ぼくの近代建築コレクション
東京の都心と下町を中心に、戦前に建てられた古い建物の写真を投稿していきます。
 




田中屋呉服店。神奈川県横須賀市若松町3。2007(平成19)年11月16日

京急・横須賀中央駅東口から大通りを東へ、「若松中央通り」と書かれた統一された看板がアーケードの天井から吊るされた商店街をいくと、すぐ米が浜通り入り口交差点で、その角が田中屋呉服店。2階の壁と窓がアーケードで隠されて見えないが、西洋古典様式風なコーニスの飾りが特徴の看板建築だ。
店は創業100年で店主はすでに4代目だという。とすると大正初期の開業である。日本が第一次大戦に参戦したのが1914(大正3)年。第一次大戦は新兵器の登場で戦争のやり方が一変したと言われる。横須賀でも1912(明治45)年に、後に横須賀航空隊になる海軍航空術研究会が創設され、追浜(おっぱま)に飛行場(現日産自動車追浜工場)の建設が始まった。1914(大正3)年9月4日から始まった青島(チンタオ)航空作戦には横須賀工廠造兵部で製造されたアンリ・ファルマン水上機が飛んだらしい。



西村釣具店。若松町3。2007(平成19)年11月16日

田中屋の右は銅板だかトタン貼りの看板建築で、三軒長屋だろうか。右端の「若松屋」という大衆酒場はかなり昔からやっている居酒屋らしい。西村釣具店は日本家屋の瓦屋根が見えている。明治22年に漁具の店として開業したとするサイトがあった。



西岡商店。若松町3-10。2002(平成14)年2月9日

田中屋呉服店を曲がって米が浜通りに入ると、隣が西岡商店だった。商店街も「若松栄和会商店街」と変わる。現在は建物はそのままだが「UniCut 1000」という床屋に替わった。西岡商店は敷物の店。古い看板の文字は右から書いてあって「畳表花蓙上敷行李/近江屋」。

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