クリス・ライアン著『抹殺部隊 インクレメント』ハヤカワ文庫 2006.7.31
SASを除隊したマット・ブラウニングは幼馴染の婚約者とスペインの保養地でレストランを開業し一応静かな生活を楽しんでいた。
しかしSIS(英国情報部)の幹部が同店を訪れ、ある作戦に参加するよう要請する。それは単なる要請ではなく任務を拒否すれば資産を凍結するという強要であった。ある作戦とは英国国防省に寄与する製薬会社の模造品がロシア国内で製造されておりその工場を破壊せよ、というものであった。
幼馴染の婚約者はマットにそんなことに絶対にかかわるな、と主張するが聞き入れられないことを知ると婚約を解消すると宣言し彼の前から姿を消してしまった。
工場の破壊作戦はかろうじて成功したのだがSISはこれだけではマットを開放してくれなかった。次には経営者も抹殺しろ、と言い出す。
マットは背後に最近多発している元兵士による錯乱して無差別殺人を起こす事件との繋がりに気がついたのだ。そんな彼を闇に葬るべく暗躍し始めたのはSAS内部の秘密暗殺部隊のインクレメントという機関であった。
マットはかってこのインクレメントに誘われたが断った経緯がある。ここにマットと少数の仲間対国家の諜報機関という壮絶な戦いが火蓋を切られた。相手は警察組織も自由に使える国家の暴力装置とも言える存在である。
この絶対的に不利な中で知恵と体力の極限を振り絞って戦う様はR.ラドラムの「暗殺者」を彷彿とさせる。個対国家、という究極の戦闘は読み手をハラハラさせるが個が巨大な組織に立ち向かうというのは冒険小説の王道である。
SASを除隊したマット・ブラウニングは幼馴染の婚約者とスペインの保養地でレストランを開業し一応静かな生活を楽しんでいた。
しかしSIS(英国情報部)の幹部が同店を訪れ、ある作戦に参加するよう要請する。それは単なる要請ではなく任務を拒否すれば資産を凍結するという強要であった。ある作戦とは英国国防省に寄与する製薬会社の模造品がロシア国内で製造されておりその工場を破壊せよ、というものであった。
幼馴染の婚約者はマットにそんなことに絶対にかかわるな、と主張するが聞き入れられないことを知ると婚約を解消すると宣言し彼の前から姿を消してしまった。
工場の破壊作戦はかろうじて成功したのだがSISはこれだけではマットを開放してくれなかった。次には経営者も抹殺しろ、と言い出す。
マットは背後に最近多発している元兵士による錯乱して無差別殺人を起こす事件との繋がりに気がついたのだ。そんな彼を闇に葬るべく暗躍し始めたのはSAS内部の秘密暗殺部隊のインクレメントという機関であった。
マットはかってこのインクレメントに誘われたが断った経緯がある。ここにマットと少数の仲間対国家の諜報機関という壮絶な戦いが火蓋を切られた。相手は警察組織も自由に使える国家の暴力装置とも言える存在である。
この絶対的に不利な中で知恵と体力の極限を振り絞って戦う様はR.ラドラムの「暗殺者」を彷彿とさせる。個対国家、という究極の戦闘は読み手をハラハラさせるが個が巨大な組織に立ち向かうというのは冒険小説の王道である。