6月になりました(焦)
ジューンベリー
6月になり大分色づいてきました。本当にジューンベリーなのね
さて、
海野宿で只今やっています古本カフェ工事。
大工工事がずれこんで遅れ気味ではありますが
今月中には形にするべく進んでおります
5月中旬には断熱工事も終わりました。
私共の工事では、断熱施工、特に、古民家における充填断熱の場合は
「湿気の流れを妨げない断熱材」(要するに調湿する素材)を使うように心掛けております。
という事で、
またもや、さいふうさい標準仕様の乾式セルロースファイバー。
気密防湿シート貼り必須とされるグラスウールは、私共の仕様ではまず使いません。
というか、もう15年以上くらいはグラスウールは使ってないです。
いくら安くても、グラスウールは使いません。
グラスウールは吸湿はしますけれども、放湿はしにくい素材なため、一度吸湿してしまえば
熱伝導率は悪くなり、仕舞にはだんだんカビます。
住宅において、湿気をどう考えるか。
断熱性能云々の性能的な話よりも、まずそこから。
経年による湿気等によって結露して腐る家 にしてしまったら
なんぼ強い家を作っても、意味が無い。
湿気を完全に防湿するためにも気密 という発想で、寒冷地では高断熱施工を求められるのですけど
そもそも論で、そんな事、できる訳?
高断熱高気密住宅やってるところで頑張っているところはありますが
気密施工が不良だの、そんな現場記事をよく見ます。
そんな完璧施工を現場施工に求めなければならない断熱のための気密防湿施工、、、
それ事態が不自然。
と
毎度、同じ事書いてますが
そんな訳で、ここ8年間くらい、古民家で充填断熱する場合はセルロースファイバーを使っております。
セルロースファイバーの素材は新聞紙ですので、調湿に優れ、湿気の流れを妨げません。
そして、屑状の断熱材のため、古民家のような真っ直ぐでは無い材料に馴染みもよく
隅々まで断熱材を吹き込む事ができます。
ただし、屑状の断熱材なため
ボード状の断熱材と違い、専門の断熱屋さんでないと施工できません。
この機械がブローイング用のもの。
いつもはトラックに乗せたまま施工されるのですが
ここは海野宿。
街道にトラックを横付けして施工していると観光客の迷惑にもなりますので
機械を現場に降ろしての作業となりました
断熱施工を、大工さんが兼ねる現場 は未だに多いかと思いますけど
高断熱化を推進するようであれば
充填断熱の場合は、専門の断熱施工屋さんにお願いするのが家としても安全です。
安全って?
充填断熱施工の不良は、致命的に建造物の耐久性を落としめる可能性が高いからです。(性能的に熱損失を気にされるでしょうけども)
つまり、壁内等で発生する内部結露のリスク。(高断熱の場合)
何度もいいますが、壁内などでおこる内部結露が長年続くと、建物が腐りやすくなり劣化します。
劣化した木部に耐震性能もへったくれもなく、金物で緊結しようとも、構造計算上強度があっても、
腐った木部では、その性能も発揮はできません。
そんな訳で、とにかく、腐らないような配慮をした家づくり、を、特に古民家の改修では努めておりまして、
(だって100年以上も残ってきた建物を、今更の改修で腐らせてしまったら申し訳がつきませんもの)
このように断熱施工専門業者さんにきちんと断熱施工をお願いしております。
大工さんに施工してもらうような断熱施工に比べれば、少々お高い断熱工事費にはなるんですが、
私共はその辺もお客様に最初から説明して、標準仕様でこのような断熱施工をしています。
施工風景。
密度凡そ55㎏で135㎜厚強でブローイング。
135㎜も?!って思われそうですが、これで熱抵抗値が凡そ3.3。
と言われても、普通はピンときませんよね。すみません。
セルロースファイバーを隅々まで吹き込むためにも、隙間があってはいけないため
逆を返せば、
セルロースファイバーが吹き込める状態、というのは、隙間を塞ぐことに通じます。
(隙間があると、そこからセルローズファイバーがブローイングで飛び出してしまう)
壁 施工中。
この壁は、いろいろありまして
結果的には、外壁から室内側に柱一本分ふかして壁を新設しました。
外壁は腐朽が酷く、修理が必要なのですが
今回の工事では修理できません。(予算外)
しかし、いずれ外壁の保存修理工事をやることになるでしょうから、
カフェを営業しながらでも外壁工事が出来るようにと、壁をふかしました。
更に断熱と防音を兼ねてセルロースファイバーを吹き込みましたです。
はい。
袋の中にセルローズファイバーが入ってます。
今回の工事では25袋くらい使ったようです。
断熱工事終了です。
断熱工事が終わった後は、大工さんに床を張ってもらい、壁の下地を張ってもらい、
いよいよ仕上げ工事になる訳です。
20㎜厚のパイン材。
塗装工事も入りつつ、
大工工事もやりつつ
畳屋さんも先日の日曜日に採寸に来てくださいました。
畳屋さんも思わずびっくりするくらい、歪んでいるこの建物。。。
敷居の下をご覧ください。
これだけ不陸している敷居。。。
部分改修はこうなってしまいます。
本来ならば、全体的に改修して建物の水平垂直を直した方がいいんですが、、、
予算の問題、それだけの問題でもなく、、、歯がゆい思いをしながらの改修工事です。
正直、これだけ歪んでいる建物の中にいると
少しめまいを感じるくらいです。
柱も目で見てすぐ分かるくらい傾いていますし
傾いたまま改修しなければならないことが辛い。。。です。
そうは言いましても
長年、空き家だった建物が使われるようになるんですから
良しとしましょう!・・・
さて、今月一杯で目途がつくように、あと1ヵ月しかありませんが
最後、追い込み頑張りましょう!