冬青(そよご)風

常緑樹の森の下に佇み、かたい葉が風にそよいで、ソヨソヨと音をたてる。
ソヨゴの語らいを聞いていただければ幸いです。

足摺を歩く 1日目(中村駅~以布利)

2006年10月27日 19時41分51秒 | 歩き遍路・3順目高知編


            後川と渡川合流点・悠久の四万十川

 モブログでも発信しましたように、10月17日から20日まで中村から38番
 金剛福寺を打ち、打ち戻らず大月周りで39番延光寺を無事打ち終えました。
 春から5度に分けての長い土佐の修行の道場の道のりでした。

 幸い実家が高知市内、それもへんろ道ぞいにあるので、実家を基地にしての
 区切遍路ができ、いつも以上に楽しい歩き遍路ができました。

 土佐修行の道場を歩く

  春遍路(3月8日~11日)23番から27番 
  GWは逆打ちで(5月1日、2日) 34番から26番    

  夏遍路(7月18日、19日) 33番から35番 
  初秋に歩く(9月1日~4日) 36番から37番 

  今回は10月17日~20日までを順次アップしていきます。
 


 06年10月17日(火)快晴 中村駅~以布利
 朝高知駅8時18分発特急しまんと1号に乗車して、中村駅に10時に到着。
 いよいよ4日間かけて120km足摺岬を周り大月経由で延光寺を目指します。
 前回中村で宿泊した時に朝走った後川左岸を歩きます。草刈をされた綺麗な
 堤防をのんびり歩きますが、日曜に走った今治シティマラソンの疲れで足に
 張りがあり少し不安のスタートとなりました。

 中村駅から4kmほどで、四万十大橋に到着しました。
 本来なら大橋を渡らず、そのまま左岸を真直ぐに歩き、情緒を求めて下田の
 渡しに乗船したかったのだが、残念ながら昨年暮れに船の老朽化と財政難で
 廃止された。現在お遍路が乗れる渡船は私の実家近くの種崎の渡し場だけに
 なってしまった。ここも何度か廃止の噂が流れているが、幸い運行されている。
 
       

       四万十大橋の中央曲部にスチールの椅子が置かれている。
       少し早いが昼食にパンを食べていると、身軽な格好の
       お遍路さんも隣にきて休憩された。
       通し打ちで現在5巡目とのこと。さすがベテランだけに
       リックの荷物もコンパクトにまとめていた。

       埼玉からのお遍路さんと情報交換をしていると、私の
       頭に被っている青空屋さんの手ぬぐいを見て、埼玉さんも
       2巡目からは青空屋さんにお世話になっているとのこと。
       ベテラン遍路さんもリピーターになる青空屋さんの評判を
       ききとても嬉しくなりました。

       

       大橋を渡り右岸を歩くと、間崎の集落の山手に「大文字」が!
       小京都中村の有名な大文字焼きが行われる十代地山です。
       京都や奈良の大文字焼きを見慣れているので、ずいぶん小さく
       可愛らしい姿でした。


       

      久しぶりの長いトンネルに出会いました。
      高知県内では比較的長い焼坂トンネルの時は
      トンネルの恐怖を回避するために、峠越えを
      した。今回のトンネルは1600mと長い。
      歩くと20分ほどかかるので、トンネルを
      一気に走り抜けました。
      新伊豆田トンネル12分で走りぬける。

      汗びっしょりになったので、トンネル近くの
      ドライブイン水車で休憩する。 13:00
      本日の宿以布利「星空」に予約電話をする。
      まだここから15km先なので、10分ほど
      休憩して楽しみな大岐の浜をめざします。

       

       下ノ加江に入り途中たこ焼きの看板が目につく
       小腹もすいたので立ち寄ると、なんと10個
       100円と信じられない値段。300円分注文。
  
       まだ店を始めてまもないとのことでしたが、
       しょうゆ味のたこ焼きを美味しく頂きました。
       食べ終わってお勘定を払うと、お遍路さんに
       お接待といって自家製の文旦ジュースを下さる。

       文旦は冬~春の時期の果物なので、この季節には
       なかなか頂けないのですが、果肉を冷凍保存されて
       夏場よりジュースにして売られている。

       口当たりのさっぱりした文旦ジュースのお接待
       大変美味ございました。
       たこ焼や「ララ」さん、ありがとうございました。



 下ノ加江郵便局で今回初めての郵便記念貯金をする。
 下の加江海岸、久百々海岸と進み、本日のメイン大岐海岸に16時前に到着。
 海岸に下りると、川の水位も少なく板橋が渡されていた、靴を脱いで海に入ら
 なくても浜にでれるたので、ほっとしました。以前は小さな板切れだけだった。
 
