冬青(そよご)風

常緑樹の森の下に佇み、かたい葉が風にそよいで、ソヨソヨと音をたてる。
ソヨゴの語らいを聞いていただければ幸いです。

春へんろ 2(牟岐より徳増 その1)

2006年03月16日 22時56分19秒 | 歩き遍路・3順目徳島編


徳増までの47km歩きの長い1日が始まりました。
幸い天気はもってくれそうな感じなのでほっとしました。
以前2回室戸岬まで歩いた時は、晴れの日と、つらい雨風の
両方を体験しています。今日はご覧のように朝日が
以前は甲浦港までフェリーがあり、早朝4時半頃着き海岸線を
40km歩き最御崎寺まで一気に打っていました。

昨晩おかみさんには、食事なしで6時には出発するので玄関の鍵を
開けといてくださいと頼んでいたのですが、おかみさんは5時半に
食堂におりてきて、お茶とチョコレートの袋をお接待してくれました。
そのうえ珍味の「アンロク」という海草を持たせてくれました。
そういえば、以前も同じ海草をおみやげにいただいた記憶が・・。
この時期この地方しかとれない貴重な海草とのこと。
軽いけれど、かさばるので・・・でもご好意を無にすることは・・
次回は秋の南阿波サンラインマラソンの時に、お邪魔することにと、
約束して薄暗い国道を歩き始めました。
内妻海岸あたりより、ご来光を拝める。やはり輝く朝日は気持ちいい~ぃ。



昨日お参りを済ませた鯖大師を7時前に通過。淺川より55号線と
離れて旧道(土佐街道)に入り、新四国曼荼羅86番江音寺をめざす。
淺川港のはずれの山肌にお寺があった。
立派な六角堂もあり漁村の信仰も篤そうお寺でした。
ご住職が出てこられ、淺川の歴史などお話してくださった。
四国108霊場地図や、和紙で作られた延命香の匂い袋、楊枝袋など
お接待していただく。

江音寺より海南町までは、整備拡張された農免道路を歩く。
海南に近づくに従い、自転車通学の中高生の元気な挨拶をいただく。
昨年の11月にお遍路(17~19番)南阿波サンラインマラソンに、
りっささん、みいちゃんと3人で行った時に、りっささんの海南の実家に泊めて
もらった。大変お世話になったので、そのお礼にと再訪させてもらった。

昨日のことですが鯖大師からの打戻って、牟岐近くの国道で急に車が停まった。
りっささんのお父さんでした。「竜馬さんによく似たお遍路さん・・」と思い
スピードを緩めて声をかけてくだっさた。11月にはおとうさんには、車で2日間
あちらこちら案内していただき、大変お世話になっていた。(レース後のご褒美
明日お家にお邪魔しますが、おとうさんとはお仕事に出られているので会えない
のだったが、偶然牟岐でお会いできたのも、お大師さんのお蔭だったのでしょね。

8時頃お伺いすると、おかあさんと、おばあちゃんが歓待してくだっさた。
今日は長丁場歩きなので30分ほどでお暇させてもらいました。
お母さんが私が念珠をしていないのを見つけられ、1番さんから贈ってきた念珠を
好かったら貰ってと、頂ました。またお昼用にと菓子パンなどたくさんくださった。

このお接待パンのお蔭で、ないも無い長い海岸線で空腹を助けていただいたか、
感謝合掌でした。りっささんのご家族の皆さんありがとうございました。

次の休憩地「宍喰」をめざしてまた歩き始めました。時刻は8時20分。(つづく)

矢田寺へんろみち遍路小屋建築作業

矢田寺へんろ道保存会会長山下正樹さんより連絡がありました。


昨日13日から、遍路小屋の建設準備が始まりました。
建築業者さんの話では、今週末には完成する予定です。
3月18日(土)19日(日)に手伝いに行きます。

時間があれば、皆さんお手伝いに来てください。

***************

昨年夏にアサコムホールで「歌一洋ヘンロ小屋展」で頂いた
ヘンロ小屋が、いよいよ矢田へんろ道に建ちあがります。
私も18日(土)にはお手伝いにいきます。
19日は先約の山の例会があり手伝いにはいけませんが、
みなさんもよろしければ、矢田寺にお集まりください。
コメント (8)
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春へんろ 1 (日和佐~牟岐)

