今夜も本をまくらに。

山歩きが好き、落語が好き、おいしい物が好き、中島みゆきが好き、
でもやっぱり活字がなければ生きていけない私。

残穢

2013年08月12日 | 「本」のひきだし

ブクログより


暑いです。連日この夏の最高気温を更新する勢いの猛暑が続きます。
せめて本で涼しくなろうかと手に取りました。

怪談なら稲川淳治、ホラーなら小野不由美、とは私が勝手に決めていることですが、あの衝撃の「屍鬼」のイメージが強烈ですので、頭を切り換えられるかどうか・・・

「残穢」と書いてザンエと読ませています。
本書の場合、残ってしまった怨霊、悪霊と言ったところでしょうか。

あるホラー作家が読者から寄せられた、奇怪な体験の謎を一緒に調べていくという、ルポ形式になっていて、実名の作家さんなども出てきたりして、その設定は、限りなく実話のようで、これは怖さに拍車をかけるでしょう。

でも、いろんな事実を突き止めるために、様々な人物に出会って話を聞いたりするので、たくさんの登場人物が非常にわかりづらいです。それぞれの話はその都度、恐くて不気味なのですが、一応聞き取りや報告なので、深くは掘り下げないのです。そういう事がありました、みたいな感じで。ですから怖さが長続きしません。

やはりこういうのは、小説仕立てのほうが、物語の中に入り込めてより怖さを共有できるのではないでしょうか。
といってもやはり、夜にひとりで読む事はできませんでした。

連れ合いに「え~もうちょっと起きててよ」なんて慌てて本を閉じたりして。



残穢 / 小野不由美
★★★☆☆

 

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夏野菜の食事会

2013年08月10日 | 「う」のひきだし
珍しいお客様が来られることになり、お昼を食べていただくことになりました。

暑い盛り、あれこれメニューを考えるより、今あるもので作っちゃえと名付けて「夏野菜オンパレード」
幸いかどうか、今日のお客さん達はほぼ、ベジタリアンな食生活をされているので、ぜんぜん問題はないと思われます。



左奥から、オクラのマヨポン酢和え、ゴーヤの佃煮、人参のピーナッツ和え、
長なすの田楽、カボチャの揚げ浸し、
万願寺唐辛子の焼き浸し、黒豆煮



五目寿司、具は鮭のほぐし、人参、玉子、しらす、青じそとあっさり。



お客さんのご持参、手作りのゴマ豆腐。
これで俄然、精進料理っぽくなりました。

後は、カボチャの冷製スープ、とデザートにのどごし一番水羊羹。慌てていて写真忘れました。

小さい子どももいて、食べるものあるかな~と心配していましたが、カボチャの料理を結構気に入ったみたいで、良かったです。カボチャは甘いですからね。

前の日から準備できるものはしていましたが、結構ばたばたしましたが、「おいしかったわ~」と笑顔で言ってもらうと疲れも吹き飛びます。

本日の料理、主な材料はすべて自家製です。よって費用はほとんどかかっていないのです。
こんなんでいいのか~? こんなんがいいんです~って良かった。



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設計者

2013年08月05日 | 「本」のひきだし

ブクログより


ちょっと帯を読んでみると、韓国の作家によるハードボイルドらしい。
韓国の作家のハードボイルド?ぴんと来ないし全く想像できない、逆に興味がわいてきて読んでみた。

まず題名の設計者について、普通、設計者と聞いて想像するのは、建造物や何か物作りを完成させるために、計画をたてたり図面を起こしたり、具体的に指示を出す人の事を思う。
この場合も間違いはないのだが、建物やものを作るのではなく、暗殺の設計をする人、のことである。
この時点で、こういう事が小説の題材になる韓国って怖いなぁ、と思った。
しかも、そういう団体がいくつもあってしのぎを削るというか、抗争が絶えなく、明日は我が身か?と戦々恐々の毎日なのだ。

暗殺者は、設計者に逆らえず、設計されたとおりにただひとりの人間を暗殺する。
その設計者というのは、大学の教授だったり、コンビニの店員だったり、ごく普通にまわりにいる人たちなのだ。
怖い・・・
どこにでも闇社会はあると思うのだが、韓国のそれはずっと深くて暗い感じ。

本編は、設計についてとか暗殺の経緯とかについてではなく、設計者と暗殺者とのやりとり、暗殺者どうしの探り合い、心の葛藤・・・
主人公の青年は暗殺者、生まれたときから施設で育ち、しかるべき人物に引き取られ、しかるべき暗殺者に仕立て上げられた。その運命は生まれたときから決められていたかのように、素直に受け入れ淡々と暮らしている。
投げやりでもなく、自分の立場をわきまえているこの青年は、大いに好感が持てる。
最後は、この暗黒の世界を変えたいと思う設計者と、クーデターを起こすが、彼にとってはこのクーデターも結局はどうでも良かったのかもしれない。

不思議な読後の作品だった。


設計者 / キム・オンス
★★★★☆
コメント (2)
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