サ カ タ の ブ ロ グ 

やぁ、みんな。サカタだよ。

いつもこうなんですアゲイン

2023年08月15日 | サカタだよ

『私はいったい、何と闘っているのか』という映画(2021・日活)で安田顕が「俺はいつもこうだ!」と心の声で嘆く場面が何度かあり、それが面白かったもんで半年ぐらいSNSで「ぼくはいつもこうなんです」ネタを投稿しまくるという、いまにして思えばとても恥ずかしい行為に耽るにとどまらず、それらを集めてブログにまとめること3度に及びました。さすがに飽きてやめてから1年あまり……もしかしたら無意識のうちに、ときどき「ぼくはいつもこうなんです」とSNSに漏らしているのではと思いあたり、ちょっと拾い集めてみることに。

 

2022

台風14号マントヒヒじゃなくてマンドリルじゃなくてナンマドルがのそのそと近づいてるのに予約をキャンセルしないで山小屋までくる物好きな客はやっぱり少ないみたいで大部屋がとても空いております。本日のn本目で喉を湿らせつつ明日もし帰れなくなったらどうしようとワクワクしそうになりますが、どうやらそんなこともないようです。もちろん、そのほうがいいに決まってます。ぼくはいつもこうなんです。

9月18日

 

今年もまたイチョウが青いまま散るのを眺めて、まるで◯◯◯◯◯のようだと思いながら年の瀬を迎えます。ぼくはいつもこうなんです。

11月22日

 

それから今年の流行り歌をいくつか試しに歌ってみたけど第8波きてるから人前で余興として披露する機会ないだろうなぁ……でも、誰も見てないところで努力するのが習い性になってるもんで、やるときはトコトンやるんですよ。報われようと報われまいと、ぼくはいつもこうなんです。

11月24日

 

飯田橋ギンレイホールがとうとう閉館したようです。年会員だったこともあるので最終日までにもう一度すべり込もうと思ってたのに、すっかり忘れてました。ぼくはいつもこうなんです。先月だったか最後に行ったとき、閑散とした館内をなんとなく撮った写真があったので記念に上げておきます。

11月28日

 

この2〜3年で同じ職場の人たちが陽性に随分なったのに自分はなぜか無事だから業務のフォローばかり元気にその都度やっています。大したことではないとはいえ薄々そんなことじゃないかと見当をつけて、治験がなく危険そうで補償すらあやふやなワクチン1回も接種してないけど、蓄積されてきた経験とデータを検討すると正解だったかもしれません。ぼくはいつもこうなんです。打ちたい人が打つことは一向に構いません。むしろごっつあんです。遍くすべての多様な人々がいつまでも達者でありますようにと、あれから切に願い続けています。

12月5日

 

見たい映画がなくてシャンタル・アケルマン監督の二本立て『オルメイヤーの阿房宮』と『囚われの女』を鑑賞してきました。割合に退屈しましたが辛抱できました。こう見えて根気あるんです。ぼくはいつもこうなんです。

12月7日

 

スクリーン見てて「おや?」と違和感をいだくシーンは原作を改変した箇所だと思ってあまり深く詮索しないことにしています。ぼくはいつもこうなんです。

12月8日

 

そういえば(どういえば?)明日までやってる原宿のQUEEN公式ポップアップストアに先週だったか先々週だったか行ったかどうだか忘れてたけど写真があるので行ったみたいです。ぼくはいつもこうなんです。
 
12月10日
 
 

ある程度、牛は牛だけ白飯のおかずにしてからカレーとまぜて食べるのが牛丼の店でカレーをいただくとき毎回やってるスタイルです。誰がどんな食べ方しても構いませんが、ぼくはいつもこうなんです。

12月26日

 

2023

 

この時期になると桜の蕾がふくらむのを日々つい確かめてしまいます。そうですぼくはいつもこうなんです。

1月29日

 

節電なのかコストカットなのか寒いのに今季エアコンがオフになっていて社内がめっきり冷え込んでるので長袖のダウンを着込んでデスクワークするのが当たり前の光景になりました。しかしながら、ダウンはどうしても羽毛が抜け出るのが気になる自分はもっぱらプリマロフトやエクセロフトといった偽ダウン(羽毛を使わなくて水濡れに強いアウトドア用の防寒具)ばかり愛用しています。ぼくはいつもこうなんです。

1月31日

 

