かどの煙草屋までの旅 

路上散策で見つけた気になるものたち…
ちょっと昔の近代の風景に心惹かれます

神様がくれた時間

2021-11-12 | ありふれた日常

一年半ぶりのブログ再開です。
ブログをお休みしていたのは、仕事が忙しく怠惰な毎日を送っていたこともありましたが、今年に入って大病を患いました。
2月ころから持病の腰痛(椎間板ヘルニア)がひどくなり、近所の整形外科に通院していたのですが、痛みが悪化し仕事もままならない状態に。
そのうち背中も痛くなりCT検査したところ、背骨の異常が見つかりそのまま総合病院へ直行。
診断結果は前立腺がん、痛みは骨転移からくるもので、すでにステージⅣの状態。
頭は真っ白、先生の説明もほとんど耳に入ってきません。

わたしの母がすい臓がんで、発見時から1年足らずで他界したので、そのことが頭をよぎり、余命を思うと何も考えることができませんでした。
帰宅後付き添ってくれた妻から先生の説明を聞かされ、前立腺がんは骨転移から臓器への進行が比較的ゆっくりなので、年単位の余命が期待できるとのこと。
とりあえず来年の今頃もまだ生きていられるかなとかすかな希望が生まれました。
とは言え骨転移後の余命平均は2~3年、残された時間は決して長いとは言えません。
来年65歳の定年退職をを1年早め、治療に専念することに。当初寝返りも打てなかった痛みは、現在日常生活が何とかできるまで回復しました。
現在は散歩や家事などできる範囲でなるべく身体を動かし体力維持に努める毎日で、気力も少し戻ってきたので、またブログを再開することにしました。

突然の人生の終わりを宣告され、当初は「なんでわたしが」といまさらながら健康が当たり前と信じて過ごしてきた日々を後悔し、悲嘆にくれました。
人生はいつか終わりを迎えるもの。長寿を全うする人もあれば、コロナ感染などの突然の病や、災害事故などで本人も死を自覚する猶予もなく亡くなるかたもいらっしゃいます。
半年が経過して体調が改善してきたこともあり、やっと少し冷静に今の自分の病状と向き合うことができるようになりました。
残された時間は気になりますが、今やれる治療に専念し、少しでも長く家族や友人との大切な時間を過ごせればなと思っています。
「神様がくれた時間」を大切に、残された人生を自分の心のままに生きていけたらと思います。
やむなく早期退職しましたが、今までの人生の中である意味一番マイペースで贅沢な日々を過ごしているといえるかもしれません。
大好きな街歩きや建築探訪は体力的にまだ無理ですが、お気に入りの音楽や映画にかこまれ、大学時代以来の優雅な期間限定の文字通りモラトリアムな毎日を満喫しています。

今回はかなり重い内容になってしまいましたが、次回からは心のおもむくままに、ゆるい私の優雅な日常?を綴っていきます。
今日は午前中孫娘の3歳の七五三詣りにつきあいました。
二人の孫からはいつもすごいパワーをもらって楽しませてもらい、おかげで免疫力も増進中です。
ありふれた日常と家族と、最後までお付き合いいただいたあなたに感謝です!


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6 Comments

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Unknown (windingroad77)
2021-11-22 13:41:44
始めまして、以前より貴ブログを拝見させて頂いてたものです。
名古屋に来た頃から東海地方の近代建築について気になるとき、こちらを良くチェックしておりました。昨年湯之島館に宿泊した時もこちらのブログを大変参考にさせて頂きました。

久々のエントリーを見て、ただ只驚いています、、
体調が幾分改善されているとのことで、日常を充実してお過ごし頂ければと祈念しています。

私も遺された近代建築に生命の重みをもかさね、
一期一会の気概で建築や街並みを
日々観察して行こうと感じております。
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記憶の中に… (shortwood)
2021-11-24 14:36:30
windingroad77さん、はじめまして。
いつもブログを見ていただき、また体調もご心配いただき、本当にありがとうございます。

