サ カ タ の ブ ロ グ 

やぁ、みんな。サカタだよ。

鶏と豚と私

2013年09月25日 | サカタだよ
「カラダにいい肉」ということで、トリ肉とブタ肉の特集を組むことになったんですよ! というより、
もうできて明日(9/26)発売になるんですよ。ちょっと珍しいテーマなので、普段なかなか行けない
種豚の牧場などにも足を運びました。


西武新宿線の特急「小江戸」で

朝の通勤ラッシュと逆方向の特急は、思った通り空いていて、ほとんど貸切に近く、お天気は麗らか。
30分そこそこの束の間とはいえ、高校生のとき授業さぼって適当にぶらぶら遊んだ日とか思い出して、
ガラガラの電車でひとり切ない気分になりました。


狭山市へ……(たぶん初めて)

駅でスタッフと待ち合わせて、お茶で有名な狭山市のとなりの日高市にある埼玉種畜牧場を訪ねます。
ここがすごいのは牧場で種豚を管理しながら食用豚を育て、工場で食肉や加工品にして、お店で直売
しているところ。種豚の品種はややこしいから省略しますが……


白いのと黒いのと茶色いの

白い豚と黒い豚をかけあわせて生まれる“合いの子”と、茶色い豚をかけあわせて生まれる“孫豚”が
おいしくて、元になる種豚が三種類だから「三元豚」というそうです。


この子たちから「三元豚」が!

ブランド名じゃなくて作り方だったんですね、「三元豚」って。ドイツ以外ほとんどの国では「三元豚」が
この系統の種豚から作られるそうです。ドイツでは主に加工品を食べるから、サシが少なくなる種豚の
組み合わせで「三元豚」を作るとか。


三元豚の赤ちゃん

生後1週間ぐらい。この三元豚は「スーパーゴールデンポーク」という銘柄豚になります。三元豚の
ブランドにも、いろいろあるんですね。いやー勉強になるなあ!


エリートの家系に生まれ育ちます

だいたい生後6か月、体重110kgぐらいが食べごろ。種豚さんたちは子作りするのがお仕事だから、
6か月で食べられるわけではなく、およそ5年ぐらい……優秀な種豚だと10年ほどもがんばるとか。
三元豚と三元豚をかけあわせても、いい食用豚が生まれるわけじゃなく、父母や祖父母いずれかの
特徴が強く出てきて品質が安定しないそうです。そう考えると種豚って大事。


豚さんたちに感謝しながらソーセージを手作り

ひき肉と調味料と冷たい水を少々、こねこねして羊の腸に詰め、くるくるひねって結び目ができたら、
ゆでます。手作りを体験すると、工場の機械でやってることが頭に入りやすくなりますね。


工場で機械を使ってやることも原理は手作りと同じ

あれ? トリ肉とブタ肉の特集なのに、ブタのことばかり書いちゃってますね。もしかしたら自分では
気づかなかったけど、ぼくってブタ派なのかも……。トリのことも取材してますよ!


そうそうトリも、とんかつとか豚骨ラーメンとかね

あれれ? なんでブタばかりなんだろ……。もしかして前世がブタとか、ありえない話じゃないから
もしかしたら、もしかしたら、そうなのかしら? UFO! (ピンクレディーの)


……ラーメン女子

豚骨ラーメンと鶏白湯ラーメン(&清湯ラーメン)については、女性ラーメン評論家の本谷亜紀さんが
これまで食べ歩いた中から、おすすめを取材しました。肉じゃないですけどね、番外編的に。


「性格悪いやつは、うまいもの作れない」とご主人

おいしいものを作るには、体力も気力も必要なんですね。トリ肉に関しては、料理が目の前にあると
写真を撮る前につい食べちゃって、ブタ肉よりトリ肉のほうが冷静じゃいられないのかもしれません。
困ったものです……。


うわああぁぁぁ撮り忘れたぁぁ!

“日本肉食史”みたいな壮大なテーマを、たった2ページにまとめる無茶な企画も担当していて、
肉のために骨を折って書きました。そんでもって毎号やってる「スポ神」のコーナーは、北海道の
小樽で住吉神社を訪ねて大きな勘違いをした話です。お恥ずかしいww


だって、まぎらわしいんですもの(?)

