そんな思い出あった

ときどき職場を抜けて、何かを待ちながら （待つのも仕事なので）　ひとり生ビール飲むことがあります。

そういうときは渋い焼き鳥の店とか、いいですね。飲みながらすることがないから、コースの焼き鳥が１本

いくらか計算したりして。５本コースだと300円を超え、７本コースだと300円ぐらい、10本だと300円を切る

けど、ちまたには110円や120円の焼き鳥も珍しくないし、考えてみると結構いい値段……でも居心地が

悪くないから時々ふらふらと吸い寄せられちゃう。

写真を撮る前に１口うっかり食べちゃった。左端の串の先っちょ。ＳＮＳに上げようかと思ったんだけど、

まだ同僚とかスタッフとか普通に働いてる時間だからやめておいて、スマホにずっと残っていたやつを

ブログのネタにしております。この日は結局のところ待ちぼうけ、職場に戻っても仕方ない感じになって

芋焼酎ロックで飲み出した覚えがあります。そんなことばかりして25年の月日が流れました。少しだけ、

サバを読んでいますが。 （サバを読むのも仕事なので）

塩の串に続き、タレの串が出てきました。これで10本ですね。なんとなく、ぼんじり追加したいような気が

したけど、絶対に300円以上する （１本の値段は書いてないけどコースより安いはずがない） と判断して、

この日はレイトショーで 『劇場版パタリロ！』をみた思い出があります。そんなことばかりしているんです。

『翔んで埼玉』 がヒットしたおかげで 『パタリロ！』の上映も決まったんでしょうね。マンガとは逆パターン

だから何がいつ売れるか、マーケティングでは決してわかりません。

ひとりで飲むのも悪くないけど、誰かと飲むのは格別です。これは、いつかデスク会で食べたかきあげ。

巨大なので写真に撮ったけれど、しらすとミョウガのサラダの皿が大きいのに小鉢っぽく見えるせいか、

かきあげ小さく感じます。残念。このデスク会で昔ぼくが育休とった話 （2000年から2001年まで）になり、

とっくに忘れていた感情がみずみずしく蘇ってきました。

アジフライは巨大に写りました。大成功。それで育休をとる前ずっとアンアンにいたんですが、ふふふ

これだけ酒飲み話を続ければ読む人も少なくなる頃合いなので正直にいうと、何年も修行というのか

辛抱というのか、心を無にして仕事に耐えているつもりだったんですよ。だから仕事より子供が大事と

感じたのも、育休をとる理由のひとつでした。タイミングがたまたま編集長交代の時期に重なったので

うちでオムツを替えたりミルクを飲ませたりしながら 「次のアンアンどうなるのかな？」 と頭の隅で気に

していました。ところが、会社の不手際で元の編集長と次の編集長のバトンタッチがうまくいかなくなり、

１か月の空白ができてしまいました。週刊誌なので４号も、誰も作り手がいない。雑誌は「定期刊行物」

なので出さないわけにはいかず、空白の４号を編集長よりも立場が上の人がフリーランスを集めてきて

臨時編集部でどうにか作ったそうで、ものすごーく部数を落としました。育児の合間にコンビニでそれを

手に入れて目を通すと、あまりに出来がひどいので、ふつふつと怒りが込み上げてきたことをアジフライ

食べながら鮮明に思い出しました。それまで心を無にして好き嫌い抜きに、我慢して作ってきた雑誌が

どうなったって心なんか動くはずないのに、なぜか怒りが込み上げて初めて自分はアンアンに愛があり、

「アンアンかくあるべし」という非常に強いこだわりを抱いていたと思い知りました。自分の気持ちなのに

自分で気づいてなかった。１年間の育休を終えてアンアンに戻ったら、以前より少しは前向きな気持ちで

作業をこなすようになりましたが、翌年ターザンに移ってからもう随分たつので、そんな思い出あったこと

すっかり忘れちゃってました。これからはアジフライかじるたび思い出すでしょう。

 

