老いの途中で・・・

人生という“旅”は自分でゴールを設定できない旅。
“老い”を身近に感じつつ、近況や色々な思いを記します。

ワールドカップ  日本敗退とポーランド戦での戦術

2018年07月03日 20時27分40秒 | その他
 今日はあちこちで睡眠不足の人に出会いました。
私も、朝の3時まで起きているのはとても無理でしたが、夜中にトイレの為に目が覚めたのが3時半ごろだったので、TVを見るとまだ0:0。予想外に検討しているなと思ってついそのまま観戦継続。

 後半に入ると、日本が綺麗なゴールを2本も決める思いがけない展開で、“ヒョットして、これは??”と思わせるような展開になり、改めてウィスキーの水割りを用意するなどして、本格的観戦態勢に。
 期待も空しく、最後は底力のある世界3位のベルギーに逆転負けとなりましたが、大健闘と言えるでしょう。
 西野監督や選手の皆さま、本当にお疲れ様でした。

 
 所で、この大会のことに触れる以上は、予選グループの最終試合ポーランド戦にも触れざるを得ないでしょう。

 この試合も、途中から見ていたのですが、最後の15分ほどの経過は見るに堪えない展開でした。
 両チームともに、ポーランドの1:0という勝利のままで終わることを選択し、お互いに自陣での球回しに専念して、リスクを伴う攻撃的な展開を避けたのです。

◆このような展開になった最大の背景は、
・この大会から採用された“勝点/得失点差が同じで、しかも当該2国間の試合が引き分けの場合は、それまでの警告点差で順位を決める”という新ルールによる順位決定方法だったでしょう。

・約15分の時間を残した時点で、日本はポーランドに0:1で負けていましたが、同時に進行中のコスタリカとセネガルの試合ではコスタリカが1:0でリードしており、このままで終了すれば日本が0:1で負けても、新ルールにより警告点差で有利な日本がセネガルを抑えて2位で予選リーグを突破できることになりました。

◆このような背景の中で、日本はセネガルが今後逆移勝ち或いは引き分けに持ち込むという大きなリスクはあったものの、このままの試合終了に期待して、攻撃をしないという選択をしました。
また幸か不幸か、ポーランドはまだ予選リーグで勝ち星がなく、これ以上の点差をつけて勝利しても意味がなく、何とか1勝を確保したいとの立場にあり、このままで試合を終了したいとの日本の戦術を受け入れる背景があり、日本の戦術に同調してくれました。

◆結果としてはこの選択が功を奏し、セネガルとコスタリカ戦のその後の変化がなかったので、日本は何とか2位で予選リーグを突破できました。

・今まで苦しい練習を耐えてきた選手や監督の心情を思えば、決勝トーナメントに残る為には、確かにそのような選択肢があったのでしょうし、日本はルールに基づいてリスクを背負った選択をしたわけで、違法行為をしていない。ということで西野監督の決断に対する称賛の声が圧倒的に多いようですが、正直言って何か後味の悪さみたいなものを感じたのは私だけではないでしょう。

・何もこの戦術が“潔くない”とか“玉砕覚悟で最後まで正々堂々と戦うのがベスト”だとは言いませんが、確かに最後の方は、日本だけでなくポーランドに対しても、このような球回しだけの試合を見せられている観客からは大きなブーイングが続いていて、ワールドカップという大イベントのイメージを下げたことは事実でしょうし、それよりもこのような戦術を選ぶに到った監督や選手達の気持を思うと非常に複雑な思いがします。

◆このような、事態を避ける為には、ルール設定に当って、このようなケースも充分に配慮して、柔道の「教育的指導」のような、消極的戦法に対する罰則規定が定められていれば、と思うのは私だけでしょうか。

 また、“規則に触れていないのだから問題ない”という意見に対しては、何となく国会における安倍首相や政権幹部の対応と重複してしまうのですが、今回この点に関しては、戦術を選択した西野監督が試合後のミーティングで選手達に対して“(このような積極的な戦法を採用したことについて)素直に喜べない状況を作ってしまい申しわけない。責任は自分にある”と率直な謝罪をされた由で、監督の苦渋と責任が感じられたことは大きな救いでしょう。(まさ)