そしてまた「ときどきロッカールーム」も載ってますんで、目が汚れても大丈夫な方はどうぞ……。
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ホームレス

2013年09月18日 | サカタだよ
右へ行けば江戸まで五十三里の甲州道中、左へ行けば江戸まで五十五里の中山道、ふりかえれば
やっぱり中山道で、京まで七十七里……ここは下諏訪の宿場町。


温泉も湧いている

ひょんなことから神社ネタの連載をはじめて、筋トレ撮影→神社取材→筋トレ撮影→神社取材と、
筋トレのインターバルみたいに神社めぐりを行なってますが、昨年の夏に諏訪大社を訪ねたとき
街道の交差点というか分岐点というか、T字路が印象に残ったんですね。


その角に建つ旅館 (右は京都、向こうは甲州道中)

それで今年の夏、うちの小学生がどこで覚えたのか江戸の五街道とか参勤交代とかの話をしてた
のもあって、避暑をかねて下諏訪宿の古い旅館に泊まりに行ったわけですよ。


よもや帰れなくなるとは

妻は仕事だったので、うちの小学生とふたりで1泊2日の小旅行のつもりでした。夕ごはんまで
することないので近所でオルゴールつくらせたり、熱いお風呂に入ったり……。


時計とかオルゴールとか名産なんですね

その晩はとくに何事もありませんでした。諏訪といえば有名なのは御柱ですよね、おんばしら。
諏訪大社の社殿の四隅に建てる樅の木の柱で、寅年と申年になると氏子が山から下ろしてくる
……例のあれです。


こうやって山から下ろしてきて、神社の四隅に屹立させる御柱

あれって諏訪大社だけにあるのかと思ったら、そのへん歩き回ってみると何にでもってわけじゃ
ないにしても、大事そうなものの四隅には大体ミニチュア御柱があるんですね。


こういうのはよくわかる


こういうのも四隅にある

すいぶん念入りですね……翌朝のこと、下諏訪の宿を立ち去り、すわっこランドにあるプールで
小学生を遊ばせようとしたら、諏訪湖の花火大会の準備で休業していたものだから、やむをえず
といったら語弊があるけどカメの遊覧船に乗ってみると!


これがカメの遊覧船、たしか「竜宮丸」

40000発の花火を打ち上げる場所にも、四隅にまさに御柱があるのを船の上から見てしまい、
ちょっとたまげましたよ。


御柱……御柱が四隅にある!?

花火みにきたわけじゃないのと、小学生がプールに入れなくて意気消沈しているので、すぐ隣の
茅野駅から歩いて20分くらいのところにある市民プールに行ったんですが、夕方そろそろ帰ろうと
したら一天にわかに掻き曇り、ゴロゴロ……ピカッ! ザザーッと豪雨です。


おみくじは大吉だったのに

大吉がでると凶事がおこるものなんです。指定券を持っている17時すぎの特急が大雨で立ち往生、
というか始発駅さえ出ていない。花火見物するはずのお客さんが駅で足止めされてあふれている。
列車の運行が再開する見込みはない。花火が中止になっても、帰れないお客さんが5000人いる。
周辺のホテルや旅館は予約でいっぱい。特急は運休かもしれない……


プールで遊んだ疲れで眠いし

運休になったら翌朝の特急がラッシュになり、徹夜した挙句に2時間半も立ち乗りで帰るような
つらいめにあうかもしれない……そこで、朝6時半ごろの特急の指定券に手持ちの切符を替えて、
朝帰りになったら寝て帰れるようにしておき、もしも復旧したら立ち乗りで帰ろうということにした。


渋い宿が懐かしい

21時になっても、22時になっても、23時になっても列車はぜんぜん動かないまま……ダメだこりゃ
とか思ってたら、駅の人や観光案内所の人がどこからか毛布やかけぶとんを大量に持ってきて、
これ使って寝ていいと言ってくれたので、うちの小学生といっしょに床で寝ちゃう。ホームレスより
いい環境で、うちにいるより涼しく眠れたかも。


花火の夢を見たりして……

乗るはずだった17時すぎの特急は、深夜0時をまわってずいぶん経ってから駅に入ってきたけど、
それに乗っても新宿につくの午前3時とかだし、もう乗らないで朝までホームレス気分にひたる。
最終列車が行ったのは午前2時半らしい。それだと新宿に朝5時……!?


