ときどき、おにぎり屋さんで朝ごはん食べる。目の前に「抹茶ハイ280円」と掲示されていても、さすがに朝からは飲まない。しかし繁華街で朝まで飲み明かした男女が酔っぱらって店になだれ込み、とぐろを巻くのはまだしも、お会計のレジに立つとき足がもつれて備品の立て札か何かを破損したことはある。こっちへ酔漢どもが倒れてこなくて本当によかった。そう思った。シャケ。
ツナマヨ。注文を受けてから作るので、おにぎりがあったかい。豆腐のお味噌汁はおかわりができる。しかし、おにぎり1個で味噌汁おかわりすることはない。あたたかい緑茶を食後にすすると、目が覚める。コーヒーが渡来する以前、お寺のお坊さんはお茶で目を覚ましたというのが、なんとなくうなづける。もっとも、そのお茶というのはドロッとして泡ぶくの立つ抹茶かもしれないが。
明太マヨ。朝はあまり混まないので、着席しておにぎりを食べられる。昼などは混雑するので入店を試みたこともない。テイクアウトの順番待ちも長蛇の列をなし、15分待ちとか25分待ちとか、それ以上の長時間待ちの立て札が店頭に出る。そこらへんの勤め人がランチタイムにおにぎりを食べることなど、予約でもしていなければ無理だろう。だから朝しか立ち寄らない。
肉そぼろ。おにぎりは大ぶりなので、朝ごはんは1個でちょうどいい。しかし、他の客を目の端で見ていると、すました女性客がさも当然のように大きなおにぎりを2個注文してはペロリと平らげる。女は1人だとよく食べる。3個食べる人もいる。男より女のほうが大食いなのではないかと、ギャル曽根やもえあずを思い出しながら肉そぼろ食べる。やっぱり1個でちょうどいい。
卵黄醤油漬けと生たらこ。どれどれと2個食べてみたことがある。やっぱりちょっと多いかな……食べられないことはないけど。2個おにぎり食べたときは、豆腐の味噌汁おかわりした。おにぎりも1個や2個だと小商いだが、テイクアウトで12個とか、20個とか買っていくお客さんがいる。そうすると大ぶりで具だくさんなおにぎりはたちまち数千円の売り上げになる。しかし大量注文があるとテイクアウトの待ち時間がそれだけ伸びて、そりゃもう大騒ぎさ!
ねぎとろ。期間限定なのか朝の時間帯限定なのか知らないけど、味噌汁100円引きでトータルいくらになるかメモリーしたころ、いつもより遅い朝ごはん(10時過ぎ)だったせいか店内ほぼ満席で、そろそろテイクアウトの行列も発生してきて、手慣れた店員さんの手がふさがってしまった。そこでどこからか年配の男性従業員が出てきてレジを担当。お会計がいつもより100円高いから「味噌汁100円引きは……」と尋ねると「味噌汁100円引き?」と首をかしげて確認し、「アッ!」といって100円引いた。ぼくはいいけど、さっきの客もその前の客も100円多く払って帰ったのでは?
すじこ。インパクトでかい。高額メニューなので、もしも味噌汁100円引きをおじさん従業員が忘れても気づかないかもしれない。毎回、定番おにぎり1個と味噌汁だけだから100円の違いに気づくわけで、あれもこれも……と組み合わせたらもう気づかない。もっとも、ブランド品に身を固めたような客が多いから100円ぐらい構わないかもしれないが、そういう客にかぎって小銭にうるさかったするのが世の常だ。
じゃこ生七味。ときどき撮った写真も、こうして並べると毎日やってるように見えるかもしれない。そんなことは決してなく、パンを食べたり丼を食べたり麺を食べたりもしている。パンがなければ丼を食べればいいじゃない、パンがなければ麺を食べればいいじゃない……のほうが語呂がよく、パンがなければケーキを食べればいいじゃないは語呂が悪い。パンがなければお菓子を食べればいいじゃないはもっと語呂が悪いじゃない。パンがなければおにぎりを食べればいいんだな、だと山下清になってしまうんだな。おしまい。
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