ブーム（好景気や高株価）が続いた後には必ずスキャンダルが相次ぐ。

「知の巨人ドラッカー」ピーター・Ｆ・ドラッカー著より。

2000年にはＩＴバブルがあった。そのバブル崩壊後にはエンロン事件など企業スキャンダルが続出していた。それについて、ドラッカーの意見は次のようなものだった。

「もしエンロン事件が起きなかったら私は非常に驚いたと思う」と。長い人生でバブルの発生と崩壊を何度も目撃してきたからこそ事件は当然のことだったようだ。

企業スキャンダルとは、バブル崩壊後に粉飾決算に手を染めて、利益成長が続いているように見せかけることだった。しかし、ごまかしはあぶり出されるものだという意味だ。

振り返れば、1930年にドラッカーが記者をしていた頃の体験が身にしみついていたようだ。もうその頃にバブル崩壊後のスキャンダルを身をもって目撃していたのだ。なにしろ記者としての初仕事が企業スキャンダルの取材だったというから驚き。