min-minの読書メモ

冒険小説を主体に読書してますがその他ジャンルでも読んだ本を紹介します。最近、気に入った映画やDVDの感想も載せてます。

有川 浩著『フリーター、家を買う。』

2011-01-25 19:49:08 | 「ア行」の作家
有川 浩著『フリーター、家を買う。』 幻冬舎刊 2009.8.25第1刷 

オススメ度:★★★★☆

同名の題名で今年フジテレビによりTVドラマ化された作品の原作である。
先ずテレビのドラマを観てからその原作を読むケースというのはあまりなかった気がする。
TVドラマの内容が非常に面白かったので、お気に入りの有川浩さんだから原作はもっと面白いはずと確信して読んでみた。
大筋は原作の通りだが、登場人物のキャラ造形は多少違っている。TVの誠治も原作の誠治も極めて現代的な草食系男子として描かれ、フリーターとなるダメ現代っ子では同じだが、TVの誠治はあまりにも押し出しが弱くイライラしながら観ていた。
特に母親に対する隣人のイジメに対し、なぜもっと有効な反撃をしないのか信じられなかった。
だが原作ではもうちょっとまし?で好感が持てた。それと誠治の姉亜矢子の設定がはるかに良い。

TVではストーリーを膨らませ、長引かせる為に種々脚色していたが、本編の原作のほうが気に入っている。
特に誠治が中心になって採用した新人二人の“彼女”の設定のほうが、TVに登場したモデル出身の香理奈が演じる親会社の土木技師より魅力的である。

いずれにせよ原作を読んでいる途中にドラマに出てくる出演者の顔がともすると浮かんでしまい、原作の作中人物と顔が重なり閉口してしまった。
やはり原作を先に読んだほうがよかった気がする。