3.11以後の日本

混迷する日本のゆくえを多面的に考える

東京医大の公然女性差別は日本の女性差別構造の氷山の一角である

2018-08-23 18:06:09 | 女性の地位
女性医師が東京医大の入試女性差別に関してアンケートに答えているものを読んで、なんて、保守的なんだと思った。
ほとんどあきらめ、仕方がない、というモードである。
これだから、日本の女性の地位は世界の先進国でもっとも低位になってしまうのがよくわかる。

確かに、厳しい職場で男並みの働きを求められる女性医師だが、しかし、それは、男性医師にとっても厳しい職場であることを示している。
しかし、男性は、専業主婦の妻にすべて、家事、育児、親の介護等丸投げをしている。妻も医師の妻ともなれば、如何に夫の仕事が重労働であるかをしっているのでそれを理解して結婚するのであり文句はいわない。

給料がたかく、頭もよく、社会的地位の高い医師の妻であることを誇りとし専業主婦の地位を保守する、という妻がいることで男性医師は忙しくてもやっていける。が、兼業の男性、女性医師はそうはいかず、ともに忙しいとなれば、金をかけてベビーシッターを雇うか、妻が非常勤の医師となるということをやって乗り越えようとする。
で、結局、医療現場における女性医師の地位はどんどん低くなり狭まるという負の構造となっている。非常勤化は地位の低下の最たるものである。

そもそも、日本の医療現場は効率、経営を重視するという転換を80年代ぐらいからやってそこで働く人の労働環境は二の次、病院経営のために医師を搾取するという仕組みが根付いているので、そういう労働風土のなかに放り込まれる若い医師たちは、その環境に対して、疑問をもつということをすることさえしない。これは大きな問題である。闘えといいたい。社会性のない医師ばかりだからこういうことになるんじゃないだろうか。


医療現場に人手を手厚くして、働く人を護ることをしなければならない。
働きやすい、男女ともに、そういう環境をつくることがまず必要である。
そのために税金を上げてもよい。
男女の医師、看護師等、が気持ちよく子育てや地域活動や趣味を持ちながら仕事や研究に専念できる態勢を作る必要があるだろう。そのほうがずっとよい医師になれる。時間的余裕ができれば患者に寄り添う時間も確保できるというもの。

医療現場の男性優位の社会構造、それが女性医師を萎縮させ、男女ともに苦しい働き方になっている。

世界の先進国に目を向ければ、日本の現状が普通ではなくクレージーであることに気づく必要がある。
医者は忙しくて当たり前、専業主婦が居なければ成り立たないのでは日本は終わりである。

医療現場だけでなく、日本の主要な官庁や大企業は同じ構造をもつと思われる。これほどあからさまではないものの、依然として女性の労働者は職場の花であり年齢が若いだけがとりえで女性には高い専門性より女子力がまず求められるというのが常である。
これは、もう私が物心ついたころから変わっていない。日本はいつまで、こんなことやっているのだろう。ホント頭にくるのである。

若年労働力が減少し女性の労働力はますます重要になっているのに、これじゃあ、だれもまともに働く気が起きないよね。

女性の優秀な医師を育てる国家プロジェクトを立ち上げ、これから10年、計画的に増やすという国策が必要である。医療現場だけでなく、大学や大企業や官庁なども6:4ぐらいの比率で女性の管理職を増やすということ、政治家も含め、を強制的にやらねばならい。割り当て制にするしかないのである。




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