フリージア工房 国道723号店

ハロプロメンバーを応援してアイドル音楽を愛するエッセイブログ

GIVE ME SING

2012-04-19 23:06:57 | アイドル etc

 AKB48が以前ほどは盛り上がっていないように感じられる最近なのですが、それでもテレビや雑誌にはたくさん出ている。AKB自体が人気である事には異論はないけれど、せっかく人気者に担ぎ上げられたのだから影響力という部分も考えてほしいという思いはあります。たとえば散々話題にしてきた口パクもその一つ。見映えをよくしたいというのは人間として当然だけれど、アイドルというものは生身の人間である訳で、だからこそ上手い下手もあるし、それを含めてのアイドルだと私は思うのです。
 アイドルがファンに向けて自分の声で歌を届ける事はファンサービスとして大切な事であると私は考えます。そこを偽装してはいけない。私が口パクは嫌だと思うのは「今日、現在のアイドルの声」を届けていないからです。

 そんな流れのまま、AKBは楽器を手にした。それは企画としては面白い。「練習」を映像としてまとめれば一つの素材として売れる。上手いなと思います。
 AKBというシステムはそれを幹として様々な方面にお金を動かせるシステムでありますから、楽器メーカーなども潤う事まで計算されているかもしれません。その事自体はアイドルの表面的な楽しみ方からテーマがずれてくるけれど、やはりお金のイメージがどこかでつきまとうAKBであります。
 でも、この不況な世の中でAKBというシステムはビジネスモデルとしては凄いし、巨額なお金が動いたのだから大成功と言えるのではないでしょうか。でも、システムであるから、そこに所在するメンバーは一部を除いて個ではないのです。それをそのままだと冷たく感じられますから、総選挙でメンバーに個を持たせて各メンバーの支持層の自尊心をもくすぐっているのは絶妙です。

 こんな風に私がいちいち事例を挙げるまでもなく、AKBはプロの運営があくまでプロの仕事をしている訳で、極端に言えば素材がアイドルである必要もなく、どういう方向にでも路線を振っていけそうな気さえします。
 つまり、アイドル歌手という肩書きは一例に過ぎず、ハロプロや他のアイドルとはジャンルが違うのではとさえ思えます。女優さんがCDを出している感覚に近い。

 それでもわかりやすい曲構成と、絶妙なイベント設定で数字は残してきたAKB。私はAKBが売れる事で女性アイドルというジャンルに興味を持つ人が増えてくれたら嬉しいですと以前書きました。それから数年。結果としてそれは多少は叶ったような気はします。AKBに刺激を受けている関係者も少なくないだろうし、それがアイドルグループ乱立時代に繋がったのも事実。
 しかし、流行というものは作った時点で終わりが見えている。私が恐れているのはAKBブームとやらが終焉を迎えた時のアイドルシーン。それは活動内容に関わらず多くのアイドルグループに影響を及ぼす事でありましょう。AKBとは全然違うベクトルにいるハロプロでさえ例外ではないかもしれない。
 でも、それこそビジネスとしてのアイドルが与えてきた、掲げてきたものに対しての代償であります。すでに幾つかのアイドルグループは消耗が始まっている。

 アイドル歌手である者は、その歌声を失ってはいけない。来るべき冬の時代に備えるために、その先の未来を見据える者は、個としての存在を失ってはいけないのだと春は教えてくれているのだと思います。+++

AKB48 GIVE ME FIVE! Live


コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする