高野秀行著『ワセダ三畳青春期』集英社 2003.10.25 第1刷
おススメ度:★★★☆☆
このタイトルを読む限り、はるか昔昭和の時代のバンカラ学生青春期かなんかと思ってしまう。
ところが時代は1989年から2000年の間のことで、こんな三畳間の下宿があったとは!家賃はなんと一万二千円。
早稲田大学の正門からほど近いところに「野々村荘」という相当古い下宿屋に転がり込んだ早稲田探検部の学生の物語で、かなり奇想天外な生活ぶりに驚かされる。
本人は通常の4年間で卒業するつもりはなく、好奇心と探検心の赴くままにアフリカのコンゴに幻獣ムベンベを探しに行ったり、アマゾン河を何ヶ月もかけ遡上したり、ほとんど授業に出ることもない。
そんな彼の周りにはやはり一風変わった人々が集まり、時に抱腹絶倒の奇行を繰り広げる。
暇つぶしに読む分には何とも手ごろな読み物だ。
さてこんな極楽トンボ暮らしが永遠に続くわけもない。他人は彼をうらやむが彼にだって将来の人生があるわけだ。そんな彼を現実の生活に送り出したのは、彼女が出来て、彼女が導いてくれた。そのくだりが何とも微笑ましい。
ところでワセダ探検部といえば、かの船戸与一氏を思い起こすのだが、やはり後輩の中にも面白い人物がいるものだ。
本編は昨年末にあった旧FADV(ニフティの冒険小説&ハードボイルド電子会議室)忘年会の席上いただいたもの。早大出身者であれば、いやならずとも大いに楽しめる異色青春記である。
おススメ度:★★★☆☆
このタイトルを読む限り、はるか昔昭和の時代のバンカラ学生青春期かなんかと思ってしまう。
ところが時代は1989年から2000年の間のことで、こんな三畳間の下宿があったとは!家賃はなんと一万二千円。
早稲田大学の正門からほど近いところに「野々村荘」という相当古い下宿屋に転がり込んだ早稲田探検部の学生の物語で、かなり奇想天外な生活ぶりに驚かされる。
本人は通常の4年間で卒業するつもりはなく、好奇心と探検心の赴くままにアフリカのコンゴに幻獣ムベンベを探しに行ったり、アマゾン河を何ヶ月もかけ遡上したり、ほとんど授業に出ることもない。
そんな彼の周りにはやはり一風変わった人々が集まり、時に抱腹絶倒の奇行を繰り広げる。
暇つぶしに読む分には何とも手ごろな読み物だ。
さてこんな極楽トンボ暮らしが永遠に続くわけもない。他人は彼をうらやむが彼にだって将来の人生があるわけだ。そんな彼を現実の生活に送り出したのは、彼女が出来て、彼女が導いてくれた。そのくだりが何とも微笑ましい。
ところでワセダ探検部といえば、かの船戸与一氏を思い起こすのだが、やはり後輩の中にも面白い人物がいるものだ。
本編は昨年末にあった旧FADV(ニフティの冒険小説&ハードボイルド電子会議室)忘年会の席上いただいたもの。早大出身者であれば、いやならずとも大いに楽しめる異色青春記である。