先日一件の利用者の宅の仕事を終え、車に戻り、スマホを確認すると、イタリアにいるマッセンシアから着信があり、一枚写真も送られていた。
その写真には彼女とスペイン人のアイメイが写っていた。
二人とも前回のコルカタ滞在時に一緒にシアルダーの駅で働いた仲間である。
すぐに私は折り返し、マッセンシアに電話を掛けた。
すると、一度出たが、少し間を置いて、アイメイの声が聞こえ始めた。
その一声は「アンケルー!」であった。
それは「兄さんー!」とでも訳して良いだろう、英語が少しなまった形になったインド語とでも言って良い言葉であり、親しみがある言葉であった。
私はすぐにコルカタに居た時と同じようにベンガル語で対応した。
私の声を聞き、喜んでいるアイメイの雰囲気や笑顔が耳から心に勢いよく届いて来た、それは私がアイメイと同じように喜んでいたからに他ならない、愛の繋がりであった。
もうそろそろ二年ぶりになる彼の元気な声を聞けて、私はスイッチがオンにした電気にようにピカッと笑顔になった。
前回一緒に働いた中では私の次にアイメイが一番ベンガル語を話していた。
もちろん、それは完璧ではなかったが、ただ思いを伝えようとする熱意と愛の現れであり、間違った使い方をしても、恥や外聞などを気にせずに、何度も言葉にしていた態度は私をとても感心させた。
アイメイはコルカタのボランティアを終えてからローマのMCファーザーの会{マザーテレサの司祭の会}に入会した。
そこにマッセンシアが訪問し、私に連絡してくれたのであった。
コルカタではアイメイはたまに寝坊したり、誰にも何も告げずにどこかに居なくなったりして、駅のボランティアに迷惑を掛けたりしたこともあった。
それを結局直接アイメイに注意するのは私の役目だった。
しかし一度言えば、アイメイはすぐに了承した。
いま思い出した、何度も注意したことが一つあった、それはメダイの紐をすぐ噛む癖がアイメイにはあり、「汚いから止めなさい。メダイにキスをするのは良いけど」と何度か言った。
アイメイは一度も私にNOと言うことはなかった。
その当時からMCファーザーの会に入りたいと言っていたが、それがどこまで本当なのか、また続けられるのか、私には分からなかった。
MCファーザーになるのは決して容易なことではない、もちろん、すべては神さまの計らいによるものであるから祈るしかないのであるが、アイメイはもう半年以上辞めずにいたことを私は神さまに感謝した。
二人との会話は短いものであったが、私の心を急激に喜びに導いた。
アイメイと話すことが出来るなど、私は予想だにしていなかった。
それはとても素晴らしい私のクリスマスプレゼントとなった。
今夜は仕事を終えてから深夜のミサに行くのを楽しみにしている、これも私の大切なクリスマスプレゼントになるだろう。
Happy Christmas to everyone!