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老いの途中で・・・

人生という“旅”は自分でゴールを設定できない旅。
“老い”を身近に感じつつ、近況や色々な思いを記します。

三笠宮さまのご逝去を悼む

2016年11月04日 19時51分37秒 | その他
 先日100歳でご逝去された三笠宮さまの本葬に当たる「斂葬(れんそう)の儀」が今日執り行われました。

 1915年生まれの三笠宮さまは、現天皇の叔父になる方で、学究の徒としてオリエント歴史に精通されていたのは有名ですが、その他にもレクレーションやスポーツ関係の発展にも多大の寄与をされました。
 また、自らの戦争体験から戦中・戦後に戦争非難の立場から色々な発言もされた非常にユニークな皇族でした。

◆学校卒業後は陸軍軍人の道を歩まれ、太平洋(大東亜戦争)開戦後、陸軍大尉時代の1943年(昭和18年)1月から翌1944年(昭和19年)1月まで「若杉」という姓で南京の支那派遣軍総司令部に勤務されたようですが、

・その時に現地の様子を“軍は中国との戦争が長引き戦闘が泥沼状態になっており、軍紀が乱れている者が一部いる事を深く反省すべきである”と総司令官に進言し、対中政策のブレーキ役となったことは有名です。

・また後年、いわゆる「南京事件」が問題になった際にも、“犠牲者数が議論されているが、数が問題なのではない。虐殺が行われたこと自体が問題なんだ”とも話されたそうです。(11月4日毎日新聞夕刊)

◆更に、1959年、神武天皇が即位した日とされる紀元節の復活の動きが活発になっていた頃には、考古学者・歴史学者としての立場から、神武天皇の即位は神話であり史実ではないとして強く批判し、積極的に復活反対の論陣を張られました。即ち、
 
“過去のことだと安心してはおれない。こんな動きは、また戦争につながるのではないだろうか”と思い悩み、多くの専門家の協力を得て、“真実は何か”を伝えようと思われたようです。
そして、自ら編者となって出版された「日本のあけぼの」(光文社)の「はじめに」で、“偽りを述べる者が愛国者とたたえられ、真実を語る者が売国奴と罵(ののし)られた世の中を、私は経験してきた”と書かれています。

・更に、日本紀元を架空と断じ、“架空な歴史を信じた人たちは、また勝算なき戦争を始めた人たちでもあった”そして、旧陸軍軍人として大いに責任がある、と「文芸春秋」にも寄稿されています。


このため、一部では「赤い宮様」と呼ばれるようになり、日本の復古・右傾化を模索する人たちからは疎まれるようになりましたが、このようなお考えを公にされたことは皇族として非常に思いきった行動だったと思いますし、皇族の良心として現天皇の戦争観などには少なからぬ影響を与えているとも推測されます。

ご冥福をお祈り申し上げますとともに、現在のこの国の為政者が戦争を経験された三笠宮さまの発言を、もっともっと心で受け止めて欲しいと願います。(まさ)

晩秋の淀川河川敷と特異日

2016年11月03日 20時24分13秒 | 旅行/色々な風景
 今日も好天につられて、淀川河川敷への散歩。
河川敷の植物は段々と冬景色に変化しており、ススキは段々と寂しそうにみえますが、水辺ではタデの仲間のミゾソバやシロバナサクラタデが目立ちましたし、鳥が運んだ種が自生したのでしょうがピラカンサの実もすっかり色づいていました。
また、釣り人の直ぐ横でおこぼれをまっているアオサギの姿が愛嬌でした。
 
 ところで、今日11月3日は「晴れの特異日」と呼ばれています。
「特異日」とはその前後の日と比べて偶然とは思われない程の高い確率で、特定の気象状態(天気、気温、日照時間など)が現れる日のことで、“晴れ”については「晴れの特異日」、“雨”については「雨の特異日」などと呼ばれていますし、花冷えの特異日、猛暑の特異日、台風襲来の特異日というのもあるようです。
特異日は世界的に認められた概念であり、英語ではsingularityと呼ばれようです。

 単に晴れの確立が高い日というだけは特異日とはいわないんです。
特異日はあくまでも統計や確率の話で、気象庁は「気象学的には意味はなく正式なものという扱いはしていない」という見解です。

