Kさんは故郷の、心にとどめておきたい光景を描かれました。
「露の聲(こえ)」 日本画 F10
富士の麓でしょうか。苔生す山の奥深く、あたりは濃霧に包まれて
静まり返り、露に濡れた葉から落ちる滴の音さえ聞こえてくるようです。
一滴の水が下の岩にあたって跳ね返る様子がまるでスローモーション
のように力強く表現されています。すがすがしく印象的な作品となりました。
近づいてみました。
暗部は粗い粒子の岩絵の具の黒から墨まで使い分け、深みのある
表現となりました。霧、滴り、飛沫、風に流れる細かな粒まで様々な
状態の水が踊り、おしゃべりしているような伸びやかな筆遣いが実に
魅力的で、個性的な構成も面白く見る者を楽しませてくれます。
いつも元気溌剌なKさんの作品はどれも生命力に満ちています。
過去の作品はHP「上郷の森 日本画教室」内の“作品集”の中の
Kさんのページに制作順に掲載されています。ぜひこちらもご覧下さい。