2006年03月14日 06時41分45秒 | 歩き遍路・3順目徳島編


先月も8日から19番から23番まで区切り打ちで歩いたのですが、
今月も同じ8日から11日まで、23番から27番まで歩いてきました。
4日間(実質3日間)で133kmの長丁場でした。少し強行軍でした。

朝奈良を6時に出発して、バスと電車で日和佐に到着は11時前でした。
薬王寺では多くのお遍路さんに出会いました。春へんろが始まっている。
薬王寺から少し戻って、先日留守だった新四国曼荼羅霊場84番札所
弘法寺にお参り。本堂に上がってご本尊の前で読経をさせて貰いました。



薬王寺のランドマークの瑜祇塔を眺めながら、いよいよ南阿波サンラインの道へ。
朱色の瑜祇塔は、また五重塔や三重塔と違った円塔の優しさもありいいですね。



日和佐の橋の欄干の装飾。やはり海亀、八幡神社の神輿船。が交互に飾られていた。

     

55号線を1kmほど歩くと、南阿波サンラインの分岐にでる。
そこよりだらだらと長い上りになり、山へと入っていく。
第1展望所あたりより千羽海崖の海が見られ景色もよくなる。
入り口より30分で到着。車遍路のご夫婦が休憩所で食事をされていた。
高知の野市の方で、今日は23番より高知の札所をうち戻るとのことでした。
私も昼食にする。(12:40)日曜に高知テレビマラソンを走る話をすると、
以前(前身は浦戸大橋マラソン)奥さんも2,3度走られていて話が弾む。
饅頭やウイロ羊羹、ポンカンなど次々とお接待をしていただく。



南阿波サンラインは全長19kmで、一昨年まではこの道でフルマラソンが開催されていた。
牟岐町と日和佐町が1年交代の開催で、全国的にもユニークなマラソン大会でした。
1997年に第1回大会があり、私もお遍路の途中でこの大会に参加しました。
99年の第3回大会にもこのコースを走り、残念ながら昨年は牟岐町の単独開催のため
ハーフマラソンに格下げになりました。昨年もお遍路の翌日ハーフに出場しました。



昔は有料道路だっただけに、風景のよい山際の海岸線を延々と歩く。
途中展望台が2,3,4とある、トイレは展望台のみ。自販機は2ヶ所以外何も無し。
自動車も時折通るだけでとても歩きやすく、起伏も適度にあり静か道路でした。

第4展望所でやっと牟岐まで3kmの看板が、あとひと頑張りです(14:10)
モラスコ牟岐の看板が見えればもう直ぐ牟岐港です。(14:35)

牟岐の街中にある新四国曼荼羅霊場85番札所満徳寺にお参りをする。
ここも本堂に上がらせてもらい読経する。ご住職は生憎いらっしゃらなかったが、
納経お願いするとお嬢さんが出てきて、オロナミンのお接待をしていただく。
新四国曼荼羅のお寺は、私は乱れ打ちをしているので納経帳はバインダー方式。
なので納経の時は、朱印帳を出さずにバインダーでというと、2穴和紙の朱印を
いただき、自宅に帰ってからバインダーに綴じていく。軽くてすみます。





3時15分にお寺をでて、5分ほどで今夜のお宿「あづま」に到着。
第1回、第3回大会のフルマラソン出場した時に、あづまさんにお世話になりました。
そのご縁で、お遍路の時など2,3度 お世話になっています。
奥さんもお遍路をされており、現在5回目を終了され、昨年には雪の高野山にお参り
でき感激されていた。奥さんは春美さんタイプのさっぱりした、世話好きで明るい性格で、
とても元気で70歳には見えません。遍路本やネットの紀行文でも奥さんの話題がでる。
20分ほど休憩してあづまに荷物を置いて、鯖大師に向かう。