ヘルシー気取りでつい生野菜をオーダーして食べきれなくなりがちですが挽回する方法のひとつはチーズを追加で頼んで生野菜と食べ合わせることです。安上がりな酒飲みがここにいますよ。ぼくはいつもこうなんです。

2月13日

 

たまたま通りかかったもんで、九分咲きの梅でも見てまいろうかと石段をいやいや上がったところで、梅林入場待ちの列が長蛇をなしているのを目の当たりにしてショックを受け、すごすごと引き返してきました。ぼくはいつもこうなんです。
 
— 場所:水戸偕楽園梅祭り 3月4日
 
 

侍ジャパンと聞くたびに思い出すのは、日本人のことを侍と表現するのは間違いで大体みんな百姓だった(侍も元は百姓だ)から、百姓ジャパンのほうが実態に近いっていうことです。ぼくはいつもこうなんです。

3月13日

 

スマホ同期に時間かかる〜〜
めったにやらないせいなのか、こまめにやってもこうなのか、めったにやらないからわからない〜〜
高度と時刻しか見ないし過去のデータに興味ないんで時刻だけ同期できたらいいのに、ぼくはいつもこうなんです。
 
4月13日
 
 
 
たとえば柄にもなくスイーツを賞味するとき、憧れても実現しなかった自分自身のニセOLとしての未来が、どこか高みから優しい眼差しを注いでいるのを感じて気分悪くなり、もう1人のサカタだよがストーカーになっちゃった! と怯えるのは、かけがえない気づきのチャンスを逃してるかもしれないと考え出すころには、自分の半身が自分を見守る感覚は遠くへ消え去って正気のおのれが甘さと苦みを行ったり来たり……ぼくはいつもこうなんです。
 
4月21日
 
 
 
トレッキングポールはあまり好きくない(大平サブローシーローか)もんで普段つい忘れがちですが今日はプチ縦走だし念のため持参しました、といっても2本ではなく1本だけ……あれば使うもんです。雨ならインドアのつもりが晴れ続きで自動的に山歩き。せっかくあったかくなってきた連休に高山へ行くと寒いから低山ばかり歩いてます、というのは方便でゴールデンウィークはどこも混雑する上に料金が高い(=いいことない)ので人があまり行かない近郊の地味な裏山を徘徊しています。ぼくはいつもこうなんです。遭難です、じゃなくてそうなんです。
 
5月2日
 
 
 
 
旅先に本を置いてくる癖がある(身軽になるためボロい服を脱いで捨ててくる癖もあるけど本は捨てないで置き去りにする、もしかしたら誰か読むかもしれないから……脱いだ服は人に着られたくないのでゴミ箱にちゃんと捨てる)もんで、手元になくなった本がまた読みたくなると中古で買いなおして読む。この連休は遠くへ行かないので本を置いてくることがない代わりに、わざわざ買いなおした本を読むことはしている。もはや何度も読んだ本しか心から読む気しない。出版される本の質が全般的に下がってるせいか、自分の好奇心が減退してるせいか、ぼくはいつもこうなんです。
 
5月5日

 

こう見えて映画だらけの投稿にならないように逐一は上げていませんが、最近は古い日本映画を銀幕で鑑賞しに神保町へよく行きます。見事に中高年しかいない劇場は昔を懐かしむ人たちの和気のようなものに包まれて、封切り当時この世にまだ生を享けていなかった若輩者のおじさん(サカタだよ)にも居心地がいい。あの世がもし名画座のようなものならば早くお迎えが来てほしい。そんなふうに感じます。まだ往生しそうにありませんけど、ぼくはいつもこうなんです。

6月2日

 

雨が上がりそうなので出かけてきました。上がってから出かければいいものを。ぼくはいつもこうなんです。

6月3日

 



なんか面白いと思って写真を撮る。それのどこが面白いのか考えて言語化を試みる。言葉にできた時それはもう面白みの大半を失くしてるし、言葉にできない時それは誰にも伝わらないのではと恐れて投稿をやめてしまう。ぼくはいつもこうなんです。

6月11日

 



このまえ大阪から帰るとき、急ぎの用もないから空いてるこだまの自由席で読書にいそしもうと企み、車内販売がないので食べもの飲みものを買い込み、およそ30年ぶりに読んだシャルル=ルイ・フィリップの「アリス」とかヴァレリー・ラルボーの「ローズ・ルルダン」とか、機微が克明で鮮烈な短い小説にあらためて感銘を受け、昔ひそかに憧れた人におよそ30年ぶりで再会した自分がどこを素敵に感じていたか明確に思い出すような経験しました。ただの本ですが、本も人も歳月では変化しない……少なくともぼくはこれまでも、これからもいつもこうなんです。
 