ヤヌスの鏡

電車に乗って会社に向かうとき車内の広告をどうしても見てしまいますね。とくに行きたくない日は

興味ないポスターをガン見してしまいます。ネット配信ドラマで『ヤヌスの鏡』をやってるようですね。

岡山の奇跡と呼ばれた桜井日奈子が主演ですか。ふむふむ、『ヤヌスの鏡』といえば思い出すのは

杉浦幸が1985年から86年にかけて二重人格の少女を演じた同名の大映ドラマです。

80年代アイドルって、いま見るとすごいですね。大映ドラマは不良の少年少女が出てきて暴れる話

が鉄板で、『ヤヌスの鏡』はその極端なヤツとして当時から「いまどきそんなツッパリいないでしょ？」

とツッコミながら全国の中高生がお茶の間で楽しんでいました。だって、上の写真のアイドルが夜は

椿鬼奴みたいなメイクをして巷をうろつくんですよ。

超こわい。つのだじろうの心霊漫画みたい。でも原作は宮脇明子が週刊セブンティーンに連載した

少女漫画みたいですね。読んだことないですけど画像検索してみたら表紙にはなんとなく見覚えが

あります。本編のタッチはこんな感じなので、大映ドラマかなり盛ってますね。

生真面目でおとなしい少女「ヒロミ」。厳格な祖母に怯えて育った彼女の内には、おそろしい別人格

「ユミ」が棲んでいた！たびたび表に出ては夜の街を騒がす「ユミ」。だが「ヒロミ」はその存在を知ら

ない……大映ドラマだと「ヒロミ」と「ユミ」はこんな感じです。

パンチが効いてますね。杉浦幸は当時もちろん「ヒロミ」のような生真面目でおとなしい女の子だと

信じられていましたが、そのあとヌードになったりＡＶに出たり、『アヌスの鏡』とウワサされたりして、

どちらかというと「ユミ」寄りのイメージに成長を遂げましたね。岡山の奇跡こと桜井日奈子もいずれ

そうなるかな？　と思いながら、桜井日奈子の「ヒロミ」と「ユミ」を見比べると感慨深い。

不良少女の「ユミ」が、ただのオシャレな子に見えますね。いまどきスケバンみたいな、鬼奴みたいな

過激なスタイルの不良少女を造形してもリアリティがないから、せいぜい革ジャンにロングスカートで

闇を表現したんでしょうけども、パンチは弱いですね。１回も見たことありませんけど、派手に暴れると

いうより現代風に陰湿な悪を行うんじゃないでしょうか。サイコパス全盛ですからね。

そんなことばかり考えて会社になかなか立ち寄らず、席でおとなしく生真面目に働くふりをしても、

深夜０時をまわると別人格でおそろしいブログを更新するサカタこそ、『ヤヌスの鏡』じゃないかと

いう気もします。あいすみません。

来週はサカタの中の「ユミ」がお届けします。

優先席

バカみたいな人が優先席に大股開きで座っていました。見方によっては卑猥に見えなくもない、

そんな座り方でした。ぼくは同類と思われないように向かいのドア脇に立っていると、次の駅で

お揃いの帽子をかぶった童女が３人、笑いさざめきながら乗車して優先席に横並びに座ります。

どうやら小学一年生のようです。いちばん右の帽子が、

「バカじゃないの？」

と悪びれず言い放ちました。その発言は危険ではないだろうか？　大股開きの男が反応したら、

どうしようなんて慄いていると、大胆にも前を指さして続けます。

「あれ見なよ、優先席だよ」

あいかわらず微妙なラインをついた発言ですが、小学一年生ぐらいなのに優先席って読めた！

それはすごいことだけど、もしかしたら漢字をちゃんと読んだわけじゃなく、記号とか雰囲気とか

そういうので優先席とわかったのかもしれない。いちばん左の帽子が、

「ゆずればいいんだよ」

と冷静に答えると、真ん中の帽子が足をぶらぶらさせながら同調します。

「ゆずればいいんだよね……きたらね」

なにがきたらゆずるつもりかしりませんが、たしかに車内は空いているので、きたらゆずれば

大丈夫そうです。バカじゃないの？　というのも自分たち優先席に座ってバカじゃないの？　と

いう意味で、向かいの大股開きがバカみたいで卑猥だと指摘したわけではありませんでした。

大股開きの男もピクリとも反応しません。バカみたいな人をバカじゃないの？　なんていったら

やばいんじゃないかと心配した、ぼくがいちばんバカみたいでした。

 

 

ポケベルがなくて

横綱にリモコンで殴られたのは貴ノ岩、主婦にポケベルで叩かれたのは裕木奈江……貴ノ岩は

付け人に暴行して引退しモンゴルに帰ったそうですが、裕木奈江はおととし『ツイン・ピークス』に

出演したとか。どこか共通点ありそうな話だけど、よく考えたら全然なかった。

 

あ、ポケベルが鳴ったから急いで本部に戻らなくちゃ！　と思ったけど戻る本部など表向き存在しないし、裏稼業のことがもしバレたらエージェントの掃除屋がきて抹殺されちゃうし、ブログに書いて大丈夫かな？　と心配したのも束の間、ポケベルのサービスは終了したと聞いた覚えがあったのに実際は９月末まで継続していた……なんだ、あんたが掃除屋だったのかい。

 

兼業ターザン編集部員のサカタは副業でやってるページ作りを後回しにして今年も本業の田んぼにかける手間を惜しまず、ＪＡに寄越された肥料や農薬いっぱい使っておいしい米作りがんばってますが、田植えが済めばちょっとは手があくので副業の雑誌編集そろそろ本気でやろうとしても、よく考えたら本業の農業も副業の本気も一切ありませんでした。