明日は徳増までの47km歩きなので、早朝6時出発のため別格番外4番鯖大師で
納経と数珠玉を買うことができないので、今日中に鯖大師にどうしてもお参りを済まさねば。

途中、牟岐警察署前で地元の有志でおへんろ接待所が設けられ、歩き遍路にはとても
喜ばれています。私もコーヒーとお菓子のお接待をいただき、いろいろお話をする。
春休みになり、一気に学生の歩き遍路(野宿)が多くなったと話されていた。
土佐街道(旧へんろ道)の地図をいただき、5時までの納経時間が気になったので街道を
走って鯖大師に行く。4時40分に到着。土佐街道の写真も撮りたかったがカメラを宿に
バックと一緒においたので残念ながら撮影できず。

帰路は薄暗くなったので国道を走って帰る。日曜のマラソンのいい練習になる。(往復8km)

今夜のお客さんは4人ともお遍路さんで、二人は通し打ちの方で食事中はお遍路談義で、
夜遅くまで話が弾みました。ちなみになまけへんろさんもここが定宿でした。

日本縦断駅伝
現在朝6:00 名古屋市内を通過中。
JR草津駅17:00の予定表をいただきました。
仕事を3時に切り上げて応援に出向きます。
素晴らしい若者から、凄いエネルギーをもらってきます。
コメント (7)
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お遍路から帰ってきました。

2006年03月12日 21時31分25秒 | 歩き遍路・3順目徳島編


予定を1日早めて夜に帰ってきました。
留守中で更新も出来ていないにも関わらず、たくさんの皆さんに
お越しいただきありがとうございました。

      閲覧数  IP数
8日(水)  184  107人
9日(木)  231  130人
10日(金) 164  102人
11日(土) 869   99人 
12日(日) 314  114人



5日間、よく歩き、よく走りました。133km+14km。
幸い天気もよく、3日目に少し時雨れたぐらいで
雨男のお遍路にしては、よく天気が持ってくれました。

1日目(8日) 30km 7時間
日和佐から南阿波サンラインを歩いて、鯖大師往復。
新四国曼荼羅霊場84番 弘法寺、85番 満徳寺。

2日目(9日)47km 10時間
牟岐から尾崎の徳増まで 86番江音寺 番外東洋大師。
左手にずーっと海と空を見ながら歩く、途中カメラ故障で

3日目(10日)41km 11時間。
四国88ヶ寺札所 24番、25番、26番 中山越えで、奈半利まで。
ホテルなはりにチェックインは18:30 大浴場、露天風呂がよかった。

4日目(11日)27番神峯寺、神峯神社。15km 4時間。
ごめんなはり線の唐の浜駅にて、打ち止め。高知市内の実家に戻る。

5日目 高知テレビ健康マラソン 14km
タイム 1時間9分(昨年1時間15分
ゴールをした瞬間「竜馬さ~ん」の声がグランドよりする。
そこには思いがけないりっささんの姿が、ご両親と一緒に。
高知にお遍路にこられた途中、応援に駆けつけてくれた。
りっささん嬉しいサプライズ ありがとうね。

明日より「お遍路」の報告をいたします。
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高知県を歩いて、走って・・

2006年03月07日 18時32分54秒 | 歩き遍路・3順目徳島編


明日より区切り打ちのお遍路に出ます。
23番薬王寺より打ち始めて、いよいよ海と空がつづく室戸岬をめざします。

8日は天候次第ですが、南阿波サンラインを歩き、牟岐にでて民宿あずまさんに
荷物を預けて、別格番外鯖大師を打ち淺川ぐらいまで歩きます。引き返しあずま泊。

9日は電車で淺川駅へ。そこから38km先の佐喜浜の尾崎か徳増に泊まります。
10日は24~26番を打ち、奈半利まで40kmほど歩き、泊まるか、電車で
高知駅にでて、実家でゆっくりする。
11日 もし奈半利で宿泊した場合は、27番を打って電車で高知駅まででます。

12日は、高知テレビ健康マラソンに出場のあと、墓参りをしてもう一泊実家で。
13日に奈良に帰ってくる予定です。

またしばらくブログは更新できませんが、よろしくお願いいたします。
留守番役は、窓辺で春の陽光を浴びて、春眠をむさぼっているアキです。
アキちゃんお留守番よろしくね。


日本縦断駅伝ブログ

縦断駅伝も2日目を向かえました。ブログではスノーロードを走る
彼らの勇姿もみれます。それにしても凄い雪道です。
襷が凍ってしまうというのですから、凄い寒さなのでしょうね。

