かどの煙草屋までの旅 

路上散策で見つけた気になるものたち…
ちょっと昔の近代の風景に心惹かれます

金沢監獄正門(愛知県犬山市明治村内)

2013-11-06 | まちかどの20世紀遺産

明治村には八高正門のほかにもう一つ煉瓦造の門が保存されています。明治40年に金沢監獄がつくられた時の正門で、赤煉瓦に白い花崗岩の帯状装飾は八高正門と同じ意匠で、東京駅を設計した建築家の辰野金吾が好んで用いたことから「辰野式」と呼ばれ、明治期の洋風建築の定番です。

金沢監獄の設計者は山下啓次郎。ジャズピアニストの山下洋輔はこの人の孫にあたり、明治時代の五大監獄と言われた、千葉、鹿児島、奈良、長崎、金沢監獄の設計に携わっています。監獄以外に手がけたものは2邸だけという、まさに最初で最後の監獄建築家というわけです。(参考:建築探偵東奔西走/藤森照信)
また村内には正門と一緒に、金沢監獄の中央看守所と監房の一部が移築されています。

◆金沢監獄正門/愛知県犬山市大字内山1番地明治村内
 竣工:明治40年(1907)
 設計:山下啓次郎
 構造:煉瓦造

■両脇に立派な2階建の看視塔を設けた外観は、西洋の城郭のようで、とても監獄の門とは思えない風格が漂う。




 

■金沢監獄中央看守所/明治40年(1907)



■八角形の中央看守所からは五つの舎房が放射状に配置されていたが、現在は第五舎房の一部だけが移築復元されている
 



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