 

一瞬、あれ？　と過去生の記憶が蘇りかけて頭が痛くなったけど、ふと気がつけばそんな痛みも思い出もきれいさっぱり、なかった。

 

 

きょうはぼくの28回目の誕生日をお祝いする自作自演のパーティをこのお店借り切って開催中なんですが、年齢ちょっぴり詐称したせいか誰ひとり招待客がこないので仕方なく手酌でワンマンショーです楽しいな！　38回目だったかな？　半年ほど前に更新した「平成36年」まで有効のゴールド運転免許証で念のため確認すると誕生日じゃなかったから全然さびしくないし、祝福のコメントやプレゼントなんて欲しくないんだからね！

 

自分が走ったわけでもないのに教え子のタイムを計測していて貧血をおこし転倒して気づくと病院のベッドで足を吊られて横になってました、と公に説明してるんですけど本当は通りすがりのスクールバスに刃物を持って近づく推定50代の男を取り押さえようと人知れず格闘した際に右足首を骨折したことは内緒です……もう、おわかりですね？　そんな骨折も不審な男との格闘も教え子のタイム計測も貧血もすべてありませんでした。

 

野草を天ぷらにして食べる同好会には熊本からきた女の子がいて、かわいかったのに平成元年６月某日あっけなく死んだ……あじさいの葉を食べすぎたからだとも、夾竹桃の葉を食べたせいだとも噂されたけど確かなことはわからなくて、食べるのは草だけにして木の葉は危ないからやめるように念押しすればよかったのにと花の季節は胸が痛むけど、そんな天ぷら同好会に熊本出身のかわいい子はいなかったし天ぷら同好会もなかったのかもしれません。

 

 

 

 

「立…禁止」の札を立てた花壇のある館には空間を削り取る能力のスタンド使いとミニチュア軍隊で攻守とも完璧な連携を誇るスタンド使いが待ち伏せて、ディオの死で肉の芽が暴走して怪物になった親父を世間の目から隠していたようですが、うっかり花壇に立ち入った妹がスタンド攻撃で命を落とす間際、能力に目覚めて実体化した植物のスタンドで危険な花壇に人が侵入するのを妨げるようになって早くも５年……年々歳々ものすごく生い茂り誰も花壇に入れっこないのを年々歳々つい見にきてしまう自分には、死んだ妹などいませんでした（おなじくスタンド使いの兄弟も肉の芽が暴走した親父も）。

 

 

 

お客様がご利用のｄカードが不正利用の可能性があります。本人認証設定をお願いしますというメールが届いたから、大変だ！ いますぐ認証設定しなければとカード入れを取り出し、Ｔポイントカード（これじゃない）Pontaカード（これでもない）図書カード（これじゃない）カラオケ館会員カード（これでもない）WAONカード（これじゃない）……落ち着いて考えたら、ｄカードなどなかった。

 

ぼくの髪が肩まで伸びて君と同じになったら結婚しようと誓った君の髪はすぐ腰まで伸びてぼくと同じにならず、ぼくが腰まで伸びたら君の髪は膝まで伸びて、そんなにぼくと結婚するのが嫌なのかい貞子？　貞子？　ビデオの中の君に話しかけても、画面から君が出てくることはなかった。

 

ゲイバーのママに取材するシリーズやってたとき毎回じっくり観察されて「あなたゲイかと思ったけどノンケね、損してるわよ」とリップサービスしてもらって非常にドキドキしたんですけど、ゲイではなくてロリコンおやじなのがバレなくてホッとした……と飲み会やなんか盛り上げるために告白すると百発百中でドン引きされるので、ぼくがゲイでもロリコンでもなくネクロフィリアだとこの場を借りて打ち明けても友達やめないでね？　本当はゲイでもロリコンでもネクロフィリアでもないんだからね！

 

血豆ができるほど素振りしたり、畳がすり切れるほど一本足打法のタイミングを練習したり、日本刀でボールの手応えを確かめたりしたあの頃に比べればバッティングセンターの打撃なんか児戯に等しいとつぶやいてみたものの……あの頃の記憶は王貞治物語の借り物にすぎなくて思いっきり空振り！

 

マサラチャイを口に含むとインドで己に課した苦行の数々がまったくの無意味と悟り、スジャータという娘の乳粥を受け入れたあの日から「目覚めた人」として在家・出家を問わずたったひとつのことを伝え続けてきた結果、それを真に会得した弟子がふたりとも自分より先に死んでしまった前世の記憶がよみがえりかけたけど、そもそも前世で輪廻を否定していた。

 

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