是非一度アクセスして、彼らの夢を応援してやってください。

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遍路道で出会った看板

2006年02月17日 21時01分06秒 | 歩き遍路・3順目徳島編

ご覧ください。色彩豊かな見事な道標ですね。
看板好きにはたっぷりの道標です。
今まで一箇所でこれほどの方向看板を見たことがありません。
遊び心あふれる手作りの道標は、地元の若者や子供たちが
トーテムポールをイメージして製作したのでしょうね。


この道標は、
生名の町から勝浦川に架かる沈下橋を渡った直ぐの広場にあります。
遠くの山は中津峰山で中腹あたりは、星の岩屋や仏陀石があります。



薬王寺を目指して由岐海岸を歩いている時に目にした看板です。
太陽と海と海岸線(波)をすっきりとまとめたいい看板でした。
由岐、日和佐、牟岐の文字にかかる波は南阿波の風光明媚な
海岸線をイメージしているのでしょうね。
海岸線を日和佐まで歩いてみて「うみの都」を堪能しました。

次回の遍路も日和佐から牟岐までは南阿波サンラインの海岸線を
歩く予定です。(マラソンでは南阿波サンラインを3度走っている)



由岐から木岐、えびす洞の海岸線を歩いていて一番目についた看板。
「カニ注意」の看板です。この海岸線はアカテガニの生息地とのこと。
アカテガニは普段、海からそう遠くない陸上の石垣や斜面の孔に生息し
7~9月の大潮の時、踏みつぶされる危険を冒しつつ、産卵のために
川や海に移動するので、そのために注意呼びかけの看板だったんですね。


帰宅してから、ネットで調べました。
アカテガニの不思議な生態を知り、とても興味を持ちました。
興味のある方は、下記のリンクをクリックしてください。


アカテガニの“放仔(ほうし)”観察会

アカテガニの幼生放出

    

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「あなたに出会いたくて・・・えびす洞」

2006年02月16日 21時50分23秒 | 歩き遍路・3順目徳島編

       日天月天の石碑(左・月天 右日天)                笠地蔵  

2月10日(金)山茶花さんを6時30分出立。風冷たく薄暗し。
幸い天気はよい。月夜御水庵あたりで明るくなりだす。

当初今日は牟岐まで歩き、駅前の民宿あずまさんに宿泊予定だった。
昨晩電話をいれると、なんと奥さんは久百々に旅行に出かけていて留守だった。
もう1日早く電話をくれていたら、延期して待っていたのにといわれる。
11月の牟岐で行われたマラソンの時も、出会えなかったので残念です。
女将さんの宮内さんには、マラソンやお遍路の時はいつも泊まって大変お世話に
なっている。友達のお遍路さんもよく紹介してお世話をしてもらっています。

結局今日は日和佐で打ち止めし、来月3月8日に23番から打ちなおして牟岐まで
歩き、あずまさんに泊まることにした。



今回は日和佐までは55号線を歩かず由岐まわりの海岸線を歩くことに。
鉦打ちより弥谷観音に足のばす。以前の観音堂は下の道にあったのだが、
福井ダムの工事で沈むので、現在の高台に新しく建てられた。

ダムサイトの遊歩道に夫婦地蔵、地蔵菩薩、笠地蔵、日天月天の石碑も一緒に
上げられて祭られたいた。
観音堂から対岸(55号線)にある鉦打ちのヘンロ休憩所が望める。

交通量の少ない由岐、田井の浜、木岐の海岸沿いの集落を通り抜けていく。
由岐、木岐の郵便局ではしっかり記念貯金をする。



木岐の集落より山座峠までは、高度を上げながら風光明媚な海岸線が眼下に。

              
                 ハイな気分で、歩き遍路の醍醐味を味う。

 えびす洞
        これが、えびす洞です。
                

 やっとえびす洞に到着です。22番から歩くこと、約19km。5時間かかりました。
 洞穴を吹き抜ける風、きらきら輝く海、砕ける波の音が心地よく身体を包みます。
 佇んでいるだけで、どんどん身体の力がぬけ、心地よい疲労で岩に座り込む。