現在抗がん剤治療を定期的に受けており、副作用にめげそうになることもありますが、日々の日常を楽しむようにしています。

湯ノ島館にご宿泊の際は、当ブログを参考いただき、お役に立て本当にうれしい限りです。
戦前の建物を大切に保存しながら営業を続けている姿勢には、頭が下がります。
まさに温故知新、全国で古い建物が保存活用され未来につなげていくのが、今を生きる私たちの役目なのだと強く思います。

東海地方にも古い建物を再利用した施設がまだまだたくさんありますので、これからもぜひご自分の目で見て体験していただけると幸いです。

私たちが建物保存に直接携わることはありませんが、建物を利用することにより間接的に文化財保護に役立っていると思いながら、わたしはいつも利用させていただいております。

人の命はたかが100年、街並みや建物はその時代時代の人々の思いがあれば、何百年先まで未来の人々が受け継ぐ遺産となって生き続けます。
その時代を生きた人々の記憶とともに…
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Unknown (よしのや)
2021-12-18 01:08:51
なんとコメントしたらよいか言葉が見つかりません
まずはお孫さん三歳の七五三おめでとうございます。うちの娘も三歳の七五三を先日やりました。
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Unknown (shortwood)
2021-12-24 15:16:09
よしのやさん、ありがとうございます。

娘さんの三歳の七五三おめでとうございます。
孫の七五三で娘の時を懐かしく思い出し、本当に月日の流れる速さを実感しています。

わたしは現在鋭意治療中ですが、がん治療のつらさを今さらながら体験しております。
また気力体力のある時は、ブログ更新しますので見ていただけたら幸せです。
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Unknown (フラッピー)
2021-12-30 01:35:56
長い間ブログ更新なかった理由がこんな事には…

実は私の母親も2018年4月に54歳で「乳がん」と診断されて、早速抗がん剤を投与したら異様に頭痛が酷くなり何度も吐くので主治医が「おかしい」と思い、脳を調べたら小脳辺りに直径2cmぐらいの「転移性脳腫瘍」が見つかりました。
脳はファルターで守られて抗がん剤も効かない場所で臓器に転移する中で最も最悪な場所で「余命半年」と思っておりましたが、放射線治療などを駆使して2021年12月現在でもまだ生きており、自分の足で歩いて家事なども自分でしております。

患者では無い自分があまりこんな事を言ってはいけませんが、「前立腺がん」は男性の中では最も予後が良いがんでして、5年生存率はほぼ100%と高い生存率を誇っております。
ちなみにお母様がかかられておりました「膵臓がん」は「がんの王様」と言われるほど最も予後が悪く、治しにくいとされる血液のがんの「白血病」や脳のがんの「神経膠腫」などを抜いて5年生存率6%とほぼ絶望的な生存率です。理由は自覚症状が全くなく気づいた時には遠隔転移していたり、臓器が密集していて手術が困難を極めるからです。

現在「がん」と言われてショックかと思われますが、私の周りにも「前立腺がん」の方が何人かおられますが今のところ「亡くなった」というお話は聞きませんし、現在の医療は著しい成長がありますので予後の良い前立腺がんで有ればたとえ骨転移しているステージ4でも、きちんと治療に専念すれば脳転移している母親同様「余命2〜3年」とは言わず、5年〜10年ともっと長く生きられるはずです。
ただ抗がん剤や放射線治療自体が身体に毒ですので、がんそのものは勿論、治療による「がん性疼痛」なども主治医にきちんと説明して緩和ケア対策もしっかりして頂き、抗がん剤は血管を硬くする作用がありますので特に脳卒中や心筋梗塞などの危険性も相談されて、治療しながらどうか長生きに努めて下さい。

長文失礼しました…
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Unknown (shortwood)
2021-12-30 10:35:49
フラッピーさん、励ましのお言葉ありがとうございます。

現在はできる治療に専念し、日常の生活を大切にしながら日々楽しんでいます。
余命ばかりは健康な人もわかりませんので、それにとらわれることなく、毎日を大切に丁寧に生きていくのが今の私にできることなのかなと思っています。

フラッピーさんをはじめ、多くの方からご心配や励ましの温かいコメントをいただきました。
最近はこのブログを続けるのが、私自身の励みにもなっています。
これからもどうぞよろしくお願いします。
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