ブクログより
暑いです。連日この夏の最高気温を更新する勢いの猛暑が続きます。
せめて本で涼しくなろうかと手に取りました。
怪談なら稲川淳治、ホラーなら小野不由美、とは私が勝手に決めていることですが、あの衝撃の「屍鬼」のイメージが強烈ですので、頭を切り換えられるかどうか・・・
「残穢」と書いてザンエと読ませています。
本書の場合、残ってしまった怨霊、悪霊と言ったところでしょうか。
あるホラー作家が読者から寄せられた、奇怪な体験の謎を一緒に調べていくという、ルポ形式になっていて、実名の作家さんなども出てきたりして、その設定は、限りなく実話のようで、これは怖さに拍車をかけるでしょう。
でも、いろんな事実を突き止めるために、様々な人物に出会って話を聞いたりするので、たくさんの登場人物が非常にわかりづらいです。それぞれの話はその都度、恐くて不気味なのですが、一応聞き取りや報告なので、深くは掘り下げないのです。そういう事がありました、みたいな感じで。ですから怖さが長続きしません。
やはりこういうのは、小説仕立てのほうが、物語の中に入り込めてより怖さを共有できるのではないでしょうか。
といってもやはり、夜にひとりで読む事はできませんでした。
連れ合いに「え~もうちょっと起きててよ」なんて慌てて本を閉じたりして。
残穢 / 小野不由美
★★★☆☆