6月15日

 

 



きょうは崎陽軒のシウマイ弁当でランチミーチングしました。ミーチングの間は意識しっかりしてたけど終わった途端にすごく眠いいい。ぼくはいつもこうなんです。

6月20日

 



世の中には版を重ねる本より重ねない本のほうが多いのに目立つのは版を重ねる本だから版を重ねない本になんか大抵の人は関心を持ちませんね。ぼくは例外的なので30年も40年も昔に初版で読んだ本を思い出し中古を取り寄せて読んだりしますが手書きの傍線を見つけては何故そこに前の持ち主が感銘を受けたのか、どういう意味の傍線なのか考えるうちに著者や訳者や編集者が踏み固めてくれた道を外れて遭難しがちです。そうです、ぼくはいつもこうなんです。
 
6月25日
 
 


ピンクフロイドのロングセラーLP『狂気』(The Dark Side Of The Moon)何と発売50周年だそうでプラネタリウムにて映像と共に通しで流すイベントを体験してきました。ちょうど眠くなる頃合いで例の目覚まし時計や柱時計が鳴り響くのが超うるさ……いえ鑑賞の助けになりました。See You On The Dark Side Of The Moonとうたい上げるエモいくだりでつい、文鮮明(Moonなんとか)の顔を思い出し、彼の闇の面を讃える催しに迷い込んだか? と怯えましたが、誰も「真の御父様!」と声を挙げるに及ばず事なきを得ました。いつどこでスリルを感じるか本当にわからないものです! ぼくはいつもこうなんです。
 
7月5日
 
 


不調の原因を語る真ん中のおばさんに、左右から微妙なディスりが入る。
中「睡眠不足とか〜!」
右「そうそう、マンガの読みすぎとか」
中「ストレスとか〜!」
左「わかる〜、スマホの見過ぎとか」
真ん中のおばさん「頑張ってるわたし」アピールしてるのに両側から「生活の乱れ」を指摘されて不満そう……それが少し面白くて。
ぼくはいつもこうなんです。
 
7月12日
 

 



早稲田松竹のレイトショーで『はだかのゆめ』みてきた。短くてよかった。最近の映画は長すぎる。よく考えないで多数のカメラを回しておいて後で編集すれば何とかなると思っても何ともなってない超大作が目白押し。そういうのは予告編で大体わかるから観ない。インディ何某とかミッション何某とか、評判を聞いてやっぱりねと思う。90分ぐらいに編集してある昔の映画のなかに、たまにいいのがある。残り少ない人生だもん、そういうのを鑑賞しないともったいないから名画座の暗がりに身を潜めがち。ぼくはいつもこうなんです。

7月23日

 



Kindleで読んだ『絶対に民主化しない中国の歴史』という本のなかに、中華からみたら夷狄だから女真人と悪字(男尊女卑だから)で記された人々が金を建国して中華を脅かし、清を建国して中華を支配する流れで悪字を使わず満洲人と称するにいたったのは、文殊菩薩(マンジュシュリー)の信仰によると書いてあった。女真も満洲も文殊も確かに音が似てる。しかし乾隆帝とかを顕彰する北京のラマ教寺院に祀られていたのは弥勒菩薩(マイトレーヤー)のギネス認定の巨大像だった。どういうことだろう? 儒教以外の権威が必要だったのはわかるとはいえ、ラマ教の信仰に新たな疑問が芽生えるのをどうすることもできない。布袋さんが弥勒だという話もよくわからない。なんなんだ一体! 本を読んで、書かれてもいない連想してしまうのは悪いくせ。ぼくはいつもこうなんです。

7月25日

 



ロバート秋山の大将軍コントかと見紛う大沢たかおの王騎将軍が気になって過去2作の映画のほか、原作マンガとテレビアニメも確認済み(原作がいちばんキモかっこイイ)。そこで現在公開中の映画3作目を鑑賞してきました。やっぱり、という内容だったので満足です。コココココと笑いましたしね、ンフ! お話の進み具合は想像の半分でしたが、面白い映画を原作と比べちゃうのは悪いクセ。ぼくはいつもこうなんです。

