亀ちゃんボイスウェルかめ

　モーニング娘。の新曲「気まぐれプリンセス」のPVが公開されていますが、皆さんはご覧になりましたでしょうか？

　実はPVの内容が心配でした。「チョイエロ笑顔」に「チョイエロ涙」ですから「チョイエロPV」かな？と思っていた訳です。いかがでしょうか？
気まぐれプリンセス／モーニング娘。

　それほどエロくないですね(苦笑)。まあ、モーニング娘。はアイドルですから限界ってものがあります。やり過ぎは良くない。この辺で止めておくのは正解。

　今回のPVで強調してきたのは「エロ」ではなく「プリンセス」でした。宮殿風な場所で踊る姫たち。なんか火とか起こしてますが気にしないでください(笑)。
　そんなモーニングプリンセスたちが今回工夫しているのが「表情と視線」。今回のPVは、メンバーによって出番（アップ映像）に差がありますが、その選考基準は「表情と視線」がキテる子を選んだのではないか？そんな気がします。だから、ソロパートの量の割にはれいなが目立っているのかも。目ヂカラは強し。
　そんなPVのカメラワークを見ながら、「またしても愛れな優遇か」と、ため息をついている人、それでも「表情と視線」での、この二人の仕草が強い印象に残るという事は事実だと思いませんか？

　そんな愛れなですが、サビの愛ちゃんの歌い方は、今までとはちょっと違うもので、声の抜き方がオトナの香りに包まれている。それに合わせてなのか、表情もいい意味で力の抜き方が絶妙。オトナの余裕、センターの余裕と言うべきか？

　発声という点に置いて、愛ちゃんと並んで興味が湧いたのが、今回はサビにソロパートがある亀井絵里さん。ビブラートの掛け方が、あらかじめ脳内に記憶してあるデフォルトの亀ボイスとは明らかに違う。
　そのニューバージョンな歌声をラジオ音源で聴いた段階から、少し余裕の笑みを浮かべる亀ちゃんの姿が浮かんでいたけれど、いざPVを見てみたら「余裕の笑み」とごろか、「誘惑な笑み」を浮かべているではありませんか。一体どうしたんだ。
　「チョイエロ涙」などと歌っている自らへの自嘲にも思えなくないけれど、その笑みは深く涼しい。

　元々、亀ちゃんの歌声は可愛い系で癒し系だから、インパクト勝負な娘。シングルでは使いにくかった。そう想像してみます。
　しかし、今回は違った。二番のサビなどで活躍する亀ボイスの躍動感と、今回はちょっと違うぞと思わせる歌声。それは良い意味での開き直りとともに、新しい亀井絵里の表現にも見えてきます。
　変な歌詞だけど楽しんだもん勝ち。そんな風に問いかけているように聞こえる亀ちゃんの新しい歌声を聴いていたら、歌詞とかアレンジとか、そんな事いいじゃないと思えてきます。「いいじゃない～」と歌っているから、そのサブリミナル効果かもしれない。少しずつ亀ちゃんワールドに引き込まれ始めている事に薄々感じ始めた頃、この曲への印象が変化し始めた。

　歌は作詞家や作曲家が作るものではない。歌い手が作り上げていくものなのだ。そんな事を実感する「気まぐれプリンセス」。