老いの途中で・・・

人生という“旅”は自分でゴールを設定できない旅。
“老い”を身近に感じつつ、近況や色々な思いを記します。

言葉の語源など その(54) ~刀に由来する言葉~  その①

2020年11月30日 19時22分18秒 | 面白い言葉や語源など

 世間では「鬼滅の刃」ブームとかいう事ですが、高齢者二人暮らしの世帯ではまったく関係なく、遠い世界のことのようです。

 しかし、先日の「切羽詰まる」の語源を調べている時に、刀に由来する言葉が沢山あることを知りました。
 日本では武士社会が長く続きましたので、精神面での教訓と共に、武士の魂である刀に由来する色々な言葉が生まれてきたのも当然でしょう。

 その内の一部をご紹介しましょう。
この項は、Livedoor News(https://news.livedoor.com/article/detail/15536070/)、語源由来辞典、「雑学ネタ帳」などを参考にさせて頂きました。


<折紙付き>
 信頼性を保証された人やモノなどについて表す言葉ですが、これは江戸時代、刀剣鑑定の大御所であった本阿弥家が二つに折った奉書紙(上等な和紙)を鑑定書に用いたことに由来します。


<鍔迫合い(つばぜりあい)>
 鍔(つば)は柄と刃の間にはさんで手を防護する部分。
互いの刀が激しく打ち合われ、鍔同士がガチャガチャ言う(迫り合う)ほど肉薄した状態。転じて、互いに一歩も譲らないギリギリの状況で戦うことを言います。


<鎬を削る(しのぎをけずる)>
 鎬(しのぎ)とは刀身の側面で、ここが削れるほど刀を打ち合う激闘の様子を表しています。


<目抜き通り>
 「目抜き通り」の「目抜き」はもともと刀に由来する言葉で、刀の「目貫」(めぬき)が語源である。
 「目貫」とは刀身と柄(つか:握る部分)の両方の穴を通して固定するための金具である。刀身にある穴は目釘穴と呼ばれ、目を貫いて固定することから「目貫」と呼ばれた。

 刀の中でも特に目立って中心的だということから、江戸時代には「目立つもの」や「目立つこと」を「目貫」と言うようになった。そして、街の中心にあり、華やかで目立つ大通りや賑やかな大通りのことを「目抜き通り」と呼ぶようになった。

 「目抜き通り」という言葉は、明治時代以降、遅くとも大正時代には使われるようになったが、語源である刀の「目貫」の意味とは少し違う形で使われるようになったことから、漢字も「目貫」から「目抜き」へと変わったとされる。

 「目抜き通り」という言葉に関連して、2017年(平成29年)にリリースされた椎名林檎とトータス松本の楽曲に『目抜き通り』(The Main Street)があるようですが、これは同日に銀座にオープンした大型商業施設「GINZA SIX」のテーマ曲として椎名が書き下ろした曲で、日本有数の繁華街である銀座の魅力を表現したもののようです。


<抜き打ち>
 刀を抜いて構え、敵と対峙する「立合い」に対し、どんな状態からでもいきなり刀を抜いて打ち(斬り)かかる「居合い」。
 転じて、いきなり何かすることを抜き打ちと言い、昔は学校でも「抜き打ちテスト」なんて言いましたが、最近はどうでしょうか。


<急刃凌ぎ(きゅうばしのぎ)>
 最近では「急場」とも書きますが、戦場で刀が刃こぼれしてしまった時、とりあえず斬れるよう急いで研いだ(刃をつけた)ことに由来します。


<付け焼刃(つけやきば)>
 先ほどの「急刃凌ぎ」よりは少し時間があるものの、しっかりと刀を鍛えて刃を研ぎ上げるまでの余裕はない場合、とりあえず地金(じがね)に刃金(はがね)をつけて、それらしく打った状態
 それなりには斬れるものの、ここ一番で役に立たないことから、にわか仕込みの浅知恵などを言うようになりました。


<おっとり刀>
 「おっとり刀で駆けつける」と聞くと、ノンビリした性格を表す「おっとり」と言う言葉が入っているので“のんびり現場にでかけていく様子”を想像しがちですが、これは大きな間違い。

 逆に、“急な出来事で、刀を腰に差す暇もなく、手に持ったままで急いで駆けつける”様子をいいます。
 漢字で書くと、「押っ取り刀」となり、この「押っ取り」は急いでつかみ取るという意味の「押っ取る」の連用形です。

 また、「押っ(おっ)」は「おっぱじめる」「おっためげる」の「おっ」と一緒で、動詞につけて意味を強める言葉です。

 更に、「押っ取り刀」は、使命に燃えたり、仕事熱心な人の行動についていう表現であり、朝寝坊して電話でたたき起こされ、あわてて家を飛び出すような場面では用いられないようです。


<鞘当て(さやあて)>
 刀は武士の魂と言われ、その身を包む鞘(さや)にも気を配ったことから、鞘が何かに当たることを「鞘当て」と呼び、マナー違反とされました。
 それを悪用して、気に入らない相手の鞘にわざと自分の鞘を当て、言いがかりをつけた者もいたそうで、「恋の鞘当て」なんて言葉もあります。


<反りが合わない(そりがあわない)>
 刀が一振りごとの手作りであるように、納める鞘も刀の形状(反り・刃渡りなど)に合わせたオーダーメイドなので、その辺に転がっている刀と鞘をテキトーに合わせても、上手く納まりません。
 そうした事から、相性の悪い二人を「(刀と鞘の)反りが合わない(から納まらない)」と言います。


<元の鞘に納まる(もとのさやにおさまる)>
 先ほども紹介した通り、刀と鞘は互いの形状に合わせてオーダーメイドされるため、他のものと合わせても上手く行きません
そこでやはり、元の相手が一番だと納まる様子を、男女の復縁に喩えた言葉です

 尚、刀の各部の名前は昨日のブログを参照下さい。(まさ)


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