8月1日

 



花々が咲くのは人間のためというよりも昆虫のため。そう思ったらお邪魔さま、みなさんお達者でどうぞ、あとはお任せとサバサバする。こんにちはというよりも、さようならという感じ。ぼくはいつもこうなんです。
 
8月3日

 

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いつもとおなじ

2023年08月01日 | サカタだよ

いつもとおなじ朝がきた。執事のアルフレッドが留守なものだから顔も自分で洗わなければならない。面倒なことにタオルも自分で探してきて自分で顔を拭かねば……しかし一体どこにタオルがあるのだろうか? 屋敷の中を探し歩いているうちに、すっかり乾いてしまった! これはこれでいい。

 


まだ6時22分か、23分にすぎない。古時計なので何分か遅れているかもしれないし、進んでいるかもしれない。いずれにせよ屋敷から出たって街で身を寄せるカフェも開いてないに違いない。唯一の使用人である執事のアルフレッドが留守だから朝食はもうしばらく後、出かけてからにしよう。
 
 


なんとも不便なことにスケジュールさえ自分で確認せねばならない。聞くところによればアレクサとかいう執事はそばにいなくても呼びかけると機器の中から返事をしてくれて、スケジュール確認ぐらいしてくれるそうだけど、うちのアルフレッドは端末に呼び掛けても反応がない。旧式の執事なので仕方ない。
 
 
 
朝飯前にプライベートジムで軽くトレーニングこなす。いつもとおなじダンベル、いつもとおなじバーベル、いつもとおなじマシンでいつもとおなじメニューをこなす。いつもとおなじシャワールームで汗を流し、いつもとおなじバスタオル……さてバスタオルはどこにあるのか。いつもは執事のアルフレッドがそこに置いてくれるから、さっぱりわからない。
 
 
 
やむをえず自然乾燥させてから、いつもとおなじ黒のスーツに身を包み、屋敷の地下のガレージでいつもとおなじ漆黒のクルマに乗り込んで、何か軽いものとコーヒーで朝食をとるために全速力で出発する。月夜に悪魔と踊ったことはあるか? といって銃口を向けてきた通り魔に両親が殺害されてから屋敷の一部を見物客に解放しているので、鉢合わせないように地下の秘密ルートで出入りするのも、いつもとおなじ。
 
 
 
いつもとおなじタイムズ駐車場に漆黒のクルマを停めて、黒いマントをひるがえし、セルフサービスのベーカリーカフェに寄る。目についた調理パンをトレーに取ったらコーヒーを注文してイートインコーナーの座席へ運んで食べる。執事のアルフレッドといえども屋敷で焼きそばパンまではおいそれと用意してくれないので、彼のいぬ間に命の洗濯というわけだ。
 
 


典雅なブレックファストを済ませたところで腹ごなしに高いビルの上へ登って、いつもとおなじ街を見下ろす。平和なように見えても、多くの欺瞞と合法の悪徳に満ち、人が人を食い物にするこの都会……まともに働いても身入りの半分を徴税されるほかに公共料金や社会保障の負担金をごっそり取り上げられる。それらが公共の福祉に再分配されることは稀で、ごく一部の特権階級が甘い汁を吸うだけなので、不満を持つ人々による犯罪が止まらない。
 
 


坊ちゃんひとりでどうなることでもないから厄介事に首を突っ込むのはおよしになったほうがと執事のアルフレッドはいつもおなじ小言ばかり繰り返す。だいたい聞き流すのだが大人げなく反発することも時々あって、もう面倒見切れませんとアルフレッドが暇をとったことは過去にも幾度かある。いつもとおなじ。
 
 


しばらくシティをながめてタイムズ駐車場に停めたマイカーを回収し、屋敷に戻る道すがら地下の秘密ルートに至る1本道に何やらチョークで落書きしてある。こんな子供っぽいことをするのは敷地内に入り込んだ子供じゃなくて執事のアルフレッドだろう。「がんばって」とはなんのつもりか? 意味がわからない。
 
 


なんとなく顔を合わせるのが気まずいので、地面にひとこと返事を書いてクルマで1本道を引き返し、せめて日が暮れるまで醜く歪んだ社会の営みを高い場所から見下ろす。蝙蝠のように逆さまにぶら下がって頭を冷やす。いつもとおなじ。
 
 


 
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