標高52mの岩山の内部が波濤で浸蝕洞となっています。岩山を巡る遊歩道があり、
山頂の展望台では、大浜海岸や太平洋の桂景を満喫できます。
頂上までこのぐるぐる階段がしんどい。今回の遍路で一番しんどい道でした。
日和佐の町はすぐそこです。薬王寺の丸い瑜祇塔もみえます。



えびす洞よりは下り道。海がめの産卵で有名な大浜海岸。
海岸の岩の向こうに先ほど訪ねたえびす洞の巌山も望む。
日和佐の町にはいり、新四国曼荼羅84番札所の弘法寺に
お参りによるが、本堂には鍵がかかり留守だった。残念。



薬王寺にお参りを済ませて、2泊3日の区切り遍路は無事終了。
発心の道場である、徳島県の札所を無事打ち終える。
次回からは、我が故郷高知をたっぷり歩けるのがとても楽しみだ。

おまけの写真は、8年前の花遍路でお参りした薬王寺です。
      やはり、若いですね まだ髪も豊富でした・・・。




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「あなたに出会いたくて・・南舎心ヶ嶽」②

2006年02月15日 23時42分36秒 | 歩き遍路・3順目徳島編
     

98年3月に21番から23番まで区切り打ちで歩いてから、もう8年になるのですね。
いや~人間の記憶て、当てになりませんね。単に私だけかもしれませんが
私の記憶には水井橋を渡ったらすぐに、階段状の登りが始まったとしっかりインプット
されていたのですが、実際には登坂口まではゆるやかな若杉谷川ぞいの道を2kmほど
歩いて行くのだったんですね。若杉遺跡公園の休憩所で休んだことも思い出しました。

水井橋から1時間弱で山門に到着。鶴林寺ではそれほど冷え込みは感じなかったのだが、
太龍寺では、汗も一気に引くほどの冷気に襲われ、身を震わすほどの寒さだった。
を込めて山門の鐘楼からぶら下がっている綱を、思いっきり引っ張り鐘を撞く。
気持ちいいほどの鐘の音色が堂宇に広がっていく。気分すっきり。



山門を入って少し右に入る道を300mほど行くと、北舎心ヶ嶽にでる。
大きな巌の横に小さな社があり、巌に鉄梯子が渡され巌の上に出れる。
鉄梯子は雪が凍り付いて注意して登っていく。
巌の上はそれほど広くないが見晴らしは最高で、鶴林寺の三重塔も望める。
眼下には登ってきた遍路道が、雪で覆われているのもよくわかる。



お参りをしているあいだ身体が冷え切って、頬がじんじんしてくる。
ロープウェーの売店に逃げ込みストーブで暖をとらせてもらう。
温かい椎茸茶をいただき、やっとひといきいれられた。

ロープウェイ山頂駅から、ミニ霊場の坂道を登っていくと88番のところが
南舎心ヶ嶽です。若き空海さんが「虚空蔵求聞持法」虚空蔵菩薩の真言を
100万遍唱える修行した場所と言われています。



ロープが張られ立ち入り禁止になっているが、巌に登らずよこの小道を
回り込むと、正面にでれる。お大師さんのお顔を拝顔できる。
そこからの遠景は素晴らしく、幾重の山々の向こうに紀伊の海が幽かに
望め、その先は聖地高野山が。ここは西の高野と呼ばれているのも納得。



ここからまっすぐ下り、持福院経由で鷲敷の町にでるのだが少し寄り道をして、
目の前にそびえる太龍寺山に向かう。枝道から10分ほどで山頂に到着。
山頂(618m)は昔は何か建物があったのか、平地で石垣のあとなどもある。
ちょうど12時前だったので、宿で用意してもらった御握り弁当をたべる。

前回も焼山寺では、奥の院で焼山寺山(938m)に踏み跡を残した。
遍路でちょっこと登山も楽しいもんですね。



持福院への道は遍路道より、登山道風で少しガレ場などもあり荒れたみちでした。
ほぼまっすぐな下りをついつい早足でくだること、45分195号線にでる。
ここから阿瀬比でるまでの国道歩きの4kmは疲れました。

道の駅わじきの手前に立派な東屋の休憩所があり、横のうどん屋さんの峠屋さんが
お遍路さんに湯茶の接待をしてくだっさていた。ありがたくお接待をいただきました。
キャラクターのお遍路さんは、大きな丸太を利用して作られたいた。菅笠、白衣、
金剛杖、数珠と完璧なお遍路さん装束ですが、河童に見えたのは私だけでしょうか?



