ぼくの近代建築コレクション
東京の都心と下町を中心に、戦前に建てられた古い建物の写真を投稿していきます。
 




鎌倉飯店・繁茂。雪ノ下1-12。2004(平成16)年4月7日

「そばや繁茂(はんも)」は若宮大路の北端、鶴岡八幡宮前交差点のそばにある店で、建物は改装されたが残っている。銅板張りの看板建築は今の鎌倉ではほとんど見られないので、貴重なものではないかと思っていたのだが、5年くらい前らしいが、手打ち蕎麦の店らしい外観に改装されてしまった。観光客のほとんどは寺院建築には目を向けても、商店は売っているものが重要で建物そのものには無関心である。そういう客を相手にする以上、建物の歴史を伝えたところでしょうがないのだろう。
写真の、改装前の建物は看板建築といっても、二階ベランダから後退した二階の壁が銅板葺きになっているもの。壁上部の麻の葉模様、左右両端の柱形上部の藤など凝った銅板ワークが施されている。ベランダにはサンルームが造られている。増築したものだろうか? その屋根はちゃんとした洋風の造りらしく、最初から造られたようにも見える。
鎌倉飯店はまず観光客は入りそうもない店構えだ。地元の人やそこで働いている人を相手の店だろう。「鎌倉らーめん」の幟がある。単にこの店で出すラーメンのことなのだろうが、観光客にも入ってもらいたいという意志の表れだろう。

コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )