サ カ タ の ブ ロ グ 

やぁ、みんな。サカタだよ。

チイチイチイ

2019年08月28日 | サカタだよ

スキンヘッドでメガネをかけて丸首の肌着の上に長袖のポロシャツを重ねた太鼓腹の豚さんが

「はー食った食った!」と、横座りになってサンダルを脱いだんですよ。マナーが悪いなあと思う

だけで、とくに文句もありません。しかし爪楊枝を使いながら、延々チイチイチイ、チイチイと音を

立てはじめると、チイチイいう音が耳触りでしかたない。どうやらタバコ吸うときだけは音が止む

ようだから、いっそのこと無限にタバコを吸い続けてもらえませんか? 煙いほうがマシですから

とテレパシーを送るも、またチイチイチイが始まったのでヘッドフォンを取り出し音楽を聴きます。

飲食中にヘッドフォンするのはマナーがよくありませんが、チイチイチイという舌打ちのような音

を聴き続ける不快さは耐えがたいし、店の人に頼んでお客さんのチイチイチイを止めさせるのは

無理だろうし、本人に注意するほど愛情もないのでヘッドフォンつけて逃避します。

逃避してばかりの人生です。カフェで資料読みをしていると、隣に座ったおじいさんが歯と歯の

間に何かはさまっているのか、チイチイ、チイチイ、チイチイチイ、チイチイと舌打ちのような音を

休みなく立て続けることが、そうですね週に2回か3回ありますね。無意識にやってるようだから

顔をそっちに向けてにらんでも、咳払いをしても一向にやみません。チイチイチイ、チイチイチイ、

チイチイチイ、チイチイチイ、チイチイチイ、チイチイチイ、チイチイチイ……ああもう、うるさい!

資料が頭に入りません。ハラスメントというのは本人に自覚がないため注意すると怒らせる結果

になり、しかも態度が改まらないもの。相手が頑固なお年寄りの場合なおさらです。トイレに立つ

ついでに店員さんに事情を話し、他のお客さまのご迷惑になりますので口をチイチイ鳴らすのを

ご遠慮願えませんか? と注意してくださいと頼んでも、とりあってもらえなくて変な目で見られる

ことがあり、クレーマー扱いは心外だから控えるようにしています。それでも腹に据えかねて店に

訴え、注意してもらった場合は失敬なと怒りだすか、すみませんといってすぐチイチイやりだすか

どっちかです。もう何度も絶望したので、そっとヘッドフォンを装着してメタルを聴きながら静かに

資料を読みます。

資料を読んでいるとき、人の話し声は気になりません。飲食してるときも、若者が騒いだりドッと

爆笑するのは静かに聞き流せます。おばさん同士の身の上話や、おじさん同士の仕事の話は

うるさいというより聞き耳を立てて楽しみます。詐欺師がもっともらしい態度でうすっぺらい話を

していたら、うるさいというよりメモをとって何かの参考にします。ところが世の中には人の会話

が盛り上がることを耳障りに感じる心の狭い人がいるようで、スーパー銭湯の休憩室でゴロ寝

しながらマンガ読んでると、すぐそばにゴロ寝しにきたカップルのきつい顔した女の子が彼氏に

「あのおばさんたち何の話してるんだろうね? うるさいよね、ここクーラー効きすぎじゃない?

あまり長居できないようにクーラー強めてあるんだね……変な音しない? クーラー強めすぎで

ガーガーってうるさすぎ!」とか、しゃべってる女の子のアニメ声のほうが余程うるさい。しかし、

アニメ声はまだ辛抱できます。真打は彼氏のほうでした。まだ若いのに口の中が年寄りなのか

チイチイチイ、チイチイチイ、チイチイ、チイチイ、チイチイチイ、チイチイチイ、チイチイチイチイ、

チイチイ……とんでもないハラスメント男だったので、あきらめてヘッドフォンを装着しプログレを

聴いて逃避しました。

 

関連記事:   おじいさん (後半がチイチイ)

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いたんですよ

2019年08月21日 | サカタだよ

自信たっぷりなカフェ店員さんがいたんですよ。そのとき、駅からタクシーで20分か30分ぐらい

行ったところにお住まいの方にインタビューしなきゃと思って、ちかごろホームから線路に転落

(あるいは飛び込み)して安全確認のため列車がよく遅れるので、最寄駅に早めに着かなきゃ

というわけで駅前で30分ぐらい時間の余裕ができたんです。

甘いもんでも食うか!