いよいよ楽しみな竹林の遍路道の大根峠越えです。
峠の登り口には竹の杖がたくさん置かれていました。
「大根いやしの道を守る会」の皆さんが遍路道を綺麗に整備して下さっている。
とてもありがたいことです。けして「ダイコン」ではなく「おおね」峠ですから。

ここの遍路道は竹林の道が綺麗なのがとても印象に残っていた。
でも今回8年ぶりに歩いて見ると、竹林はかなり荒れていて少しがっかりしました。



22番平等寺到着3時。ここの蹲はお遍路さんに人気があります。
手水所の横に置かれた大きな岩をくりぬいた蹲には、季節の花木を浮かべています。
冬の季節なので、南天の葉っぱと赤い実が入れられていました。ほっとします。
札所のやさしい心遣いがいいですね。



ここのお寺の好きなところは、境内に自由猫がたくさんおり、お遍路さんに可愛がられて
いて、八十八ヶ所では猫寺としては有名です。
納経所の横に今日も猫がおりました。人がきても逃げず撫ぜてやると、ゴロゴロ転がり
ながらお相手をしてくれます。とても可愛いです。家に残してきたアキを思い出しました。

今日はここで打ち止め。今夜のお宿は札所より「8秒8歩」の山茶花さんです。
鶴林寺から太龍寺を歩いている途中で「8秒8歩」の看板を見つけました。
山門をでて宿まで数えてみました。その通りでした。凄いキャッチフレーズにです。

明日は「あなたに出会いたくて・・えびす洞」につづく。
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「あなたに出会いたくて・・南舎心ヶ嶽」①

2006年02月14日 23時30分24秒 | 歩き遍路・3順目徳島編


   24歳の時に書いた「三教指帰」には「19歳の時、阿国太龍嶽に登り、
   虚空求聞持の法を修し・・・」と記している。
   「虚空蔵求聞持法」とは、虚空蔵菩薩の真言を100万遍唱える修行で、
    最低でも50日間かかるそうです。
   「舎心」とは「捨身」であり、谷に身を投げ捨てる、と言った意味だ。
     

2月9日(お遍路2日目) 朝起きると宿舎の運動場は雪景色。天気は
昨晩の宿泊客は、私と札幌のお遍路さん二人きりでした。
札幌さんは2回目の通し打ちで、山屋であり、アルキニストの猛者でした。
さかもとには昨晩から連泊されていて、昨日は如意輪寺を往復され、
今日は慈眼寺を往復され太龍寺下の龍山荘に泊まられるとのこと。
札幌さんは私と同じように、全熊野古道をも走破されたので、話が弾みました。

     


ご覧ください札幌さんの手作りの金剛杖です。結構重たかったです。
材料は鍬の柄を加工されて、杖のの先にはアタッチメントが取り付けられ、
歩く時は左の写真。山道の上り下りは右の写真のように、ストックになる。
さすが山屋さんです。アイディアが凄いですね。ほしい~!

金具は北海道ではよく見かけるが、こちらでは無い様だとのこと。
一度コーナンにいって探してみよう。マイ金剛杖もいいかも。



雪道が凍っているので危ないからといって、スタッフの方が横瀬橋まで送くって
くださった。ありがとうございました。
さかもとのスッタフの皆さんが、少しでも歩き遍路の気持ちを知ろうととして自ら
歩かれて、横瀬橋からあまり知られていない鶴林寺までの地図を作られた。
その地図を頂き鶴林寺をめざす。このコースは鶴林寺へは最短距離で登れるそうです。
(慈眼寺への歩き遍路道の地図も、スタッフの方々が歩かれて作られている)

7時50分より歩き出す。細い急な登りが少しつづくが、まもなく本線の山道に出会う。
そこには地域の人が手厚く守っている観音さんのお堂と、休憩所がある。

       