翌朝もダイヤは乱れていた

6時におきて駅の人にお礼を言い、あずさ2号に振り替えた指定席で寝て帰った。あとで聞いたら
駅で寝た夜は京都の福知山で屋台が爆発したり、エジプトの政変で市街地が爆発したり、いろいろ
たいへんだったみたいだから、駅で身動きがとれなくなるくらい何でもなかった。短い夏の思い出、
偽ホームレス=プライスレス……? (小学生は面白かったみたい)
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ずるずる

2013年09月11日 | サカタだよ
12年まえの9月11日は育休中で0歳児のおむつ替えたりミルク飲ませたり、ゲップさせたり寝かしつけたり
の繰り返しでしたが、ある朝起きてテレビつけるとニューヨークの高層ビルに飛行機が激突して「???」と
思いましたね。あれから12年になるとは感慨深いですけど、それはそれとして今回はラーメンの話です。


背脂が、背脂が!

もう何年前になるか正確なところは思い出せませんが、タレントさんの撮影で現場についたマネージャーさん
が大のラーメン好きで、1日3食ラーメンという日も珍しくない。朝ごはんは食べなくて昼ラーメン、夜ラーメン、
深夜にラーメン食べて寝るとか何とかいう話で、そういう生活が毎日続くわけではないけれど、でも1日1回は
どこかでラーメン食べるから、年間400杯ペースとして過去3年で1200安打は達成してると胸を張ってました。


1200安打って……

それからしばらく、そのマネージャーさんと現場でお会いする機会はなかったんですが、半年あるいは1年近く
して新人タレントの売り込みに寄られたとき、すごく痩せてたんですね。タレントじゃなくてマネージャーさんが。
「ラーメン食べると痩せるのかな?」と思って、「最近どこのラーメンがヒットですか?」と尋ねたら……


ラーメン食べて痩せる?

「カラダこわしちゃってラーメンとめられてるんですよ」と、さびしそうにおっしゃる。聞けば、夜ラーメン食べない
ときは酒席でごちそう食べたり、現場によってはハラペコで乗り切って仕事終わりでタレントと深夜焼肉したり、
長年いろいろやらかしたからラーメンのせいでカラダこわしたのか、よくわからないそうです。


相当あやしいけど

「ラーメンをとめられたなら、カレーをめしあがれば?」……なぐさめるつもりでマリー・アントワネットみたいな
言葉を口にしてみても、いまいち反応よくありません。「ラーメン好きにはラーメンを、カレー好きにはカレーを」
と新約聖書に書いてあるかどうか、読んだことないからわかりませんが、たぶんどこかに書いてありますよね。
「まさしく、その通りだ」とマネージャーさんの顔を見て思いました。


カレーもあるでよ

「世の中の人は、カレー派とラーメン派の2つに大きく分かれるんですよ」……現場でカレーかラーメンの話題が
出ると、ネタがつきたところで大体いつも、ぼくはこの話をして間をつなぎます。カレー派の人は好奇心や探究心
が旺盛で、どちらかといえば職人タイプだから、見る目がある人に認められたいという気持ちは強いけど目立つ
のは基本的に好きじゃない。それに比べてラーメン派は、一発当ててやろうという気持ちが強いギャンブラー型。
自己アピールが好きで、どんな手を使っても有名になりたい成り上がりタイプ……。みたいなことをしゃべっては
ウケたりスベッたりしています。どちらかというと、4:6でスベります。スベるのが6です。ずるずる……


気にしてまへんわ

スベってもスベっても、めげないで間をつなぐ。それがスベリ―マンというものです。うまくやろうとさえしなければ
どんな現場もこわくありません。今週はここまで……いつものことながら、とても役に立つブログですね。こういう
のがスベるということですから、よい子はマネをしないように。今週(9/12)発売号の「スポ神」は……


岐阜県の手力雄神社をたずねました

よく「リアルタイムで取材してるんですか?」と聞かれますが、そんなにしょっちゅう神社めぐりができるわけでは
ありませんので、なるべくネタをストックする方向でやっています。といいつつ“撮って出し”のこともありますけど、
この手力雄神社についてはけっこう長いことストックしていました。出せてよかったです。

それから、この号と次号には2回続けて「ときどきロッカールーム」も載っているので、よかったら見てください。
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何してるの

2013年09月04日 | サカタだよ
たとえばプチ同窓会みたいな場面で「雑誌の編集をやってます」と簡単に自己紹介すると、「文章を書いてるの?」
と聞かれることが、よくあります。たしかに文章は書いています。が、文章を書かなくても雑誌の編集はできます。
実際、文章はライターさんに任せて、自分は何も書こうとしない編集の人は山ほどいます。揶揄しているわけでは
なく、編集者はそれがあたりまえ……という考え方もあります。文章を書かずに、何してるかというと?

