じくSAS隊員であるジェドがSISの命令で開戦前夜のイラクへ仲間3人と共に潜入偵察を命じられる。大量破壊兵器を開発中と見られるバクダット郊外にある工場に潜入し兵器の詳細を探れというものであった。
その後、セアラが拉致されたのはイラクであった。彼女の研究テーマにからむ究極兵器がイラクで開発中でありその手伝いをすることが拉致の目的であったようだ。その究極の兵器とは何か?
セアラの救出のためSISがその任務を指名したのは父親たるニックその人であった。
かくして3人がイラクのバクダットへまるで磁石に吸い寄せられるように行くのだが、はたして彼らの運命や如何に!?
といった内容でスケールだけはやたらと大きい。イラク戦争におけるいわゆる「衝撃と畏怖」作戦が発動され、米国・英国軍本隊が侵攻する前夜に空爆(主にトマホーク巡航ミサイルによる)が行われた裏にはこの究極兵器を破壊する狙いがあった。との設定だが、いかんせん開戦直前の敵国内に白人4人がヘリで下され、工場プラント内に潜入するなんぞ、あまりにも荒唐無稽な物語ではないか。それになんぼ天才的頭脳を持った学生とはいえ、人類全体の行く末に影響を与えるような研究をしていること事態容易に納得できない。
ま、単なる戦争アクションものとして読むには面白いだろうが、その信憑性があまりないことから手放しで楽しむことは出来なかった、というのが正直な感想。