お堂で休憩したあと、歩きやすい広いへんろ道がつづき、緩やかに登っていく。
道沿いの木々も伐採され、道もよく手入れされていて歩きやすいいい道だ。
登るにつれて昨晩降った雪も見られるようになった。風が冷たい。



8時35分 鶴林寺山門到着。誰もいない静かな清清しい境内。鶴がお迎えしてくれる。
お参りを済ませて納経所で、昨日お参りをした星の岩屋の納経をしてもらう。
鶴林寺から標高500mから50mまで下るので、つま先を詰めて痛たくなる。
急な下りを一気に下るので無理も無いことだ。水井橋到着9時45分。

那賀川に架かる水井橋に寄りかかり、缶コーヒーを飲みながら暫し休憩。
橋の下の広い河原の風景がとてもいい。昔この橋が無い時は、渡し舟で往来したとのこと。
次は、21番札所太龍寺への登りだ。

明日は「あなたに出会いたくて・・南舎心ヶ嶽」②に続く。



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「あなたに出会いたくて・・仏陀石」 ②

2006年02月13日 06時18分54秒 | 歩き遍路・3順目徳島編
    
                両部曼陀羅 仏陀石裏面より撮影



1時過ぎに生名より、いよいよ星の岩屋に向かって山方向に向かう。
年代物の道標の上に、岩屋まで2900mの標識がある。
勝浦川にかかる長い沈下橋を渡り、静かな星谷集落から登り道へ。
(沈下橋を渡ったところに、感動的な標識に出会う。が、後日アップ

軽自動車が1台通れるほどの山道だが、ちゃんと舗装されている。
標高差200mほどのみかん畑を一気にのぼると、分岐にでる。
左の山に向かう方向からは、生名の集落や鶴林寺の山並みが望める。

岩屋に近づく頃、一気に曇りだし雪が降り出す。いい雰囲気だ。



40分ほどかかり星の岩屋到着。本堂をお参りを済ませて大きな洞窟を
潜って外にでると、そこは修行をする滝場でした。
この洞窟でお大師さんは、悪星を閉じ込めたのでしょうか?



洞窟から降りてくると、滝の裏にでる。こらが裏見の滝のようだ。



滝の前にある大師堂でお参りを済ますと、また雪がずんずん降り出す。
大きな二枚の岩や、滝も雪につつまれだす。とても静かだ。一人きりの世界。

雪もやみ出発。本日の目的である仏陀石といよいよ対面できるのだ。
みいちゃんから道が少し分かりにくいと聞いていたので、少し心配するが、
本堂の横道を登っていく、少し歩くと拓けた場所に観音堂があるが、仏陀石らしき
石造群は見当たらず、分岐にでて下っていく。かなり下って見るがそれらしきものは
まったくなく、地図をよく読み返すと岩屋から600mの距離。観音堂まで引き返す。



観音堂の下に少し平らな広場があり、その片隅にこんもりした小山がある。
広場に下りる階段らしきものもあり、降りていくとその小山に日が差し込み
73尊の諸仏が待ちわびたように、出迎えてくれました。

あなたに出会いたくて・・仏陀石」やっと出会えることができました。
写真で見せてもらった時は、大きな石像群と思っていたので、実物は以外に
こじんまりしていた。でもとても感動しました。静かないい場所に鎮座している。

ゆっくり四方の仏さんのお顔を拝顔しながら、時を過ごしました。
こんな辺鄙な山奥に、素晴らしい仏尊が隠されているのがいいですね。



仏陀石をから横瀬橋まで標高差300mみかん畑の急な下り、走り下りること40分。
途中、リックの後ろに挟んでいたウインドーブレーカーの落下も知らずに横瀬橋へ。
気づいた時はすでに遅し、とてもあの急な登りを・・探しにはいけない



横瀬橋から旧街道を歩く、夕刻が近づくにつれて、冷え込みだしまた雪も舞いだした。
歩くこと1時間で、本日の宿泊所「ふれあいの里・さかもと」に到着。
02年に廃校になる小学校を改築されて、いろいろな体験学習のための宿泊施設として
幅広く活用されたいる。
この施設のことは、曼陀羅のへんろオフ会の時に、ここのメンバーのKさんに紹介された。
大金をかけて改装されただけに、施設内の部屋、風呂、トイレ、洗面所などびっくりするほど
綺麗で、お風呂はジャグジーで感動しました。洗濯施設も充実している。



