min-minの読書メモ

冒険小説を主体に読書してますがその他ジャンルでも読んだ本を紹介します。最近、気に入った映画やDVDの感想も載せてます。

リー・チャイルド著『アウトロー 上・下』

2014-09-14 12:31:53 | 「タ行」の作家
リー・チャイルド著『アウトロー 上・下』 講談社文庫 2013.1.16第1刷 

おススメ度:★★★★☆

Amazonの本の紹介文によれば
「平和なダウンタウンで起きた、ライフル狙撃による無差別殺人。容疑者は6時間後に特定された。証拠はこれ以上ないほどに揃っており、誰もが容疑者の有罪を確信していた。だが容疑者は黙し、たった一言だけを発した―「ジャック・リーチャーを呼んでくれ」。全米ベストセラー・シリーズ、待望の最新刊。」

ということなのだが、このジャック・リーチャーとは一体何者なのであろうか?
彼は陸軍における元軍警察の捜査官であった。現在は何も持たず(持たない物;運転免許証、クレジットカード、携帯電話、連邦給付金、税還付金、扶養家族)、米国内の好きな場所を放浪?中、といった極めて特異な人物である。「どうやって食っているんだろ?」という素朴な疑問が涌く人物である。

さて、本編であるが、紹介文にもある通り、有る者軍人が起こしたと思われる無差別殺傷事件であったのであるが、この男ジャック・リーチャーが登場することにより、事件の背後には極めて大がかりな陰謀が隠されていることが判明する。
この陰謀を影で操る不気味な謎の組織があることも徐々に彼の手によって解明されていく。
このあたりはサスペンスの謎解きと言ってもよい。上巻では謎の部分の深化が進み、下巻中間あたりから一気に流れが収斂される。その間読者はページを繰る手を止められない。

さて、そんな本編を読みながら、主人公リーチャーが謎を解きながら最後に一挙に暴力的、それもかなり強烈な手段によって解決する様はどこかでみた記憶がであると思い始めた。195cmの大男、鍛えられた強靭な肉体そして明晰な頭脳。そして元軍人。

そう、スティーヴン・ハンターによる「ボブリー・スワガー」シリーズに登場する伝説的スナイパーのボブと、彼の父親アール・スワガー(元警官)のことを!
アメリカ人はこの手のヒーロー像が極めてお好きなようであるが、著者は英国人とのこと。
このJ・リーチャーシリーズは今までに17作も上梓されているようだが邦訳は本編を含めて5作品とか。本編は邦訳の5作目にあたるらしいが、この作品が一挙に脚光を浴びたのは昨年公開された同作品の映画化によるものではなかろうか?映画も原作同名の「アウトロー」で何とトム・クルーズが主演。
そういえばこんな映画のポスターを見た記憶がある。だがリーチャーをトム・クルーズが演じる?今原作を読んだ後では相当の違和感を抱くのは僕だけではないはず。
でも逆にこのイメージのギャップをどう処理したのかが興味深い。この後DVDを観たくなった。観てみよう!