Tさんは岐阜を訪れたときに出会った光景を描かれました。
「美濃の小坂酒造」 日本画 P10
赤くなった杉玉と菊を見れば季節は晩秋。情緒あふれる光景に何代も
前に生きた人々の立ち働く様子が見えてくるようです。こんもりとした
“むくり屋根”、防火壁である“うだつ”が特徴的な国の重要文化財である
建造物は繊細さと重厚さをあわせもつ風格ある佇まいです。大切に
受け継がれてきた生活と技術に思いを馳せることのできる作品です。
近づいてみました。
しっかりしたデッサン、堅実な進め方、はっきりしたイメージから自然で
落ち着いた作品世界が創り出されています。岩絵の具を地道に重ねた
ことにより、年季の入った木材の場所による味わいの違いがよく表され
しっとりとした情感がありながら晩秋の爽やかな空気感が表現されました。
作品にゆったりとした風の吹くTさん。次作も楽しみです☆
過去の作品はHP「上郷の森 日本画教室」内の“作品集”の中の
Tさんのページに制作順に掲載されています。ぜひこちらもご覧下さい。