某月某日
疲れが出たのか家でひねもすノタリノタリしていた。
しかし関東は暑い夏を迎えていて、先日の涼しい気候はどこかに行ってしまったようだ。
出来るだけクーラーをかけないようにして、扇風機で過ごすのだが、先日来チリチリしていた腕の日焼けが水泡を持ちむけてきてかゆい。
ただゴロゴロしているのも手持ち無沙汰なので、その辺に転がっている本を読んで過ごす。
「氷川丸物語」高橋茂著 かまくら春秋社 1978年刊
日本の軍隊は人命を軽視し玉砕などの無駄死にをしいていたが、一方で氷川丸を病院船に改装し、戦地からの傷病者を内地に送り届けるなどの「人道行為」も行なっていた。
その矛盾したおこないの理由は明らかでないのだが、病院船という特殊な空間では軍というこれまた特殊な空間とは違った世界観が働いていたようだ。
病院船というのは陸海軍それぞれが保持していたようで、氷川丸は海軍によって徴用されていたのだが、現在横浜に「停泊」する氷川丸が戦前、戦中、戦後と生き抜いてきた歴史の中にそのような時代があった事を記す本著は、日本の軍隊を考える中でも特別な位置にあるのではないかと感じた。
元が海外航路の豪華貨客船であった事で、操船業務は日本郵船の船員が行ない、船内業務も同様であったらしい。
元ボーイが高級士官の世話をし、厨房においても豪華な食べ物を提供していたという。
船医はもちろん軍医なのだが、操船側の郵船と医療側の軍部が物語を読む限りでは不思議な「民主的」均衡で折り合っていたのが興味深い。
軍医であってもあくまでも軍務は傷病者を治療する事であり、結果的には再び戦場に兵隊を送り出す事になるのだが、軍隊内の政治的動きとは別に生命に関しての倫理が「多少」は生きていたというのが新しい発見であった。
この辺のところをもう少し調査してみたい気がする。
疲れが出たのか家でひねもすノタリノタリしていた。
しかし関東は暑い夏を迎えていて、先日の涼しい気候はどこかに行ってしまったようだ。
出来るだけクーラーをかけないようにして、扇風機で過ごすのだが、先日来チリチリしていた腕の日焼けが水泡を持ちむけてきてかゆい。
ただゴロゴロしているのも手持ち無沙汰なので、その辺に転がっている本を読んで過ごす。
「氷川丸物語」高橋茂著 かまくら春秋社 1978年刊
日本の軍隊は人命を軽視し玉砕などの無駄死にをしいていたが、一方で氷川丸を病院船に改装し、戦地からの傷病者を内地に送り届けるなどの「人道行為」も行なっていた。
その矛盾したおこないの理由は明らかでないのだが、病院船という特殊な空間では軍というこれまた特殊な空間とは違った世界観が働いていたようだ。
病院船というのは陸海軍それぞれが保持していたようで、氷川丸は海軍によって徴用されていたのだが、現在横浜に「停泊」する氷川丸が戦前、戦中、戦後と生き抜いてきた歴史の中にそのような時代があった事を記す本著は、日本の軍隊を考える中でも特別な位置にあるのではないかと感じた。
元が海外航路の豪華貨客船であった事で、操船業務は日本郵船の船員が行ない、船内業務も同様であったらしい。
元ボーイが高級士官の世話をし、厨房においても豪華な食べ物を提供していたという。
船医はもちろん軍医なのだが、操船側の郵船と医療側の軍部が物語を読む限りでは不思議な「民主的」均衡で折り合っていたのが興味深い。
軍医であってもあくまでも軍務は傷病者を治療する事であり、結果的には再び戦場に兵隊を送り出す事になるのだが、軍隊内の政治的動きとは別に生命に関しての倫理が「多少」は生きていたというのが新しい発見であった。
この辺のところをもう少し調査してみたい気がする。