どんな質問をしたら自然に話してもらえそうか、あれこれ考えながら列車に乗ってきたせいか

大脳に糖分を補給してからタクシーに乗るのも悪くありません。見たところ、駅前にタクシーは

たくさん待機しており、お客さんは行列してないので、取材30分前に乗り場に行けば間に合う

でしょう。個人宅なので早めに着くより、ちょうどから5分後までのほうがいい。

コーヒーは飽きたな!

人と会う約束の多い日で、朝からコーヒーを4杯ぐらいブラックで飲んで、もうたくさん。紅茶と

ケーキで心を落ち着けようと思って、カフェに入ると非常に堂々たる店員さんがいたんですよ。

ケーキセットを注文して、「このチョコレートの……」と伝えようとすると、なぜか威厳に満ちた

態度できっぱりと

「ブレンドコーヒーでよろしいですね?」

まだケーキの話してるんだけど飲み物を急いで決める必要があるのかな……それにしても、

「よろしいですか?」が普通だろうに「よろしいですね?」と決めつけたよ、いま。チョコだから

コーヒーが合うと思ったのかもしれないけど、そんなの勝手だもんね。脳内オレ会議の結果

「あ、紅茶でもいいですか?」とお願いしたら

「レモンティーですね!」

どうしてレモンが合うと思ったか知らないけど、いまの態度ちょっと憤慨してた? 悪いなあ、

最初からミルクティーと決めていたので、自信あふれる店員さんのおすすめを却下してでも

初志貫徹せねば。「……ミルクティーありますか?」

「……ミルクティーですね!!」

つとめて婉曲に尋ねたのに、心外だったのかキツイ確認の仕方だったな。プライドを持って

接客してるから、ちょっと見当が狂うとイラッとしちゃうのかもしれない。だからって5杯目の

コーヒーを唯々諾々と飲むのはイヤだし、ましてレモンティーなどマトモな飲み物じゃない。

紅茶は基本ストレートで飲むけど、初めての店ではミルクありで頼む。そんな脳内オレ会議

を続けていると、自信まんまんの店員さんが

「いらっしゃいませ!」

と声を張った。入口のほうを見るとお客さんが3人……あれは友達同士の2人組と、続いて

1人客だろう。そう思ったんですよ。しかし、先ほどの店員さんは元気いっぱい

「3名様こちらへどうぞ!!」

どうして3人組に見えたのか、まとめてテーブルに案内しようとして「いえ、2人なんです」と

訂正されていた。なんだ、有能そうに振舞ってるけど仕事が散らかってるじゃないか。何の

職業でもよくいるタイプだから、さっきの注文やりとりなど気にかけるのは馬鹿げたことだ。

きれいさっぱり忘れよう! とそのとき思って、あとでブログに書きました。

 

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いませんでした

2019年08月14日 | サカタだよ

お盆には故人が山から里に帰ってくることになってますね。平成の昔、異常プリオンによる狂牛病が流行ったころ、牛丼ひと筋の某有名チェーン店が牛丼の販売を取りやめて当分は豚丼ひと筋にするというので、もう牛丼が食べられなくなる!と思った人々が長蛇の列をなしたことがありましたが、焼肉屋さんが端切れ肉で作ってランチに出す丼があるから大丈夫……と思ってこれを食べていると、後ろの席にムッシュかまやつがいたことがありました。常連さんらしく、それ以来ときどき見かけましたが、お亡くなりになったので当然お見かけすることもなくなりました。 しかし、この時期なら? 丼を手に振り返ってみるとムッシュはやっぱり いませんでした。

