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素浪人旅日記

2009年3月31日に35年の教師生活を終え、無職の身となって歩む毎日の中で、心に浮かぶさまざまなことを綴っていきたい。

「世襲」か「才能」か

2023年02月10日 | 日記
 今日の朝刊の一面は4つの見出し。【元次長落札決定に関与・テスト大会談合・「五輪本大会契約一体」】【リーダーら2人逮捕・窃盗容疑・広域強盗比から全員移送】【マスク緩和来月13日・政府調整「着用は個人判断」】今の日本が抱えている問題が浮き出ているように思えた。その中でも、【読む政治・消えゆく「安倍家」】という特集記事の見出しに私の心は反応した。

 一面の一部と三面の全てを使って、昨年7月の安倍氏の銃撃事件を受けて今年4月ににある衆院山口4区補選への自民党の公認候補選びの推移を追っている。問題を複雑にしているのは、生後間もなく岸信介氏の長男の養子になった岸信夫氏が病気のため議員辞職を決めたこと。これで衆院山口2区の補選もあり、両陣営から信夫氏の長男信千代氏への出馬要請の動きが水面下で激しく行なわれた。その結果、信千代氏は父親の地盤衆院山口2区補選への出馬を決め、安倍さんの地盤である衆院4区の補選には、下関市議だった吉田真次氏が出馬することになった。

 その水面下の詳しい経過とさらに次回の衆院選で小選挙区の区割りが1つ減って3区になることによる保守王国山口の「安倍系」と「林系」の因縁の争いがからみより難しくしている点をルポしている。

 その特集記事を読みながら「鎌倉殿の13人」の世界やなと思った。本郷和人さんが「天皇はなぜ万世一系なのか」(文春新書)でテーマにしている
「世襲」か?「才能」か?ということにまた戻るなと思った。


 本郷さんは、前書きの中で自身の幼少時のことをふりかえり、次のようにこの本を書いた動機を書いている。
「・・・そうはいっても、才能重視は私の血肉となっていますので、そう簡単には否定できない。とくに自分の家が貧乏だったので、にっくきは
「世襲」。親から地盤・看板・カバンをうけついだ二世・三世の議員が、世の中の害悪は公務員だと吠えています。ちょっと待ってください。あなたはどんな資格で公務員を叩いているんですか?そんなに公務員が羨ましいなら、公務員になればいいじゃないですか。世襲議員にはなれないけれど、努力しさえすれば公務員になる道は明示されているのだから。
 才能を磨く手間は怠るくせに、うまくいっている他人をねたむ。だけど世襲には不思議と甘い。公務員批判は盛り上がるけど、世襲批判はそれほどでもない。なぜだろう?社会学から考察するのがまず適当なんだろうけれど、私が専門にしている歴史学からはどう言及できるのだろうか?何しろ日本には世界に冠たる世襲の大親分、天皇がいらっしゃる。しかも、ものすごく高い支持率を誇っている。これは歴史的な考察も、「あり」なんじゃないかな。
 本書を書こうと考えたのいは、そんな問題意識からです。日本の国では世襲と才能がどう関わりをもち、どういう統治権力を構成していたのか。どういう「日本のかたち」を築いていたのか。それを考えてみたいのです。・・・」


 天皇家を始めとして世襲に関わる問題が浮上する度に繰り返し読んできたが、また読み直すことになった。「世襲」と「才能」を対立してわけるのではなく♪夢色のスプーン♪ではないが、夢色の小さなスプーンに一滴を乗せて「世襲」と「才能」をかき混ぜたい。と今は思っている。
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