浅草吾妻橋交差点の北角地に建つ大正期の商業ビル。正面外壁はタイル貼りで、三連の半円アーチ窓がモダンな外観を際立たせています。浅草六区の映画館街の戦前建築が失われた現在、大正~昭和戦前期の浅草繁華街の雰囲気を伝える唯一の建物。
神谷バーは電気ブランと葡萄酒で名を馳せた名店で、現在もデンキブランは人気商品。1階店内の本館部分は創建当時の姿を残していて、大正モダンな浅草の大衆バーの雰囲気に浸りながらお酒や料理が楽しめます。1階ホールは150席ほどの大きさで、先に食券を買い求め空いたテーブルに座ると、熟練のホール係のおねえさんたちがすぐにオーダーをとりに来てくれます。料理も比較的リーズナブルで、特にビールのおともに最適なメニューの品ぞろえが豊富で、居酒屋チェーン店とはひと味違った料理が楽しめます。一人でも気軽に入店でき、本物のモダン建築を楽しみながらちょっと一杯やるのに最適です。
■神谷バー本館/台東区浅草1-1-1
竣工:大正10年(1921)
設計:清水組
施工:清水組
構造:RC造4階
撮影:2017/08/12
※国登録有形文化財
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