 お遍路道中で出会う浜辺のなかでは、一番海岸線が長く締まった砂浜です。
 これでも地元の人は、砂浜が年々やせてきているので心配されていた。

       

 砂浜をお遍路の団体さんが列を作り歩かれていた。その後休憩などしていた。
 先達さんにお話を聞くと、バス遍路なのですがところどころ名所や謂れのある
 場所などは時間をとって歩かれているとのお話でした。いいことですね。

 宿まではあと2kmほどなので、浜辺に腰を下ろしてのんびり休憩する。
 飽かず打ち寄せる波を眺める。波の音が疲れた身体に心地よく入ってくる。
 何も考えずぼーとする。この時間こそ歩き遍路しか味わえない至福の時です。

     

 4時半に民宿星空に到着。ここもネットでは老夫婦のもてなしがいい評判の
 お宿です。ご高齢のご夫婦ですが、関心するほどよく動かれ、2階に案内され
 一服するまもなく、また上がってこられ「汗をかかれたから冷たいお茶を飲ん
 でください」と氷入りの麦茶をくださる。一気に頂く「美味い!
 お遍路の気持ちをよく理解されていて、実にタイミングよくお風呂や食事のこと
 など、あれこれとご夫婦で笑顔で声を掛けてくださる。
 「汚れ物があったら出しておいて」との嬉しい洗濯のお接待を頂きました。

 お風呂を頂いてゆっくりしてから、6時半より階下の広間で食事。
 今日のお客さんは歩き遍路で、通し打ちのお遍路さんばかりでした。
 高知の方が一名、あとは関東の方4名で、若い女性が一名おられました。
 明日4人は打戻で39番を打たれるが、大月周りは私を含めて二名でした。

 夕食は凄いボリュームのおかず。その上特別におばあちゃんが炊かれた鯛飯が。
 お皿に山盛り、焼き魚1匹、鯛の刺身1匹、野菜の煮付け、ナスの味噌和えなど、
 テーブルいっぱいにに並べられていた。とても食べ切れないので箸を付けず
 焼き魚を残す。皆さんもびっくりされるほどの料理なので少し残されていた。

 部屋に戻るとすでに床も敷かれ、洗濯物は廊下にちゃんと干して下さっていた。
 本来自分がしなくてはならないのに、高齢のご夫婦が全部やって下さっていた。
 
 本当に有難うございました。いつまでもお元気で旅館を守って行ってください。

本日の練習

雲を見ながらのサイクルロード走。4往復 6km。

本日の練習 6.0km 10月累計 144km 
         6~10月累計 857.5km
 
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6 コメント

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なつかしいで~す (たかし)
2006-10-27 21:59:19
大岐海岸の画像 ありがとうございました。

いやあ なつかしうれしいこの渚。

カンゲキしました。きょうのよろこびに追加したいくらいです
返信する
大岐海岸 (竜馬16)
2006-10-27 22:30:19
たかしさんの本の装丁の裏表紙に、大岐海岸でのお杖と白衣写真がありますね。

たかしさんの好きな1枚だったんですね。

Kさんの思い出とともに忘れない海岸なのですね。



先日今治マラソンの時、梅錦をお土産に青空屋にもっていたのですが、その時は何にもおもわなかったんですが、今、本を読んだら梅錦にも思い出があったんですね。



のりさんも梅錦のことを知っていて喜んでもらえましたよ。

返信する
お遍路紀行 (anikobe)
2006-10-27 22:43:06
秋晴れの中の歩き遍路。

美しい海のある風景と、暖かいお接待をされる地元の人。

遍路宿の老夫婦の優しい心配り。

全てが詳しくかかれましたので、携帯からのその日の記事が膨らんで伝わってきました。

一日の歩きの疲れを癒された竜馬さんの気持ちと一緒に・・・
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遍路宿の老夫婦 (竜馬16)
2006-10-27 23:12:49
ほんとうに遍路宿星空の老夫婦の自然な接客には心打たれました。

評判の宿の人たちの接客には学ぶことが多いですね。

お遍路の一日は、歩く、食べる、寝る。のシンプルな繰り返しなので、道中の出会い、遍路宿での親交がウエイトをしめますね。

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またまた (みいちゃん)
2006-10-28 21:59:53
期待通り、今日高野山、雨降ったらしいですね。(笑)



ほんっとーに雨男ですよね~、りょうまさんって。

りっさちゃん、めっちゃ怒ったのでは?
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面目躍如 (竜馬16)
2006-10-28 22:43:36
高野から帰ってきました。



朝のメールでは心強いメッセージを貰っていたし、今日は絶対大丈夫と自信満々で雨具ももっていかなかったよ。。



「これで雨が降ったらすごいな。(笑)」

の期待にしっかり、応えました。

「オレて、天才!」



りっささんも怒りを通りこして、あきれているとおもいますよ。
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