サ カ タ の ブ ロ グ 

やぁ、みんな。サカタだよ。

電話ボックスから

2020年07月15日 | サカタだよ

電話ボックスを最後に使ったのはいつだろう。携帯電話を手に入れる前後だとしたら四半世紀ぐらい昔かもしれない。近ごろは見かけることも少なくなった。探せばあるんだろうけど必要としてないから目に入らず、この世から消えてなくなったのではないか? という気がしなくもない。

そんな電話ボックスのかたわらに支柱があって、金属の支柱を左手で握り、右手ですぐそばの地面をさわると痺れる感覚があった。小学校3年生か、4年生ぐらいの頃のことで、公衆電話のボックスの中で通話をした経験があったかどうかわからないがビリビリ痺れる遊びだけは毎日のようにしていた。

どうして痺れるのかわからなかった。左手から右手に電気が流れるのか、右手から左手に電気が流れるのか。支柱または電話ボックスから漏電してるかもしれないと思いながら、脳を含む上半身の痺れに身を任せるのが面白くて、友達のケンジくんと放課後ずっと痺れて遊んだ。

それがいけなかったのかもしれない。奇妙なことが起きた。電気が充填されたせいか手で触れなくても物を動かすことができるように、いつのまにかなっていた。テレビで怪しい人が女性をイスに座らせて、自分の両腕をグルグル糸車のように回すと女性の両腕がだんだん持ち上がってきた。それと同じことを、ハンガーにかけた服に対してできるようになった。

袖が持ち上がり、こちらに伸びてくると信じてハンガーにかけた服の前でグルグル糸車のように腕を回すと、まるで糸で引いたように衣服の袖が持ち上がった。引っ張る手ごたえを感じた。ケンジくんに手本を示して、試しに同じことをやってもらったらケンジくんも服の袖を引き上げることができた。

手を触れないで物を動かす能力。どういう原理かわからないが、ぼくもケンジくんもできる。電話ボックスから(あるいは金属の支柱から)パワーを得たのかもしれない。この力を伸ばすともっと何かに役立てられるかもしれないが、そうすることは危険な気がして力を封印することにした。

いまも同じことができるかどうかわからない。封印した力をぼくが使ったことはないが、転校したケンジくんは何かのときにパワーを使ったかもしれない。忘れていたパワーのことを思い出したのは、新型コロナウイルスで緊急事態宣言が出て何もすることがなく退屈だったときのこと。

試してみて袖が持ち上がったら怖いから、まだやっていない。やりかたは覚えているので、その気になればいつでも試せるんだけど、持ち上がらなかったら残念なので試す気になれない。持ち上がってほしいのか持ち上がらないでほしいのか自分でもわからなくなってきた。

そのうち気が向いたら試してみて、袖が持ち上がらなかったときは電話ボックスのそばにある金属の支柱を左手でつかみ、右手で地面に触ってビリビリ痺れることでパワーを充填すればいいと思っている。実は呪文もあるのだが、それは危険なのでここに書くことができない。

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