 

年に一度の集まりで弟と川の魚を食べる会、いつも通り平べったく並んだ刺身をつつきながら平成のこと、昭和のことなど振り返って酒を酌み交わし会話も弾みましたが、酔いが醒めた後よく考えたら自分にそんな弟いませんでした。

 

乱暴者の兄はいつも何かに追われているかのように怯えていたけど気が向くと作ってくれた鶏そぼろ丼はこの味に似ていた……「そろそろお前にも親父のレシピを教えてやらないとな。創作行為に欠かせない、あるものを一つまみ振りかけるのがコツなのさ。親父はこの秘密を俺に伝えた日の夜、忽然と姿を消したから俺とお前は世間でただ二人だけ、ケンカもしたけど力を合わせて生きてきたもんな」という言葉を残して、兄があんな不自然な死に方をしてからというもの、来る日も来る日も形見の鉄鍋に酒と醤油と少しの砂糖を入れて煮詰め、兄の仇とばかり鶏を刻んで投げ入れ「軟骨がうめぇんだよ軟骨がぁ!」と思うさま焼き炒めるのに、どうしても兄の味にならないので、一つまみ振りかける粉はきっと白胡椒か黒胡椒と何かを混ぜたに違いないと、調味料のセレクトに青春を捧げて30年あまり経ちました。昭和から平成、令和へと時代が移りゆく中で「創作に欠かせない、あるもの」とは一体? ぼんやりテレビを眺めていたら、見覚えのある有名人たちの薬物使用の取り締まりとその後を振り返る番組をやっていて、何か思い出しそうになったけど思い出せない! もうちょっとで兄の味になるのに、どうしても何か足りない。あの粉はなんだったのか、鶏そぼろ丼を食べながら記憶を手繰り寄せたものの、ぼくにそんな兄いませんでした。

 

同棲時代トーストした食パンを9等分して、ひとつひとつヨーグルトとクミン、味噌と七味、ごまだれとマヨネーズなど9種類のコンビでトッピングしたタルティーヌを作って食べさせ合ったあの頃にもう一度だけ戻りたいけど、ぼくにそんな同棲相手いませんでした。

 

てくてくエンジェル……平成の初め、というより1990年代のほうがピンときますが流行したやつ買い直し。記憶よりデカい!小型化の技術が未熟だったのでしょうか?初日は14000歩ぐらい歩いたらしく自動的に毎日14000歩のノルマが課せられました。無理! 日に日にエンジェルの機嫌が悪くなって、そのうち顔を合わせるのも気まずくなり、毎日エンジェルを家に置き去りにして出歩いてばかり。どのくらい月日が経ったか、ひさしぶりに電源を入れてみると書置きを残してエンジェルはいませんでした。

 

ひとりでも「おふたりさまですか?」といわれるのは、ふたり分の貫禄があるから? それとも「お太りさま」っていった? そんな失礼なこと、さすがにいわないだろうから、まさか背後霊が見えてるとか? 気になって振り向いたけど、そんな背後霊いませんでした。

 

インドに嫁に行った姉が出戻って、しばらくカレーはこりごりといってたのに、半年もしないうちにまたインドに出かけてカレー三昧の暮らしを送り、金がなくなると日本に戻ってバイトする繰り返し……いい加減フリーターって年齢でもないけどそんな生活が合ってるらしく、バイト期間に東京でカレーを食べるならどこそこと教えてくれた中の1軒を昼に訪ねましたが、よく考えたら自分にそんな姉いませんでした。

 

「待ち合わせです」と血走った目で入店してきて隅から隅まで見回した後で「あの!こちらに10分か15分前に田中という女と山崎という男がいませんでしたか?」と店員に尋ねる過呼吸ぎみの男は、たぶんストーカーだと思うんですが、あいにく田中という女も山崎という男もいませんでした。

