アッパーカット! アップアップガールズ(仮)
その歌を聴くとある季節を思い出せる曲というものがある。「アッパーカット!」を聴くと去年の夏を思い出せる。少しずつ新たな居場所を開拓しつつあったあの頃に。
アプガの立ち位置というものがこの一年でだいぶ変わった。二年前の夏はハロプロのカバーをやるしかなかった状況から、持ち歌がだいぶ増えて自分たちのカラーみたいなものが確立されてきた一年だったのではないか?この一年でいろんなアイドルと対バンをしてアイドルという海の広さを体感してきた彼女たちは、既にひとつのカテゴリーの枠ではなく「アップアップガールズ(仮)」としての歩みを始めている。
嬉しいことに8月10日にアプガはエイベックスの「Idol-nation」に出場し、代々木第一体育館のステージに立つ事が出来た。昔のハロプロにとって「夏の代々木第一体育館」は毎年恒例の祭の場であったけれど、今はそれは遠い過去のことになっている。そのステージにアプガは上がった。ハロプロから出て行くことになってからは苦労もたくさんあっただろうけれど、ハロプロの夏の聖地に上がることが出来たのだから、もはやそれは思い出話みたいなものなのかもしれない。
この曲が去年アイドルヲタに注目を浴びたのは、歌詞の通りにアプガが上を向きながらもがいている姿とリンクしていたからかもしれない。そういう長い旅の途中感はいっぱい詰まっている曲。アイドルヲタは感情移入出来る存在が好きだから、アプガのそういうサクセスストーリーに乗っかってみたいと思ったヲタが現れ始めたと思ってみている。
モーニング娘。は「国民的」な人気を得た時点で、結成時の「敗者復活から誕生したグループ」という肩書きは消えてしまったが、ハロプロ内ではその後ついに継承されることのなかったそのコンセプトが、ハロプロではなくなったグループであるアプガによって継承されたことは興味深い。しかも、それはハロプロの肩書きが付かなかったことによって生まれたのは皮肉である。
今後のアプガはいつまでもそんな呪縛に縛られることもなく、自らの魅力で上がっていくと信じるけれど、そんなモーニング娘。誕生以来の敗者復活娘。らしさは、さりげなく残し続けていってほしいと思います。
TIFレポートの続きです。
パワースポット
会場 ENJOY STADIUM(フジテレビ湾岸スタジオM1スタジオ)
時間 21:00~21:15
突然の暴風雨にテントに避難していたけれど、いつまでもここにいる訳にもいかず、20時を少し回ったあたりで少し雨が弱くなってきたのをみて、湾岸スタジオ内に戻る。次の目的は21時からのパワースポット。場所はエンジョイスタジアム。
中に入るとテクプリが歌っていた。明日のステージが解散ステージになるテクプリ。もちろんそれを観るつもりなのに、すでに胸が熱くなってくる。
続いてはDoll☆Elementsのステージ。昨年TIFで観た時よりもファンの数が増えている。楽曲的には今風な王道路線なので自分の趣味からは少しはずれるけれど、こういう路線はライブで観ると盛り上がりが感じられて楽しくはある。メンバーも可愛らしいし、こういうアイドルは市場に必要なのだと改めて思う。アイドルとは楽しいことは正義なのではないかと時々感じるのであります。
君のハートに解き放つ! Doll☆Elements
http://www.youtube.com/watch?v=KcsVJpkSZQs
AメロからBメロの流れが好きな曲。メジャーデビュー曲でもあります。
そのままのポジションで次のグループを観る。次はBe Flourish。申し訳ない事に今回初めて名前を知ったので予備知識がないまま観始めたら、これが面白かった。エヴァンゲリオンの主題歌「残酷な天使のテーゼ」のカバーも歌ったり、いわゆる打ち込み系ながらなかなか魅せる聴かせるステージ。会場にいる生粋の地下系の若いヲタにはあまりウケていないようだったけれど、それはきっとメンバーがお姉さんだからだろうか?そこは残念に思う。
プレパレード Be Flourish
http://www.youtube.com/watch?v=sxrXXq2dMjw
パワースポットの出番になった。東京の地下系では注目度の高いほうにいるグループ。観客も前方に詰め始める。
先ほどのDOLL FACTORYでのステージの時より少し緊張も解けたのか、メンバーの笑顔も自然な感じになっていた。「夜中の3時」で幕を開けたステージは、良い意味で普段のスタイルで進行していく。普段持っている力をどれだけ披露出来るかもフェスの醍醐味。特にこのステージは、日頃応援している人達への感謝をこめた晴れ舞台とも言えるものだから、ある種お祭感覚な高揚感が大切でもああった。
アイドルブームのおかげと、バンド不況のあおりで都内の小さなライブハウスは毎日アイドルの対バンライブを開催して店を切り盛りしている。そのため東京の地下系アイドルは連日のステージをこなす事になっている。決してなだらかな道ではない明日を見つめ、一人でも多くのファンが増えるように歌い続けている。アイドルというジャンルは決して華やかなだけではなくて、それでもアイドルに憧れてステージに立つ女の子が次々と生まれていく。
たくさんグループが存在する東京地下アイドルシーンから、このTIFのステージに立てるグループもほんの一握り。パワースポットのメンバーもそれが心からわかっているから、このステージに立つことを目標として公言してきて、今ここに立っている。TIFは単なるアイドルのお祭というだけでなく、そこに辿り着くまでの物語もグループの数だけ存在している。
パワー上昇 パワースポット
TIF2013 一日目に観たアイドル(観た順)
おはガールちゅ!ちゅ!ちゅ! キャラメル☆リボン lyrical school Cheeky Parade Negicco BiS アフィリアサーガ バニラビーンズ めろでいーリアン みにちあ☆ベアーズ フルーティー♥ パワースポット しず風&絆 GEM アイドルカレッジ 多国籍軍 Doll☆Elements Be Frourish パワースポット