1.企画を考える(人もいる)

ぼくが入社したころ『ダカーポ』の編集長がよく、「編集者の命は企画力!」と口にしていました。それを聞いたとき
思ったのは、“そんなこといっても実務ができなきゃ編集の仕事は進まないのでは”ということでした。極端にいえば
企画力なんかなくても、実務さえできれば編集者はつとまる。そんなふうに思ったこともありましたが、いま考えると
それは間違いでした。人マネできないほど能力がないのは問題ですけど、オリジナルの企画を自分なりのやり方で
実現する力がないと、本物の編集者とはいえないようです。最初はみんな(じゃないかもしれないけど)人マネです
が、そのうちものごとの切り口がいくつも見えるようになって、退屈じゃない企画を何本も考えられるようになったら
いいんですけどね。実際なかなか難しいことですね。

2.構成をひねる(人もいる)

チームで仕事する場合、全員が独自のアイデアを生み出す精鋭集団である必要はないというか、そんなチームが
あったら怖くて、ぼくなんか出社拒否になりそうです。毎回いい企画を考えることができなくても、誰かのアイデアを
骨抜きにしないで、うまく伝わるように構成をひねる作業も、とても大事な仕事です。服を作るデザイナーが優秀でも
パタンナーがぼんくらだとカタチにならないようなものかもしれません。編集の仕事はデザイナー兼パタンナーのとき
もあれば、役割としてパタンナーに徹することも往々にしてあります。自分の企画も他人の企画も、ちゃんと咀嚼して
わかりやすい構成にまとめる力が、全員にあるといいんですけどね。そんな精鋭集団ないです。

3.ビジュアルを考える(人もいる)

どこにでも中間管理職というものが必ずありますから、ちゃんと機能してれば、構成をひねるコツは現場の編集者に
伝わります。コツが飲み込めるまでは指図するだけ。文章についてはそれでOKだと思いますけど、多くの雑誌には
文章のほかにビジュアルの要素があります。写真やイラスト、表やグラフと、それらの配置(レイアウト)を考えるのも
編集者の仕事です。ビジュアルを考えなくていい雑誌もありますが、残念ながら(?)マガジンハウスにはありません。
「内容よりもビジュアルに力を入れる」と公言してはばからない現場の編集者も少なくありませんが、ぼくはそこまで
いいません。人の仕事を見ていると、ビジュアルを作る力は個人のセンスによるところが大きいなと思います。

4.連絡や調整をこなす(人もいる)

文章にしろ写真にしろ、イラストにしろ何にしろ、イメージだけではカタチにならないので人を動かす必要があります。
だれに取材するか決めたり、文章を書くライターさん、写真を撮るカメラマンさんの他に、撮影にはスタイリストさん、
ヘアメイクさんといったスタッフの協力がだいたい必要なので、取材先やスタッフに適切なアポを入れることが重要。
これがまた難しくて、意図を明確に伝えることができるかどうかは第一関門にすぎません。第二関門は、相手の話を
ちゃんと聞いてアイデアや意見を取り入れられるかどうか。人の仕事を見てると、ほとんどのトラブルは第一関門か
第二関門で炎上しています。イラストレーターさんや、グラフィックデザイナーさんとのやりとりも、基本は同じです。
連絡や調整には社交性が必要で、パッと見たとき編集者が仕事やってるっぽいのは、このあたりの業務じゃないか
と思いますが、じつは上記1~3の孤独な仕事のほうがメインかもしれません。

5.食べ物や飲み物を用意する(人もいる)

ところが、食べ物や飲み物を用意するのがうまいと、それだけで編集者としての評価が確立される場合があります。
撮影にしても打ち合わせにしても、「腹が減っては戦はできぬ」のは真実です。兵站が下手な武将は大成しないのと
同じで、お弁当の調達や出前の手配、あるいは外食する店選びがうまい編集者は「できる!」といわれちゃいます。
あらかじめ現場で何が必要か見えているうえに、セレクトのセンスもあるわけですから、物資の調達が巧みな人は
有能なのでしょう。買いすぎるのはアホですが、現場でスタッフが飢えているのに「おにぎりか何か……」といわれて
「うるせえな、いま仕事してるだろう!」とキレたりするのは論外。それも仕事なんですから。


買い出しも仕事のうち

編集の仕事って結局は、雑用なんですかね? 食べ物や飲み物の調達については、面白い話がいっぱいあるのを
だんだん思い出してきたので、いずれネタにしたいと思います。
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