 

関連記事:   千の思い出

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快食・快眠・快浴

2019年08月07日 | サカタだよ

5月の下旬に夏日が続く日本列島で8月の猛暑を想像しています。いかがお過ごしでしょうか。

暑いと食欲なくなりますが、今年も昨年と同じように連日35℃を超える猛暑日が続いていたら、

さぞかし食欲が減退していることでしょうね。放っておくと体調を崩したり、食欲の秋にリバウンド

したり、ろくなことがないでしょうから、編集長が一計を案じて食欲特集を作ろうと子分のやつら

を集めて企画会議を開いたのが5月9日。そして台割(まぁ設計図みたいなものです)ができて、

「食欲と空腹コントロール」特集として船出したのが5月15日。ライターさんの割り振りを決めて

5月23日までに打ち合わせを済ませ、そろそろ主な人選を相談しようと5月24日に副編の席へ

にじり寄ったら

「次々号? だったら待って」

いつ何の号をやってるか基本的によくわかってないサカタだよは8月発売号の台割を出して、

「これって次々号ですか?」

6月発売号の入稿が終わって、7月発売号の撮影が終わったタイミングなので、8月売り号は

次々号といえば次々号になるし、5月発売号が出回ってるので次々々号といえば次々々号。

そんなことはどうでもよく、編集部のトップである編集長のさらに上から天の声が降ってきて、

8月8日発売号が急遽、「快食・快眠・快浴」の特集に変更になったのです。

以前も同じようなことがあったなあ

6年前の夏でした。先代の編集長(自称ヒゲロンゲ)が遺伝子の特集を作ろうと一計を案じて、

子分のやつらを集めて企画会議を開き、台割ができてスタッフが動き出したところで天の声が

どこからか降ってきて遺伝子は中止。かわりに、トリ肉とブタ肉の特集を作るべし……そんな

突然の変更を経験したことがあるので、今回べつに驚きませんでした。

「ああ、またか……」

6年ぶり、2度めの出来事です。もっとも、そのあいだに4年ほど他の編集部へ嫁いでたので

これが6年ぶりなのか、あるいは天の声が聞こえてきたことが他にあったか、わかりません。

昔も今も、わしら百姓は天の声に従うのみです。

前回は天の声に従ってこんなページを作りました

おもしろかったなあ、トリ肉とブタ肉とニホンの歴史をかけあしで2ページにまとめた記事作り。

遺伝子は遺伝子でかなり下調べが進んでいたけど、トリ肉とブタ肉について調べものをしたり

あちこち取材や撮影をしてまわるのは、それはそれで楽しかった。テーマは何でもいいんです、

何十回も繰り返してきたネタでなければ。

豚骨ラーメンと鶏白湯ラーメンの対決もやってた

6年もたつと記憶がすべて失われているから、自分の担当したページをパラパラ見るのが

新鮮です。バックナンバーあまり見ないほうなんですが、5月24日の天の声で特集が変更

になって5月27日にさっそく「快食・快眠・快浴」で担当ページ(快食24P)のラフを描く前に

なつかしいトリ肉とブタ肉の号をひっぱり出して眺め、やる気を奮い立たせました。

これはこれで快食みたいな特集だったのかも?

最初のラフを描いた5月27日の翌日は、ひとりで京都大学にでかけて総長の山極寿一さんに

ゴリラの話をたっぷり聞き、それは8月8日発売号の「感覚的身体論」のページに載ってるはず。

前編・後編の全2回で8月29日発売号まで続きます。特集のほうは6月に取材して7月に入稿

……するはずなんですが、最終的にどんな誌面構成になるか、5月27日の時点ではさっぱり

わかりません。ブログずいぶん前倒しで書いてますけど、なーによくあることです。

 

関連記事:   鶏と豚と私

 

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