老いの途中で・・・

人生という“旅”は自分でゴールを設定できない旅。
“老い”を身近に感じつつ、近況や色々な思いを記します。

「ゴマの灰」あれこれ

2017年12月05日 20時34分17秒 | その他
 11月29日付毎日新聞の「余録」というコラムで、「ゴマの灰」に関する記事がありました。

 すでにご存知の方もあるかと思いますが、私などはこの言葉は聞いたことがあるのですが、「ゴマノハイ」と「ゴマノハエ」が同じ言葉と思い込んで、区別してはいませんでしたが、この記事で初めてその違いが判りました。この年になっても自分の浅学さを自覚させられることがメチャクチャ多いのにビックリです。

 改めて、語源由来辞典やGoo辞書などで調べてみましたので、下記します。

【ゴマノハイ=護摩の灰】
 密教では、護摩修法として護摩木を火炉に投じて燃やしますが、高野聖(こうやひじり)のいでたちで、“弘法大師が護摩修法した時に出た貴重な灰”と偽り、灰を押し売りをして歩いた 者がいたことから、騙して売る者や押し売りをする者を「護摩の灰」と呼ぶようになったということです。
見分けもつきにくい偽物を騙して売ることから、護摩の灰は悪人の代名詞となったようです。

【ゴマノハエ=護摩の蝿、或いは胡麻の蝿】
 一方、時代劇などでお馴染みの「ゴマノハエ」は、“街道を稼ぎ場とし、旅行者を相手に詐術をした小悪人たちのこと”をいうようです。


 私もこの二つの言葉を混同していましたが、この「ゴマノハエ」の名前の由来には諸説あるようです。
◆「ゴマノハエ」(胡麻の蠅)は、「ゴマノハイ」(護摩の灰)の聞き違え、と言われています。
また、「灰」が「蝿」になったのは、蝿のしつこくつきまとう、うっとうしさが悪人と重なったとされています。

◆また別の説としては、「旅人に紛れて賊かどうかのみわけがつきにくいさまを、胡麻の上にたかった蠅の 見分けにくいさまに譬えた」などもあり、更に『国史大辞典6』には、その他の由来も記載されているようです。


 また、この「ゴマノハイ」や「ゴマノハエ」を調べていると、日常よく使う「ゴマカス」という言葉の語源も気になりました。
「ゴマカス」は一般的には、「誤魔化す」と書きますが、これは当て字と言われ、次のような説があります。
・護摩に紛らかす、でゴマカス。護摩木には願い事を書きますが、燃してしまうと何が書いてあったか分からなくなってしまう=護摩化す。
・胡麻に由来する説もあります。江戸時代の胡麻を使ったお菓子で、中空のものがあり、見掛け倒しからゴマカス。今ひとつは、まずいお菓子でも、胡麻をかけるとおいしく食べられるのでゴマカス。

 「ゴマノハイ」から色々と飛躍しましたが、普段何気なく使っている言葉の語源を知ることで、その言葉の本当の意味が判って面白いですね。(まさ)