宮本昌孝著『海王 上・下』 徳間書店 2009.1.31第1刷 各2,200円+tax
オススメ度★★☆☆☆
「海王」と聞き直ぐに想い起こしたのが白石一郎著「海王伝」であった。
海に生きる男の夢とロマンを描いた大作であったが、今回も何となくそれを期待したのであったが全く違った。
時は戦国時代の真っ盛り。世に最も有名な三大戦国大名である織田信長、豊臣秀吉、徳川家康はもちろん、準主役級の明智光秀、石田三成、柴田勝家などに続き、この時代の有名人?服部半蔵、黒田堪兵衛、前田慶次郎、お市の方など惜しげもなく(笑)登場させてくる。
これらの有名な歴史上実在した人物たちに絡むひとりの少年がいた。
真の主人公は足利義輝の遺児(隠し子)海王(ハイワン)という少年であった。この子を付け狙う熊鷹という異形の剣士は、亡き義輝に敗れて後その遺児の存在を知り親子二代に渡って勝負を挑もうという化け物として描かれる。
本格正統派的時代小説を望む読者には不向きな作品であろう。足利義輝に隠し子がいた、というそもそも無理がある設定に加え、この子が生まれ出でるに際し、一度は首をはねられて死んだ側室の腹の中から生き返らせる、という妖術もどきを駆使する幻術士が登場。
その後も幾度かこの妖術を使うシーンが出てくる。
年輩の読者は山田風太郎を思い出すであろう。そして先に述べた熊鷹なる怪剣士であるが、この人物はむしろ“超人ハルク”をサムライにしたような存在で、これを信じろ!と言われること自体に無理があろう、というもんだ。
1ページ上下段に書かれ、上下巻500ページを越える長編である。中味は1巻にも及ばないであろう。最後まで読みきってから「ああ、時間の無駄遣いじゃあ!」と叫びたくなってしまった。
オススメ度★★☆☆☆
「海王」と聞き直ぐに想い起こしたのが白石一郎著「海王伝」であった。
海に生きる男の夢とロマンを描いた大作であったが、今回も何となくそれを期待したのであったが全く違った。
時は戦国時代の真っ盛り。世に最も有名な三大戦国大名である織田信長、豊臣秀吉、徳川家康はもちろん、準主役級の明智光秀、石田三成、柴田勝家などに続き、この時代の有名人?服部半蔵、黒田堪兵衛、前田慶次郎、お市の方など惜しげもなく(笑)登場させてくる。
これらの有名な歴史上実在した人物たちに絡むひとりの少年がいた。
真の主人公は足利義輝の遺児(隠し子)海王(ハイワン)という少年であった。この子を付け狙う熊鷹という異形の剣士は、亡き義輝に敗れて後その遺児の存在を知り親子二代に渡って勝負を挑もうという化け物として描かれる。
本格正統派的時代小説を望む読者には不向きな作品であろう。足利義輝に隠し子がいた、というそもそも無理がある設定に加え、この子が生まれ出でるに際し、一度は首をはねられて死んだ側室の腹の中から生き返らせる、という妖術もどきを駆使する幻術士が登場。
その後も幾度かこの妖術を使うシーンが出てくる。
年輩の読者は山田風太郎を思い出すであろう。そして先に述べた熊鷹なる怪剣士であるが、この人物はむしろ“超人ハルク”をサムライにしたような存在で、これを信じろ!と言われること自体に無理があろう、というもんだ。
1ページ上下段に書かれ、上下巻500ページを越える長編である。中味は1巻にも及ばないであろう。最後まで読みきってから「ああ、時間の無駄遣いじゃあ!」と叫びたくなってしまった。