今日の夕食です。地域のスタッフの奥さんたちの手作りの田舎料理です。
惣菜は大好きな野菜中心で、刺身がなっかたのがとても嬉かったです。

明日は「あなたに出会いたくて・・舎心ヶ嶽」につづく。

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「あなたに出会いたくて・・仏陀石」 ①

2006年02月11日 23時12分32秒 | 歩き遍路・3順目徳島編

              両部曼陀羅 仏陀石正面より撮影

2月8日より19番から三泊四日のお遍路にでました。今回は単独歩きです。

昨年11月初旬に奈良大師講で17番まで30人の団体歩きの応援スタッフとして参加。
11月20日にはみいちゃんと、りっささんの3人で18番19番と打ち終えました。
みいちゃんはその後、年末に23番まで打ち終え、りっささんはなぜか四国に渡れず女人道や
町石道のすばらしい高野の案内人になっている。(彼女のブログ「みえないちから」参照)

週間天気予報では、寒さは厳しいけれど、ずらりマーク。晴れ男に生まれ変ったようだ。
心強く出発。淡路島に渡るころは快晴。と・・・・ころが、徳島はいると一気に曇り
前回(11月20日)もこれとまったく同じパターン。「おい、おい」とひとり突っ込みが入る。
幸い通り雨だったようで、JR立江駅につく頃は快晴。ほっとほっとである。

立江寺にお参りをして11時スタート。久しぶりのひとり歩きでリズムがつかめずもたもたする。
風が強く被っていた菅笠をバッグにくくりつけて歩く。



40分ほど歩いていると、ちょっといっぷくの看板「寿康康寿庵」の休憩所があった。
プレハブの小屋の中はお茶の用意などしていたがお留守だったの遠慮する。
道路に面した小さな休憩所で休んでいると、老人のお遍路さんがきて一緒に休憩する。
お話を聞くと横浜の人で1日25kmぐらいの歩きで、通し打ちをしたいとのこと。
お遍路「横浜さん」より、先ほどお店でアンパンを買ったのだが、賞味期限が1日切れて
いるがよかったらどうぞと、お遍路さんからのお接待。お腹もすいていたので喜んで頂く。
横浜さんとしばらく一緒に歩く。横浜さんは歩き遍路をしたくて、毎日自宅付近を荷物を
背負って、歩行訓練をしてお四国にきたとのこと。少し肥満ではあるが、なかなかしっかり
した歩きをされていたので、山歩きは少し苦労をさそうだが十分歩き通されそうだった。



沼江大師付近を歩いていると、少し先に車が止まりおじさんがバンの荷台より小さな
ボックスをかかえこちらに歩いてこられ「お接待させてください」と保温器の蓋をあけると、
そこにはコーヒー缶、お茶缶、ミルクティー缶が10缶ほど温められていた。
お礼をいってコーヒーを頂くと、ピーナツパンまで一緒に手渡される。
さめないうちにといわれ食べながらお話をする。細やかな心づかいにじん~とくる。

小松島の方で週三日ほど、奥さんと二人で時間を見つけてお遍路さんにお接待をさせて
頂いている。おじさんの息子さんは少し身体不自由なので、着替えなども一人では何も
しなかったのだが、ご両親がお遍路さんに布施をするようになってから、不思議なことに
自分から身の回りのことを少しづつするようになった。これもお大師さんのお蔭ですと、
嬉しそうに話されていた。運転席の奥さんにもお礼を言ってお別れする。

常田富士夫似のおじさんに元気をいただき、星の岩屋をめざす。
生比奈郵便局で記念貯金をして、昨日のブログのへんろ標識より星の岩屋への山道へ。
ここまで10km2時間10分。まずまずの歩き、いよいよ楽しみな山道だ。

あなたに出会いたくて・・仏陀石」②につづく。


奈良大師講、1番から19番までの記事は、カテゴリー「お遍路」をクリックすれば読めます。


本日の練習

夕方京都より帰ってから、サイクルロード4往復 6km
明日郡山市民マラソンなので少し練習をする。

月間走行距離 47km  06年累計走行距離 169km 



コメント (2)
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