先日息子と久しぶりに食事をした時のことです。
頼んだ刺身が美味しかったのですが、最後に一切れ残りました。
顔を見合わせましたが、息子が「遠慮の塊やな、ワシ食うで・・・」となり、大笑い。
このように、何人かで食事をするときに大きな皿で出てきたときや、お菓子などを食べる時に、各自がそれぞれ取っていった後に最後1つだけ残ることがよくありますが、関西ではこの最後に1個残されたものを「遠慮の塊」と呼びます。
もともと、「塊(かたまり)」は「嘘のかたまり」「欲のかたまり」といった悪いイメージで使われていましたが、長い歴史の中で良い意味でも使われるようになり、控えめな行いをさす「遠慮」という言葉にもつけられたとかいうことのようです。
関西では極めてありふれた言葉なのですが、調べてみると地方によってかなり違うようなので、少し紹介します。
まず、関東ではいくつか言い方があり、「関東のひとつ残し」「関東人気質」「関東の義理残し」「関東一残し」と言われているようです。
面白いのは津軽地方で、「遠慮の塊」を「津軽衆」と言うそうです
これは、厳しい寒さのため、食糧が少ないとき他人と食べ物を分け合うという文化から、「遠慮がちな県民性」を表す言葉だそうです。
しかし、更に面白いのが、この「津軽衆」を食べる、メンタルの強い人のことを、何と「津軽の英雄」と言うんだとか!
それだけ、勇気のいる行為だということでしょうね・・・ (まさ)