ちょっとマンネリですが・・・

ダラダラ過ごしている毎日のことあれこれ・・・・

生まれ付き「大物」「小物」というのは決まっている・・・

2011年01月06日 | Weblog
「私の小説論」車谷長吉著より。

まずは「物」ということについて述べていた部分があった。作家のことを「物書き」というが、それはたんに「物を書く」ということではなく、我々の中の「物が語る」ということだと氏は説明している。

これはあまり考えたことがなかった考え方だ。つまりどうしてもこれだけは書いておきたいという気持ちが書かせるモノ(物)という意味だろうか。

さらに、言葉は「物心」に飛んでいく。「物心」が付くというのは、人間の中に「魂」が発生することだという。これも新鮮な印象を受ける発想だった。そのあとで、「大物、小物」という言葉が出てきたのだ。「魂」、「霊」、「物」は俗語でいえば「肝っ玉」ということになるらしい。

そして、肝っ玉が小さく生まれた「小物」の人は、終生、肝っ玉の大きい「大物」にはなれないと述べている。言葉がどんどん出てくるところが面白く感じる。

そして、ここでは『私の父親のように、倅に悪徳弁護士になって、しこたま銭儲けをして欲しいと言うような人は、肝っ玉の小さい「小物」です。』と述べていた。

話がどんどん進んでいくが、いったいどこまでが本当の話だか、また本音だかわからない。そこが、この作者の持ち味なのだろう。自身もよくあちこちに書いているが「嘘つき車谷」と言われているそうだが。