ちょっとマンネリですが・・・

ダラダラ過ごしている毎日のことあれこれ・・・・

授業でドラッカーは唯一の教材として自分の日本画のコレクションを使った。

2011年01月04日 | Weblog
「知の巨人ドラッカー自伝」ピーター・F・ドラッカー著より。

一般にドラッカーといえば、マネジメントがすぐに頭に思い浮かぶが、日本画についてもかなりの勉強をしていたのだ。ドラッカーが62歳の時、ニューヨークからロサンゼルス郊外の都市に引っ越していた。

年をとってからは、寒さが厳しいニューヨークより、温暖な気候の南カリフォルニアはよかったようだ。そこにあるクレアモント大学で新しいことを始めようと思って、5年間日本画について教えたのだった。

この授業はものすごく面白かったと述懐している。自分のコレクションから数点を選んで、学生と観察して意見を交換し合ったという。とにかく実物を観察し、学習することが最も重要だと考えていた。

つまり、時代背景や絵画の作者のことなどは本を読めばわかることだから、自身から話すことはなかったようだ。やはり、絵画は実物を目の前にして鑑賞するのが最も理解でき印象に残るだろう。

このように自分の好きなテーマを選んで自由に教えることは、学生にとってはまた興味深かったようだ。それまで日本画に縁がなかった学生たちも目の色を変えて授業に参加するようになったそうだ。教える側が楽しんだからこそ、それが学生にも伝わったということだろう。