２つのものの終わり

　昨夜のニュースでは２つの終わりに感慨深いものを感じた。

１つは、30年の歴史に幕を閉じたスペースシャトル。宇宙からの帰還といえば成層圏を火の玉になって落下するということからの発想の転換の産物である。飛行機のように宇宙空間を行き来する姿はSFの世界を現実のものにしたという思いに駆られた。

　しかし、宇宙旅行が現実のものとなる一歩手前で事業の終焉を迎えた。自然界の掟を克服することの難しさとアメリカの国力の衰えを見たような気がして１つの時代の終わりを予感した。

もう１つは、39年の歴史にピリオドを打った情報誌『ぴあ』。私が『ぴあ』の雑誌を買い求め、活用したのは40代半ばから50代半ばである。経済的にも、時間的にもまた精神的にもゆとりが生まれた時期である。宝物を探すみたいにページをめくっていた。貴重な情報源であった。

　忙しい仕事の合間に時間を工面して出かけたことも良き思い出となっている。“ニュース・クロス２３”でなつかしい表紙を見ながら少しおセンチな気分になった。