天候のことですから、当然に地域によって異なり、回は過去40年のデータを使用して晴れの特異日を割り出すと、以下のようになるようです。
<東京> 3/18  4/5・6・17  8/29  10/10・16・23  11/3・11・12
<大阪> 1/20  1/27  3/6  7/6  11/11
(まさ)


秋風にそよぐススキは、心なしか少し寂しげです

水辺のにあるミゾソバとシロバナサクラタデの群落

ミラカンサの赤い実

釣り人の横でじっと待っているアオサギ

例によって、我が家を飾る持ち帰りのタデの花

高齢者施設の屋上菜園の土壌改良工事 

2016年11月02日 20時03分27秒 | 園芸福祉・植物とのつながり
 5年前に私が属している福祉園芸関係のボランティア団体が、堺市にある高齢者施設より依頼を受けて枕木の菜園を設置しました。サツマイモなどの栽培に利用されて、施設の利用者が楽しみにされていたのですが、先日収穫したサツモイモがコガネムシの幼虫によると思われる被害に遭っていたので対応策を検討して欲しいとの申し入れがありました。

 先方とも打合せの上、菜園の土を外に出して幼虫のチェックをした上、枕木の補強や、腐葉土/石灰/肥料分なども補強して土壌の改良を図ることにしました。

 昨日、土壌改良資材や枕木の補強材などを購入して屋上まで運び上げていましたので、今日は会のスタッフ5名が参加して作業に掛りました。

 参加はいずれも65歳以上、最高齢者は80歳ですが、何れも日頃から園芸作業などで体を動かしている人ばかりで元気々々。好天にも恵まれ、汗ばみながら予定通りに無事作業が終了しました。
やはり、日頃から体を動かしていることの大切さをつくづくと感じました。(まさ)



施行前の菜園の様子。土壌の嵩がかなり減っています。

綺麗な屋上なので、汚さないように周囲をしっかりと養生

養生シートの上にブルーシートを敷いて土壌の取り出し

花壇枠の枕木の補強作業

内側の防水シートを取り換え

コガネムシなどの幼虫をチェックしながら土壌を戻す。結構な数の幼虫を取り除きました

土壌改良資材を切り込んで混合

完了

そこまでやるか? ~原発廃炉費用の新電力負担~

2016年11月01日 21時13分04秒 | 原発関係
 原発の廃炉費用を大手電力会社だけでは負担できずに、その一部を新電力会社に負担させる方向が煮詰まりつつあるようです。

 現在経済産業省がその案を検討中ですが、取りあえずは自主廃炉される炉(現時点で6基)が対象で、稼動中や再稼動を目指す原発は対象外との由ですが、いずれこれらが老朽化して廃炉になる場合は、やはり対象となるようです。
結局は全ての原発炉の廃炉については、新電力利用者にも負担を求めるようで、新電力が大手電力会社の送電網を利用する際に支払う託送料金に上乗せするようです。
 
 そもそも電力自由化の目的は、寡占というよりは独占状態であった電力市場に市場競争を導入することであり、電気料金の引き下げや電気事業における資源配分の効率化を進めることが目的だったはずです。今年からはその対象が個人消費者にも拡大され、私のように仮に電力代が割高になっても、“脱原発”の電力に切り替えることを選んだ人も多いかと思います。

 しかし、その音頭を採った経済産業省は、根本ではこれらの自由化メリットよりも、今までの慣れ合いで大手電力の支援を優先せざるを得ないのでしょうし、それが現れているのが上記の原発廃炉費用の新電力負担政策でしょう。

 とりわけ問題なのが、事故を起こした福島原発の廃炉費用で、年間数千億円にも膨れた上で期間も30年以上は掛ると見られ、総額2兆円の予想を大幅に超過する見通しになりそうな状況です。
さすがに経済産業省も少しは国民に気兼ねしているのか、東電の分社化や他社との再編を匂わすようになりましたし、東電も企業努力での自己負担を口にするようになりました。
私企業でありながら政府の厚い保護政策で、今まで散々利益を上げてきた企業として当然のことでしょう。

 9月11日のブログでも触れたように、そもそもは産業界に貢献する低コストの電力としてやみくもに推進してきた原発が、いざ冷静に廃炉費用などを考えれば、原発の発電コストは高いものであったということが本質なのでしょう。
政府は、もうそろそろ“原発は安価で有利な電力”というまやかしの宣伝は止めて、本気で脱原発を打ち出す以外に、国民の負担増への理解を得られないと思います。(まさ)