住吉橋を渡り八熊通を東へ、伏見通と交差する新尾頭の交差点の角にある十六銀行熱田支店はちょっと気になる建物です。
全体の印象から戦後物件と思われますが、外壁に垂直線を強調した付け柱を並べるデザインは、歴史様式のオーダーを簡略化したもので、昭和のモダニズム建築の名残が感じられます。
竣工年が気になったので調べてみると昭和34年と判明、高度成長期前夜の昭和30年代、古き良き時代の最後のモダン建築です。
昭和30年代の建物も築後半世紀、三丁目の夕日の時代もはるか遠い古きよき時代になってしまいました。
※ブログをご覧になった方からの情報で、設計は分離派として京都大学楽友会館などを手がけた森田慶一と判明しました。(kikuchiさん、どうもありがとうございました!)
◆十六銀行熱田支店/名古屋市熱田区新尾頭3丁目1-1
竣工:昭和34年(1959)
設計:森田慶一
構造:RC造2階建
撮影:2012/02/11
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熱田支店が森田慶一というメジャーな建築家の作品と知り驚きました。
熱田支店が吉田鉄郎の郵便局舎のデザインに通じるものがあるというご指摘ですが、大阪中央郵便局舎を見るとなるほどとうなずけます。
ところで森田慶一は、東海地方と縁の深い武田五一とも京都大学つながりで縁があるのですね。
出身も三重県だし、急に森田慶一に親しみを覚えるようになりました。
建築に関しては全くの素人で、至らない点も多々あると思われますが、これからも大好きな近代建築をひとつでも多く紹介して行くつもりです。
これからもよろしくお願いします。