フリージア工房 国道723号店

ハロプロメンバーを応援してアイドル音楽を愛するエッセイブログ

地域スポーツの方向性

2012-11-13 23:06:52 | サッカー

 ~前回からの続き~

http://www.j-league.or.jp/aboutj/pdf/aboutj.pdf
(PDFファイルですので注意)
 Jリーグは何故チーム名から企業名を外す事を義務づけているか、何故クラブが活動をしている地域を「フランチャイズ」ではなく「ホームタウン」と呼ぶのかについて書いてあります。
 プロスポーツクラブは活動をする地域から利益を受け、その利益を活動で還元する。これは世界の常識であり、ほとんどの国のプロスポーツはそのように運営されています。例外は東アジアの、というか日本と韓国に存在するだけと言っても過言ではありません。
 地域に根差した活動というものは公共活動とも言える訳で、その活動が地域にとってプラスになるものであると判断されるものであるならば、プロスポーツクラブの資本に税金を投入することは間違った事ではありません。税金を使って債務超過を解消したりするのは非常手段であり歓迎すべき事ではありませんが、市民が健全に楽しめる娯楽の場を提供する事に税金を使うのは、公園や音楽ホールや図書館と同じような事業であり、計画性がしっかりしたものであれば何も問題はありません。
 いや、プロスポーツは興行である以上は民間企業がお金を全面負担するべきという考えもありますが、民間企業が全てを出資して事業としてプロスポーツ運営を行えば、それはその瞬間に永続的なものである保証はなくなります。それは企業の都合で活動の方向性が決まる事になるからです。企業の経営が苦しくなればスポーツにお金を使っていくのが容易ではなくなります。
 あまり一般には知られていない事例ですが、実はJリーグでもプロ野球のように運営会社が変わったケースがいくつかあります。これはプロ野球の場合はイコールで金銭的責任を負う企業、つまり親会社が変わるので「身売り」と表現されているものであり、それゆえにチーム名も同時に変わりますが、Jリーグの場合は運営会社が変わってもチーム名は基本的には変わらないのでニュースにはなりにくいようです。
 しかし、このチーム名が変わらないという部分が「プロスポーツは誰のものであるか?」を如実に表しており、企業スポーツのデメリット部分をも表しています。企業スポーツであればチーム名が変わるからです。プロ野球のパリーグのチームを応援している人ならばわかりやすいとは思いますが、イメージしにくいという人は読売ジャイアンツや阪神タイガースが身売りしてチーム名の頭にある企業名が代わったらと想像してみてください。喜ばしい事ではないとは感じられると思います。

 現在、Jリーグは40クラブが存在しています。更にその下のリーグにもJリーグ入りを目指して活動をしているクラブが20以上あります。それだけ多くのクラブが生まれ、そのクラブが大都市だけでなく地方からもたくさん誕生しているのは、ひとつの企業の財力に頼るのではなく、複数の企業、地元の自治体の協力があってこそであり、その仕組みが構築されてきているからなのでありましょう。そのノウハウがしっかり完成されていれば景気や収支の変動に合わせてやりくり出来て、そのお金が地域社会に循環していくのだと思います。

 スポーツに限った話ではなく、興行というものと、それを運営する事は多角的な方向から取り組んでいく時代になってきているのだと思います。
 ~この項 おわり~


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